ピカルディの薔薇
- 悲喜劇 (46)
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著者は私より若いのであるが、私が学生時代に古本屋で買いあさっていた幻想文学の香りがする文章を紡ぐ。「伯爵」の存在も豆腐料理巡りも本作では放擲気味で、最終舞台は昭和15年の満州となり、ますます古色を深める。読む端からストーリーは忘却の彼方に消え、人にあらすじを伝えることすら能わぬが、なにやらヌラヌラとした陽炎めいた余韻が残る、そんな本であった。「11」をジャケ買いするまでまったく未知の著者であったがこの2日で3冊読み、あと2冊が配送途中である。取り憑かれたのやもしれぬ。 | ||||
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面白かったっす。津原さんの文章は非常に美しく、まさに職人といった感じ。 ただ、あまり伯爵が出てこなかったのが残念(作者いわく、同じような話ばかり書くのは疲れる)。奄美諸島のお話が好きかな。伯爵出てくるし。 | ||||
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“「蘆屋家の崩壊」の続編”、“作家になった猿渡が・・・”といった惹句から、前作「蘆屋家・・・」に拍車をかけた代物になっているのかと思いきや。 前作での、主人公と相方との掛け合いやさらっと挿入される嗜好品話は本作では抑えられている。お話の上手な作家という印象があったが、本作ではさらに物語ることへ力が注がれているように思う。 前作のレビューで「主人公の身体や心にある何かが外側に飛び出してきたのでないか。」と書いたが、本作ではそういった面は見られない。というか、意識的に抑えている/構成していると感じられる。が、時折抑えきれずに出かかってくる主人公(≒作者)の内側が、ただの良質の短編に終わらせていない。 読み合えた直後は「ん?」と思った作品が読後しばらくたって、じわじわと心に寄ってくる。何が気にかかるのかはよくわからず、宙に浮いたような気分でその作品が心に残る。前作が面白かったという理由だけで読んだが、こんなに自分の内側に入り込んでくるとは思わなかった。よい作家と巡り合った。 | ||||
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道中ものは楽しい。 浮き世のしがらみから抜け出し、異邦人の目線から、スペクタクルを他人事のように、楽しめる。 前作にあたる「蘆屋家の崩壊」では、「用も無いのに旅に出る」(あるか…)ではないけど、ドラキュラのごとき出で立ちの作家「伯爵」と、開き直った無職の「猿渡」が、自動車に二人連れで矢のように日本各地を巡る。 本作は、前作に比べ、物理的な移動距離は少ない。猿渡氏も大体の話では、根なし草ではない。しかし、物語の枠の自由度は広がっている。 平面上の距離だけではなく、時空間もひょいと往き来する。筆先一つで、ハワイでもどこでも行けるのだから、小説の自由度は凄いなと、改めて感じ入ると同時に、津原氏の嘘つき度合いにも感心する。 どうも前作は、2000年前後、京極堂やら陰陽師が幅をきかせていたのを思い出して、読んでると懐かしい気分になってしまう。 民俗学の再解釈が原因にあるのだと思うが、本作ではそういった要素ですら、平静な調子でサラリと吐く出鱈目に取り込まれている。 個人的には、落ち着きがありつつ、非常識な本作の方が好みだ。 高橋葉介作品のような巻末の解説も、うれしい。 | ||||
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著者は、真に美味しいものは2杯飲まないほうがよいという。その理由は、1杯目ほどの感動が2杯目にはないからだと。この作品は「蘆屋家の崩壊 」の続編である。「蘆屋家の崩壊 」を半日で読了した翌日に、あちこちを探し回り、また半日で読了してしまった。ドンペリをビールのようにジョッキに注いで、ごくごく喉を鳴らして飲んでしまったのである。しかも立て続けに2杯も・・・。しかし、2杯目もうまかった。確かに1杯目ほどのうまさはない。蓋し、本当にうまいものは何杯飲んでもうまいのである。 翻って、最初の1杯しか飲まないという作者のストイックさ、その美意識が、この無駄のない文体を作り上げているのも事実である。身を削る思いで書いている作者には申し訳ないが、3杯、4杯目とお代わりを所望したい。 今度はゆっくり読むように心がけます。 | ||||
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