どんなやぶれかぶれな世の中だって人間は畳の上で死ぬもんだ。時は昭和。

「涙を流さなくちゃ、始まらないことだってあるんだよ」。恋人にひどく傷つけられ、泣けなくなった女の子。

ささやかでありふれた日々の中で、たとえどんなに愛し合っていても、人は知らずにすれ違い、お互いを追いつめ、傷つけてしまうものなのか…。

こんな結婚しなきゃよかった―三十歳にして家庭生活に絶望した綾は、子育てを放り投げ、「出会い系」にのめり込んだ。

惚れた女を救うため、負った八十八の刀傷。江戸・呉服町で仕立て屋を営む男は、その傷から「斬られ権佐」と呼ばれていた。

大手観光バス会社をリストラされ、超弱小“すずめバス”にガイドとして再就職した町田藍。

新年早々、伊豆・河津七滝の宿に後藤ゆみという女が宿泊した。その二ヶ月前、同姓同名の女が七滝の一つ蛇滝で転落死していた。

偉そうな顔をしていても、作家だって俗物根性丸出し!俗物作家東野がヤケクソで描く、文壇事情など13の黒い笑い。

音を頼りに謎を追う。ファンタジック・ミステリー。

「坊っちゃん」の裏に浮かぶもう一つの物語。 東京に帰った「坊っちゃん」は、山嵐に赤シャツの自殺を知らされ、再び松山へ。

スコットランドの小村で、4人の大学生が血まみれの若い女性を発見した。女性は死亡し、警察はすぐに調査を開始。

すべては孤独な男女の出会いから始まった。転落する運命のバス。

子ども虐待。犯罪被害者…。

29歳。恋も仕事も行き先不明！？　新感覚ミステリー。

日々是好日？　骨董品をめぐって今日も事件が…。 いつも開店休業状態の下北沢の骨董屋・雅蘭堂。

タイムスリップした私は、父を救えるか！ 23年前の夏、父は殺された。犯人は不明。

三十歳を過ぎ、仕事への希望も見出せぬまま、東京で一人虚無的な日々を過ごすデザイナーの暁子は、祖母の遺品をきっかけに耿介という男と知り合う。

「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。

これが上方のお笑いや、謎解きや!上方落語の世界を舞台に描く、青春落語ミステリ。

五歳のころ、放浪癖のあった父親と同居することになり、程なく、花村少年の地獄の日々がはじまった。

家業の薬売りを手伝うために妻の静佳とともに富山に戻った麻史は、祖父が残した書き付けから「曼荼羅道」の存在を知る。

舞台は南の島。イルカがすむ島として脚光を浴びる巌倉島で、比嘉涼子は、環境保護団体の一員として生態調査に従事していた。

「山背」とは初夏の東北地方に吹く冷たい風のことをいう。その山背が渡る大地で様々な厳しい営みを続け、誇り高く生きる男たち。

私は、女の顔をした悪魔を一人知っているのです。その女のしたことを考えるだけで、ぞっとします。

地響きがする―と思って戴きたい…相撲取りの討ち入りを描く「四十七人の力士」、肥満ミトコンドリアが暴れる「パラサイト・デブ」などなど数々の名作を下敷きに、パロディの極北を目指したお笑い連作巨編がついに文庫化。

