フェティッシュ
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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森奈津子シリーズで興味を持って読んだのだが。さすがはあの森奈津子さんを元ネタにしたヒロインを書くだけあって作者自身も視点や思考が変態的すぎる。美少年クルミを取り巻く男女の思考や言動なんてもはやホラー以外の何者でもない。ホラー小説で1番怖いのは殺人事件でも説明のつかない現象でもなく人間の執着心なのだと痛感させられる作品。 | ||||
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んー、西澤さんにしてはちょっと微妙だったかな。タイツフェチ、手フェチ、女装趣味・・・といろんなフェチの人や人生に絶望した女の人たちが出てきてなぜか男も女もみんな中性的な美少年クルミに惹かれ悲劇的な結末を辿るという最後まで救いがない話。ある意味一番の被害者はクルミだったような気がする。なんかいろんな意味で他人の欲望を押し付けられ可哀想だったしね。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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< 触れられると仮死状態になる美少年・クルミに魅せられて運命を狂わせてしまう登場人物たちを巡るサスペンスミステリー > …との事ですが、ジャンル的にはミステリーではなくサイコサスペンス?当たり外れの激しい西澤氏の作品の中でもこれは外れの部類。本格ミステリーらしい謎解き要素や意外なドンデン返しなどは期待しない方が良いかと…。 まず読み始めてすぐ気になったのが、各キャラの陰鬱な背景描写がダラダラと長く、ストーリー展開のテンポが悪い点。しかも章ごとに人物の視点がコロコロ変わり、話がいちいち「ぶつ切り」になるので余計に冗長に感じられた。さらにその被害者同士には「クルミに魅了された者」という以外の接点が無く、これらの被害者たちがパズルのピースとして揃っていなくてはならない「必然性」が何も見当たらない。 それに加えて、タイトルにまでなっている「フェティシズム」というテーマ要素がストーリー展開において何も有機的に関連してこない。各人物の「性癖」が「謎解きやテーマの訴求」に重要な意味を持っているならともかく、そうした要素がほとんど無く、何のために「フェティシズム」をこんなに推しているのかよく分からない。他にも事件を追う刑事まで「手フェチ」で「女装癖」があり、被害者の一人が彼の「小学生時代の新任教師」だったといった設定なども無意味で、本作の事件と何も関係ない要素が多すぎる(要するに、この刑事にしても彼がそういう性癖持ちでなくても別にストーリー展開に何も関係ないという事)。 結局、「誰がこんなコトやってんの?」というフーダニットの謎に加え、ある人物の「狂気の背景」を含めた人物像が何も描かれないので、「なんであんな手間やリスクを掛けてまでこんなコトやってんの?」、というホワイダニットの動機部分においても意味が分からず仕舞い。 しかもラストに救いが無いのに尻切れトンボな終わり方。唐突に梯子を外されて「え?終わり?」という感じ。無理やり悲劇的なオチにしただけといった印象で、これまた「そうなるべき必然性」がない。結局「何が言いたかったのか」、「何を見せたかったのか」が不明瞭なまま。 PS:きちんと「低評価の理由」を書いてあるにも関わらず「いいえ」票を入れる人は、ちゃんとコメ欄に理由を書きましょう。理由の無い「いいえ」投票はリセットさせて頂きます。 | ||||
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<触れられると仮死状態になる美少年・クルミと、そんな彼に魅せられて運命を狂わせてしまう各登場人物たちを巡るサスペンスミステリー> …との事だが、ジャンル的にはミステリーではなくサイコサスペンス。本格的な謎解き要素や西澤氏らしいアクロバティックなドンデン返しは期待しない方が良いかと。 読み始めて気になったのが、各キャラの陰鬱な背景描写がダラダラと長く、ストーリー展開のテンポが非常に悪い事。しかも章ごとに人物の視点がコロコロ変わり、話がいちいち「ぶつ切り」になるので余計に冗長に感じられる。さらに、その被害者同士には「クルミに魅了された者」という以外の接点が何も無く、これらの被害者たちがパズルのピースとして揃っていなくてはならない「ミステリー的必然性」が何も見当たらない。 それに加えて本質的な問題点として、タイトルにまでなっている「フェティシズム」という要素がテーマや謎解きと何も有機的に関連していない事が挙げられる。各人物の性癖が「事件解決やテーマの訴求」に伏線として重要な意味を持っているならともかく、そうした要素がほとんど見当たらないので、何のために「フェティシズム」をこんなに推しているのか、さっぱり分からなかった。 他にも、事件を追う刑事まで「手フェチ」で「女装癖」があるとか、被害者の一人が彼の小学生時代の新任教師だったといった設定なども無意味。本作の事件と何も関係ない要素が多すぎる(最近の西澤氏の作品にはこういう「思わせ振りなだけで無意味な設定」が多い)。 結局、「誰がこんなコトやってんの?」という「フーダニット」のみの謎であり、あの人物の「狂気の背景」を含めた「人物像」が何ひとつ語られないので、何故あんな手間やリスクを掛けてまでこんな事をやっているのかという「ホワイダニット」の動機の部分において納得も感情移入も出来ず仕舞い。 しかも終わり方に救い様が無いのに尻切れトンボなラスト。唐突に梯子を外されて「え?終わり?お前ら何しに出てきたんだよwww」という感じ。無理やり悲劇的なオチにしただけといった印象で、結局「何が言いたかったのか」、「何を見せたかったのか」が不明瞭すぎ。西澤氏のファンだけど、残念ながらこれはイマイチ。 | ||||
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さすが、西澤ワールド。 それぞれ別の人物からの目線で書かれた短篇のような小説が、ある軸を起点にぞろりとつながる。 中心にいるはずのクルミという美少年が、悪い奴ではなくてむしろ弱いのが痛々しい。 弱すぎるのが、自分が信じられないのが罪ならば、クルミは間違いなく罪人なのだが、そうではないのが逆に切ない。 医学的にはかなりうーんという設定なのだろうけれど、ここではそれにはつっこむまい。 不幸を不幸にしてゆく輪廻のようないびつさと、最後に鮮やかに展開する作者の罠に、うまくすとんとはまりこむ快感を、素直に味わうのが得策! | ||||
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さすが、西澤ワールド。 それぞれ別の人物からの目線で書かれた短篇のような小説が、ある軸を起点にぞろりとつながる。 中心にいるはずのクルミという美少年が、悪い奴ではなくてむしろ弱いのが痛々しい。 弱すぎるのが、自分が信じられないのが罪ならば、クルミは間違いなく罪人なのだが、そうではないのが逆に切ない。 医学的にはかなりうーんという設定なのだろうけれど、ここではそれにはつっこむまい。 不幸を不幸にしてゆく輪廻のようないびつさと、最後に鮮やかに展開する作者の罠に、うまくすとんとはまりこむ快感を、素直に味わうのが得策! | ||||
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作者とタイトルから、とんでもない奇々怪々なフェチなキャラクターが入り乱れるストーリーを想像していたが、それは裏切られた。 ここに登場するのは、人に触れられると仮死状態になってしまう完璧な美しさを備えた美少年と、彼と出会ってしまったために墜ちていってしまう人達だ。 ミステリなのか、と思えばそうでもないし、犯罪小説でもない。哀しい人が墜ちていく話で、救われる人物は一人もいない。 この作者は時々こうした「暗く救いのない」話を書くが、そのような話も好きだ、という方にはお勧めするが、はちゃめちゃが好き、タックとタカチのような青春と愛を求める方には不向き。 「方舟は冬の国へ」のラストで、いい話や、とうっとりした後の本作は、かなり強烈だ。 | ||||
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