上司に嫌気がさし一流企業の総合職を捨てた貴奈子は、叔父が主宰する鳶集団「有限会社日本晴れ」を手伝い始めた。

捕鯨問題の取材で南紀・太地を訪れた浅見光彦は「くじらの博物館」で、背に銛が突き刺さった漁師人形を目にする。

八十六歳と老齢の秋山美津は愛犬の往く末を案じて、また自身の葬式のために預金を蓄えていた。

再び修道院に雇われることになり、シマは半年振りに少女ナツと再会する。

久しぶりの休暇を控えた捜査官マギーは、友人の医師グウェンから深刻な電話を受けた。

判事補の小倉亘は、裁判官席で窮地に立たされていた。

国立市の豪邸で殺害された夫妻は、秋田県・田沢湖近くの出身だった。彼らの生家は、すでにダムの底に沈んでいる。

「じつに簡単な仕事でな、坊主」養父にして朋友会の雇われ探偵グレアムがニールに伝えた任務、それは健全さが売りの人気TV番組ホストのレイプ疑惑事件で、被害女性ポリーを裁判できちんと証言できるよう磨き上げることだった。

美味なる犯罪を求めて世界を周遊する名探偵エラリー・クイーン。行く先々で供される珍味佳肴は異彩を放つものばかり。

「わが村には特殊な道祖神が祀られている。」美貌の民俗学者・蓮丈那智のもとに届いた手紙。

ある春の日、離婚して自由になった正幸の前に、二人の魅力的な女性が現れた。

“プロジェクト”を通して、自分の時空間跳躍能力に目覚めていく悠有。いっぽう、辺里の町では不穏な出来事が進行していた。

ミラボーの町で、犬小屋や郵便受けが連続して爆破される事件が発生した。

元SAS隊員マット・ブラウニングは、株取引で多額の負債を抱えていた。

標高五百メートル、のどかで風光明媚な高原の町・紫野で、一人の経営者が遺体となって発見された。自殺か、他殺か。

終戦間近のフィリピン戦線。

一九四一年、マドリード。日系ペルー人宝石商として社交界にも出入りする北都昭平は、陸軍参謀本部の密命を帯びたスパイだった。

何者かに殺されかけ、大正11年から現代の渋谷にタイムスリップしてしまった、明治の文豪・森鴎外。

薬師様の門前で、町娘の尻をさわったとして番屋に連れ込まれた田舎侍。

安政地震の報に、旗本座光寺家(ざこうじけ)の江戸屋敷へ信州伊那から駆けつけた若者本宮藤之助(ほんぐうとうのすけ)。

女絵師のお琳はある日、十二、三歳の娘が泣いている姿に足を止めた。

深夜の六本木。同性を愛する男装の麗人・樹の店に出入りできる男は、名探偵・伊集院大介だけだった。

昭和二年の帝都東京。紳士淑女を魅了したオペラ劇場「パノラマ座」では、奇妙な怪談話が囁かれていた。

見た目は愛らしいぬいぐるみだが、中身は心優しき中年男・山崎ぶたぶた。彼が作る料理は、どこか懐かしく切ない思い出の味だ。

恋愛によって繋がれるか、罪によって結ばれるか。恋愛関係も、犯罪の被害者・加害者の関係も非日常の特別なもの。

亮子の悪夢のような日々は、幼なじみの森本との再会から始まった。

サザビーズにも比すべき日本初のオークションハウスのオープンを前に、謎の名画が一枚、また一枚…。

京都のホテルで、東京の食品会社の社長夫人が殺された。