1955年、20歳の雅代は、美大で油絵を教える川久保悟郎の家に、娘の桃子の家庭教師を条件に住み込むことになる。

奈緒美は十歳年上の町田雄一と結婚した。自分は初婚だが、彼は四年前に離婚歴がある。

ウィジーは骨董品をあちこちでピックアップし、ディーラーに卸す「ピッカー」。

ウィジーの親友ベベが経営するレストランのシェフのダニエルとの仲も、うまくいったり、邪魔が入ったり。

等身大の女性を描く、第126回直木賞受賞作。

一九九七年、カナダ西海岸・ヴァンクーヴァー。中国への返還目前の香港から押し寄せる移民たち。

エリート捜査官・ハロルド加藤はおのれの犯した罪におののく。悪徳警官・呉達龍は血にまみれた金を求めてあがく。

2003年7月18日。翌日20歳の誕生日を迎える翔悟を奇妙な現象が襲う。

ある新人賞の審査員となった人気作家・浅沼は、候補作を読みながら、背筋の凍る思いがした。

ある新人賞の審査員となった人気作家・浅沼は、候補作を読みながら、背筋の凍る思いがした。

1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。

交通事故で意識障害となった従兄弟と入れ代わる「分身」、乳児取り違え事件が発端となる「渡された殺意」、結婚詐欺師に騙された女に出会う「婚約者」など、“もう一人の私”をキーワードに自分のアイデンティティを揺るがす恐怖を巧みなトリックで描く9篇―。

「日本人の子として恥じぬよう、アメリカのために全力を尽くす!」日系二世語学兵の、栄光なき孤独な戦い。

インテリジェント・ビルのインテリアの仕事を成功させ、独立した美有。

愛する人よ!かけがえのない街よ!マグニチュード8。

美貌と才能とお金、そして幸せな家庭。全てに恵まれた作家の「私」は、執筆に専念するため、マンションを借りる。

不適切な処置で患者を死なせてしまったとして大学病院を追放された若き医師・工藤。

シリーズ第1作で鮮烈な印象を残した、ホームズと愛弟子メアリのパレスチナでの6週間の詳細が初めて明らかにされる。

デザイン事務所に勤めるインテリア・デザイナー、美有のもとに、思いがけない大きな仕事が舞い込む。

坂下薫平19歳。首都大学の学生寮で、個性溢れる面々と楽しい日々を過ごしていた。

「ハマってしまう」ってどういうことなのだろうか。「ハマって」しまったらどうなってしまうのだろう。

幻想の新境地を拓き続けてきた孤高の異才が持つもう一つのマスターピース。

アレックスが謎の一味の殺し屋に! 父親の消息を訪ねたベネチアで遭遇した謎の美人は、スコルピアと名乗る一味のボスだった。

二つの事件解決に挑む女性警部と心理分析官。ロンドン市警の女性警部キャロルと心理分析官トニーのコンビが復活。

大好きな彼氏に振られた!それもひどい方法で。傷心の女子高生、岡野栄江の周辺で血なまぐさい事件が起こり始める。

官軍二十万、在り。清風山、流花寨、烈風の灯の如し。

たったひとつの戒律で、“心の平安”を得られるはずだった十人。ここにしかない奇妙な味、ブラックな笑いと恐怖の全十話。

純粋論理のアクロバット。あなたはこの謎が解けるか。

大阪のホテルで、連続して二人の男が猟奇的な方法で殺害された。

霊感バスガイド・藍が活躍する人気シリーズ！弱小観光「すずめバス」に再就職した町田藍。

ド田舎の大青山村。世界最長の滑り台を目玉にしたテーマパークで村おこしを図るも、台風で崩壊。

突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。

気力なし。知力財力さらになし。

“究極のハイクラス・リゾート東地中海の真珠キプロス島”女性誌の編集部員響子の海外取材は、このキャッチコピーのようにいくはずだった。

性差を超えるファンタスティック・ミステリ。

恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていたリョウ、二十歳。

“南条家の星”サッちゃんが通う名門小学校の修行旅行先は、なんとドイツ!母の麗子はもちろん、その双子の妹・美知をはじめ南条家一同も、なぜかうちそろって同行することに―。

