一瞬の魔
- 横領 (72)
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夏樹静子の三十六冊目の短編集。単行本初刊は1994年。本作品集刊行前には自作ベスト選集というべき『夏樹静子のゴールデン12』、後には長編『人を呑むホテル』、『デュアル・ライフ』を陸続と刊行している。 【収録作品】 「一瞬の魔」 銀行の福岡支店に勤務する富佐子は、単身赴任でこちらへ来ている鍵谷と不倫の関係にあった。その鍵谷が東京へ転勤することになり、鍵谷はある老女の架空名義の預金通帳の管理を、富佐子へ引き継ぐ。ほどなくして、老女が他界したが、遺族は架空名義預金について何も知らないらしかった。そこで鍵谷は富佐子と結託して、預金を乗っ取る企てをするが……。二人を思わぬ破滅が待ち受ける。 「黒髪の焦点」 高校のクラス会で五年ぶりに再会した六人の女たち。そのうちの一人が自宅で絞殺死体となって発見される。発見者は他の五人だった。死体には被害者のものではない毛髪が数本付着していた。この毛髪の主と見られる男が、今度は、自分のオーバーコートに付着していたという長い毛髪を持ち出してきたのだった。 「鰻の怪」 麻由子は、浜名湖で養鰻場を経営する風間を訪ねたあと、その夜旅館を出たきり戻ってこなかった。どうやら旅館に掛かってきた電話の男に呼び出されたようだったが、この男の声が風間のものと酷似しており、また風間が電話の時刻のあとに車を走らせていたとの証言もとれた。警察は、風間が麻由子を殺したあと、死体を処分したものと推察するが……。 「輸血のゆくえ」 奥多摩の渓流で、大量の出血を伴う怪我の応急措置として、怪我をした男・志方の妻で獣医の希が、手持ちの器具で、一緒にいた男・山崎から夫へ輸血を行ったが、輸血量を間違えて、山崎を失血死させるという事件が起きた。希の行為は緊急避難的要素が配慮され、重過失は問われないと見られたが……。 「深夜の偶然」 暴走族グループの一員で、小学生の少女を死なすバイク事故を起こした前科がある男が、自宅で刺殺死体で発見された。現場での死体検案の結果、凶器は、致命傷を与えたものとその後死体を刺したもの、計二種類のものが使われたらしく、複数犯の疑いが濃くなる。捜査線上には、少女の両親の他に、事件前日に被害者と路上で喧嘩していた男・重倉が浮かび上がる。……しかし、警察は「不能犯」の壁に阻まれ、殺人罪の立証が困難な状況に陥っていた。 | ||||
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つぎの5つの短編を集めたもの。 一瞬の魔 黒髪の焦点 鰻の怪 輸血のゆくえ 深夜の偶然 その中で、「輸血のゆくえ」は、赤川次郎が自作の「日の丸あげて」と対比させて 「二つの「血」の血の物語として2枚の随筆を書いている。 「推理作家になりたくて謀」に収録されている。 赤川次郎作品が、1割くらいが映画向きで、2割くらいがテレビ番組向きだとすれば、 夏樹静子は、半分くらいがテレビ番組向きだと言えるかもしれない。 性格描写、筋、展開が、うまいぐあいに脚本を書きやすい。 玄人の作品だと思った。 ps. 「推理作家になりたくて謀」で、夏樹静子が選んだ自作は「足の裏」で、他作は木々高太郎の「文学少女」。 随筆の主題は「短編の出発点」とのこと。 なるほど、作家の繋がりが見えて来る。 | ||||
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1994年刊の単行本の文庫化。短篇5編を収録。 トリックやサスペンスの要素は、それだけとりだしてみれば特に秀逸というわけでもない。しかし… 著者の作品を読むのは実に二十余年ぶりだったのだが、人物造形(職業と性格づけ、心理、犯罪の動機、外見、生活ぶり)および人間関係のありかたのおよそ平成らしくない古めかしさに、思わず安心感を覚えてしまった。「こういうドラマ、昔から変わらずあるよね」という感じ。 というわけで、例えばTVの2時間サスペンス好きな人におすすめします。 | ||||
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