「八歳の女子が赤子を生んだ」「他人の墓石を勝手に磨いて回る何者かが出現」江戸旅篭町の古本屋「だるま屋」には公儀の裏事情から町の噂まで、さまざまな風聞が集まる。

交通標識で見慣れたあの男の秘められた、そして恐ろしい私生活とは?(「帽子の男」)。

聖ウィニフレッド移送祭を三日後に控えた修道院の広場に巡礼先で亡くなった羊毛商の柩を徒弟が運んできた。

昭和十四年五月、満蒙国境で始まった小競り合いは、関東軍、ソ蒙軍間の四ヵ月に亘る凄絶な戦闘に発展した。

妖美と機知に満ちた中国奇想小説集!第三回松本清張賞受賞作。

轢き逃げで一人息子を喪い、妻にも先立たれた作家の成田正隆は、妻の郷里・佐賀へ、傷心を癒す旅に出た。

家族のことが、好きですか?郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。

死体が四つ、転がっている。五つ目の死体を、私は待っていた―。

西欧の小国ソヴュール、聖マルグリット学園に東洋からの留学生がやってきた。

ロスアンゼルス生まれ、母は日本人、父はドイツ系アメリカ人の私立探偵・左文字進。

混乱のつづくイラクでまたしても発生した日本人人質事件。四名の人質のPTSDを考慮した政府は現地に臨床心理士を派遣。

イラクの武装勢力に囚われた岬美由紀。

仄暗い湖で同時に発見された3つの死体。「心中」と「絞殺」を結ぶ線とは?4億円着服事件が浮上した直後、新たな殺人が。

ネックレス・メーカーのPRで「ミス・吸血鬼」コンテストが開催されることとなった。

島送りのため牢屋敷を出た唐丸駕篭が何者かに襲われた。

コロラド州でダムが決壊し、多数の犠牲者が出た。

コロラド州でダムが決壊し、多数の犠牲者が出た。

とにかく金がない!―贅沢を望んでいるわけでも、湯水のごとく金を使ったわけでもないのに、とうとうバリーはにっちもさっちもいかなくなってしまった。

カルチャースクールで小説の強勉を始めた川名純子は、受講生仲間の本村真美子から“取材をかねた売春”を勧められた。

殺害時刻は水琴だけが知っている？　京の名門ホテルで若い女の絞殺体発見！　庭園では、したたる水滴が時を刻む水琴窟が、風雅な音色を奏でていた。

抉られた腹部にへその緒だけを残した女性の死体が発見された。

愛人との心中未遂で娘を死なせた母親。血塗れの凶器を前に、男殺しを認めた温泉旅館の女主人…被告人には必ず事情があるものだ。

香月健太は33歳。

元ヤクザの木常は、神保町にある呑み屋のオヤジだ。ある日、現役の徳光からアタッシェ・ケースを預かる。

あたしは主人公にはなれない―。関根夏はそう思っていた。

凄腕の御用聞・風車の浜吉が、懐かしい根津の地に戻った。

ピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさんをめぐる表題作の他、少年たちだけで過ごす海辺の別荘でのひと夏を封じ込めた「子供は眠る」、行事を抜け出して潜り込んだ旧校舎で偶然出会った不眠症の少年と虚言癖のある少女との淡い恋を綴った「彼女のアリア」。

