モラルの罠
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夏樹静子の四十四冊目の短編集。単行本初刊は2003年。本作品集刊行前には短編集『幻の男』が、後にはエッセイ集『往ったり来たり』を刊行している。 【収録作品】 「モラルの罠」 高速道路のパーキングエリアで、排気管に鼠が侵入したのが原因で一酸化炭素中毒死した母。母のスポンサーである三角は、母の乗っていたレンタカーに整備不良があったとして、会社の責任を追及しようという。私はある疑惑を抱えながら、母と懇意にしていた医師の高見沢と会うが、そこで高見沢から「モラル病院」という話を聞かされる。 「システムの穴」 ある夜、実子が自宅を留守にしているときに、警備会社から連絡があり、自宅への侵入の形跡が認められた、ということだった。中にいるはずの夫は、頭を殴られ意識不明の状態に。強盗事件として捜査を始める警察は、金庫のナンバーなど記された手帳が外部の者に見られた可能性を探るが。セキュリティ・システムの思わぬ陥穽とは。 「偶発」 ITバブルで財を成した夫を持つ輝香。その夫が高速道路で事故に遭ったという報せが来る。病院に駆け付けた輝香は、後から来た家政婦から、義兄がゴルフ場で心筋梗塞で倒れたと連絡があったと聞かされる。二人の兄弟の死の交錯の裏側には……。 「痛み」 心療内科のクリニックの医師・魚住のもとへ、左耳の痛覚を訴える主婦・温子が来た。典型的な心身症で、その原因は愛人のいる夫との不和である、と魚住は見立てる。魚住は夫との面談もするが、彼は温子と離婚する意志が固かった。魚住も温子に結婚生活の清算を勧めるのだが……。 「贈り物」 都内でフグ毒を仕込まれたドラ焼きを食した中毒死事件が発生。お歳暮に偽装されたもので、警察はメーカーと配送ルート、そして毒の出どころを追う。しかし事件は思わぬ拡がりを見せたのだった……。犯人の悪意の正体とは。 | ||||
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夏樹静子先生の作風は、乃南アサ先生のタッチに似ていると感じるのですが、決定的に違う部分は、落ちに作者なりの解釈が織り込まれていて、読後感にモヤモヤとした消化不良の要素が無い点だと思います。 この作品も、母親の事故死という何時でも、誰でも経験しそうな事件から、徐々に、純粋な正義感と、打算の間で揺れ動く、主人公の心を描いて終わるのですが、その余韻の中に、作者なりの応え、おそらく主人公ならこの道を選ぶであろうと言う余韻を感じさせます。 この辺りは、夏樹静子先生の面目躍如といったところだと思います。 そんな、暗くなりがちなテーマを、吉田みゆきさんの明るく、カラッとしたナレーションが支え、一気に最後まで聴いてしまいました。 ありがとうございます。 | ||||
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いつ何時自分の身に降りかかっても不思議ではない事件・事故を扱った5編の短編集です。 「モラルの罠」娘の家へ向かう途中の母親が留守電のメッセージを残したまま行方不明に 「システムの穴」セキュリティーの万全な家に潜む盲点 「偶発」熟年離婚の陰に隠れた罠 「痛み」耳の痛みの原因は・・・ 「贈り物」日常何気なく届けられた贈り物が・・・ | ||||
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