御茶の水署・生活安全課保安二係の斉木係長とヒラ刑事の梢田は、飲食店視察の名目でタダ酒にありつくような、お調子者コンビ。

36歳の営業課長・川島景子は年齢差を危ぶむ声をよそに、21歳の青年と結婚した。

文芸誌編集長・三村は、高岡真紀と名乗る女性から投稿原稿を受け取る。

チャウシェスク政権崩壊後のルーマニア。

ふつうの恋のちいさな火花。ささやかで切ない恋の瞬間10シーン。

双子の姉が殺された。幼い頃は、互いに紡いだ言葉を闇に乗せ、テレパシーで交信しあっていた姉が。

「もう森へなんか行かない」シャンソンがエンドレスで鳴り響くアパートの一室で顔を潰された男の死体が発見された。

人を殺め、金を奪い、男を追って満州までやってきた美貌の女郎。大連、奉天、新京、ハルビン…。

ロンドンの貧民街、ブルーゲートフィールズを流れる下水道に、金髪少年の死体が全裸で流れ着いた。

あの女のすべてを知りたい。過去も目的も、真実の顔も―。

美しい若妻テッサは、死の直前まで、熱心に救援活動をしていた。

ナイロビの英国高等弁務官事務所に勤める外交官ジャスティンは、庭いじりをこよなく愛する中年男だ。

『猛スピードで母は』で芥川賞を受賞した著者が、「低スピードな父」との関係を描いた話題作。

重病の床にあった孫権が逝くと、圧倒的な軍事力を誇る魏は即座に軍を動かした。

恋人のサビーナの父親が突然、爆破事件で重傷を負った。

昔のチームメイトの通夜で久しぶりに集まった陶子たち7人。来なかったのは一人だけ…。

魏の曹丕、蜀の劉備に続いて、呉の孫権も皇帝を称した。名実共に三国が鼎立したことになる。

北海道の奥深く潜伏していたヒカルと鉄男は、冬の到来を前に、南に向けて旅を再開する。

「今の時代、どうしてクマを食べる必要性があるのでしょうか」秋田県阿仁で行われたマタギ親睦会。

東山俊一と三菜子はまもなく結婚一周年。

獲物は十億円。男二人と美女一人+犬一匹目指すは完全犯罪…だったのに。

臣従を申し出た呉の孫権が蜀と同盟した。魏の曹丕の怒りはおさまらない。

ついに父を殺してしまったヒカルは、組織に追われる一匹狼のヤクザ・鉄男に導かれ、ともにオートバイで放浪の旅に出た。

“ヒトラー・ユーゲント”に憧れた少年たちは何を夢見ていたのか。“ヒトラー・ユーゲント”の時代を描く傑作長編。

「世界には三種類の人間しかいない―ギャンブルする男としない男、そしてギャンブルする男をたしなめる女。

ロッキーの山間の町に大異変。超がつく大金持ちが大邸宅を買いまくり、高級車が飛ぶように売れだした。

精神科医・南川藍子の前にあらわれた三人の男たちは、それぞれが脳に「傷」を持っていた。

魏の曹丕、蜀の劉備、呉の孫権。天下は三分された。

大学受験に失敗した諸口ヒカルは、有名作家である父親に抑圧され、鬱屈した日々を送っていた。

両親を亡くしたイタリア少年・マリオと暮らすようになり、恵子とともに彼の「親」となることを決意した神尾。

京都・円山公園の夜桜見物の人ごみで痴漢行為を働いたとして、強制わいせつ罪に問われた税理士・内海。

貧農の子亥吉と捨て子の千造は青空寺子屋で読み書き躾を習い、十一歳にして江戸に発った。

一時は盗賊に落ちた千造だったが、亥吉と再会するや、共に組んで商人道を歩むようになる。

呉の魯粛の訃は、関羽にとって何よりの朗報だった。これで荊州は蜀のものと信じ、北上して魏を攻める。

男は隣家の主婦に荒々しい欲望を覚え、女は男に腹を立てながらも惹かれていく（「隣の宇宙」）、カーニバルの夜に再会した男友達との思いがけぬ悦楽（「謝肉祭」）ほか、濃厚なエロス漂う傑作性愛小説集。

大企業の社長が自殺した。それは評判の画家に描かせた肖像画が届いた直後だった―。

南三郡を実力で手に入れた呉の孫権は、無敵の水軍で江南を固めていった。胸中に渦巻くは合肥攻略だ。

聖地が動いた。1匹の犬とともに。