大正十年三月。芥川龍之介は、大阪毎日新聞の海外視察員として上海にいた。

森野夜が拾った一冊の手帳。そこには女性がさらわれ、山奥で切り刻まれていく過程が克明に記されていた。

この世には殺す人間と殺される人間がいる。自分は前者だ―そう自覚する少年、「僕」。

滋賀県北部の余呉湖で、身元不明の死体が発見された。唯一の手がかりは、胃の中にあった宝石キャッツアイ。

コネチカット州の小さな町で、顔を砕かれた若い女性の死体が発見された。

「武勇伝なんぞするやつァ、戦をしたうちにへえるものか」二百三高地の激戦を生きのびた男はそうつぶやいた…。

西部へ急ぐ幌馬車隊に、人々を震撼させる殺人事件が起きた。リディアを救ってくれた兄弟のひとりが森で殺されたのだ。

雨の荒野で出産した若い女は、西部へ向かう幌馬車隊に助けられた。女はリディアとだけ名のり、夫はいないと言う。

あの奇妙な夏、未来に見放されたぼくらの町・辺里で、幼馴染みの悠有は初めて時空を跳んだ―たった3秒だけ未来へ。

コーンウェルが真犯人を突きとめた！ 7億円の巨費と現代科学を駆使して迷宮入りの難事件を解明する。

コーンウェルが真犯人を突きとめた！ 7億円の巨費と現代科学を駆使して迷宮入りの難事件を解明する。

横浜から香港へ向かう豪華客船クレオパトラ八世号に乗り込んだ薬師寺涼子警視。

希望を失い、にわか地上げ屋となった中年男。

「加菜子を―死なせはしません」。被害者の姉は決然と言った。

「私は、嘘吐きなのです」。かつての銀幕の美女・美波絹子こと柚木陽子は謎めいた言葉を口にした。

「あなたは、何でも善くご存じですのね―」。その女は京極堂に向かって、赤い唇だけで笑った。

最盛期を迎えつつある中国・宋の時代。

(厭な顔の家だ)。取り立てに出向いた消費者金融の新米社員・諸星雄太は、心の中で呟いた。

京都洛中三条通の洋館で、美貌のカリスマ相場師が殺された。自宅寝室で喉を刺されて死んでいるのを、夫が発見したのだ。

祖母の葬儀のため、久しぶりに帰省した「おれ」は、かつての同級生の結婚式に出席した。

敏腕広告プランナー・佐久間は、クライアントの重役・葛城にプロジェクトを潰された。

京都・北山の奥深く、“地図にない村”へやって来たミステリ作家・浅間寺竜之介と愛犬・サスケ。

京都・北山の奥深く、“地図にない村”へやって来たミステリ作家・浅間寺竜之介と愛犬・サスケ。

列車に轢かれて死んだ男は、高級老人ホーム“海の上のカムデン”の住人と親交があった。

神隠しの少女、あやめ。神隠しに遭い、戻ってきた空目恭一。

恋をしなければ、16歳までには死んでしまうと言われたハツ。

ここではないどこかへ…。東京の日常に疲れ果てた有子は、編集者の仕事も恋人も捨てて上海留学を選ぶ。

それは、秋も近づいたある日―。探偵作家・平井骸惚宅に舞い込んだ一通の手紙。

跳ねっ返りの野良猫のような美少女リンは、元ヤクザで芸能プロ社長の関永と出会い、大きな人生の転機を迎える。

なにげない日常の延長線上に広がる、この世ならざる世界。

米屋の主・十左衛門の葬列に石を投げた少年・修平が公事宿(現代の弁護士事務所)「鯉屋」に連行される。

法医学教室の新米・伊月崇の近況は、目下のところ、教室の「暗黙の法則」を地で行くような毎日。

君子然として倹約を強いる八代将軍・徳川吉宗。

高校時代の友人で画家の本山に誘われて熱海を訪れた十津川。

どこにでもいる善良な大学生・白戸修にとって東京の中野は鬼門である。

藩主の腹違いの弟・松之助警護の任についた保坂市之進は、周囲の見せる困惑と好奇の色に苛立っていた。

書院番の同僚、上田半左衛門と武藤源太郎は長年憎みあっていた。

三河以来の直参・横田家は家禄九千五百石で旗本の筆頭。

「半村良は、必ずまた甦る」 …清水義範（解説「半村さんと私」より） 大坂夏の陣前夜、歴史の荒波に踊らされる数奇な運命。

ある夏の夜、酔って遅く帰ってきた姉から、失恋の顛末を聞かされる。

夫婦の愛情なんか最初からなかった、縁切り寺に駆け込んできた女が胸中に零す一筋の涙……。

隅田川沿いの高層マンションでルポライターが殺された。容疑者は防犯カメラに映っていた身元不明の若い女。

伯母が生きている限り、ぼくは厭うべきこの土地からも、専横的な伯母からも、離れることはできない―。

深川六間堀、金兵衛長屋に住む浪人、坂崎磐音は日々の生計に追われていた。