パンドラ抹殺文書



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初公開日(参考)1981年06月
分類

長編小説

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パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫NV)

2006年03月01日 パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫NV)

KGB上層部に潜むCIAの二重スパイ“パンドラ”―その正体を暴露する鍵となる文書の存在が、ソ連側に発覚した。直ちにKGBは行動を開始するが、思わぬことから文書はフランス人の娘シルヴィーの手に。彼女がKGBの魔手から逃れる術はなかった―折りしも出会ったジェームズなる男の助けなしには。だが、この邂逅こそ、CIAとKGBとの凄絶なる暗闘の序曲だった!非情な作戦が交錯するスパイ小説の最高傑作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

パンドラ抹殺文書の総合評価:8.50/10点レビュー 16件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

スパイ小説はいわば本格ミステリである

実によどみの無いストーリー展開。まるでスパイ映画の大作を観ているかのように物事が流転する。それも際どいスリルを伴って。

緊張感溢れるソ連でのエージェントの任務失敗、それによってKGBに知られるCIAエージェント、<パンドラ>の存在。その正体を仄めかす文書が手違いから諜報活動の歴史的文書を研究している大学院生に渡り、たまたま同棲していたフランス人学生シルヴィーの手に渡る。
当然血眼になって文書を追うKGBのエージェントの襲撃に遭い、隠れ家を転々とし、危うく捕まりそうになったところに現れたのがジェームズ・ブラッドリーなる謎の男。彼こそCIAが遣わせたエージェントであったが、文書の文面を読んだシルヴィーへの抹殺指令が下され、それを拒否する。
そして行く先々で出くわすKGBエージェントの魔の手からCIAの上層部にもまたエージェントがいることを知る。CIAはジェームズの思わぬ造反から急遽パンドラを亡命させる事にする。そしてパンドラを巡ってCIAとKGBの攻防戦が始まる。

『エニグマ奇襲指令』は敵の只中に潜入して暗号機エニグマのありかを探るという物語だったが、今回は典型的な巻き込まれサスペンスだ。しかし『二度死んだ男』がかつて死んだとされた男の死に隠された謎を探る物語であったこと、更に『エニグマ~』では絶妙なコンゲームの果てに知らされる驚愕の真相と、エスピオナージュでありながらも本格ミステリ張りのサプライズを提供するバー=ゾウハー。今回もやってくれた。
そして真相が判明した後に今まで書かれていた内容の意味が全く別の側面を持っていた事が解る。上手い、実に上手い。

しかし本格ミステリをこよなく愛する読者ならば、本書の仕掛けに対し、抵抗感を示すかもしれない。
しかしこういう常人の考えを、想像を超える特殊な原理・思考というのは諜報活動には往々にしてある物だ。本作を読むにはある程度この手の作品に馴染んでおくのが良いのかもしれない。

しかし諜報活動とはインテリジェンスを駆使した騙し合いであり、いかに信用されるか、いかに疑問をもたれずにいるかに常に腐心する活動である。従って職業自体がミスリードの連続であるから、スパイ小説やエスピオナージュというのは本格ミステリに一脈通じるエッセンスがあると私は感じずにいられない。
故にフリーマントルも単なるドキドキハラハラのサスペンスに留まらず、最後に何がしかのどんでん返しを施す。
最初私はこれらスパイ小説作家の作品を読むのに抵抗があったのだが、今では読むのを非常に愉しみにしている。それは何度も述べたがこれらが非常に高度な知的ゲームであるからだ。確かに政治的思惑や外交的駆引きというのが織り込まれており、それらに興味のない人には敷居は高く感じるかもしれないが、彼らスパイ小説家が持っているのはミステリマインドなのだ。
しかもハリウッド映画が好んで作る娯楽作品とはこのジャンルの作品であり、それらに一級のエンタテインメントが数多くあるのは既知の事実だろう。

そして3作通じて読んでバー=ゾウハーという作家は更にも増してこのミステリマインドに溢れている作家だと強く認識した。

『二度死んだ男』では謎また謎の連続、『エニグマ~』では怪盗ルパンのパスティーシュとも云うべき暗号機エニグマを巡るコンゲーム、そして本作におけるスパイ<パンドラ>を巡る争奪戦と“動”のミステリを繰り出す。

この“動”のミステリというのがこの作家の仕掛けるサプライズに多大なる効果をもたらしていると私は思う。
3作読んで抱く感慨は実に“淀みない”進行だ。危機また危機、謎また謎の連続で中だるみさえも感じず、また主要登場人物に関しては行動原理、堅固な絆の契機となった過去も織り込ませておりながら、物語の舞台も1箇所に留まらず複数の国々に跨り、なおかつ対立する勢力それぞれの内情も書き込みながら300ページ前後に纏める手腕。この手際の良さが読者のページの繰る手を休めずに物語世界を疾走させるため、あれよあれよという間に次々とサプライズが展開していく。
これが昨今の作家だと過去を語るのに1章を費やしたり、本筋とは関係ないエピソードに50ページ以上割き、その結果読者に考える時間を与え結末に達するまでに真相が見えたりする。
しかしバー=ゾウハーではその絞り込まれた物語が彼の仕掛けを引き立てるのに非常に貢献している。読者は考える暇も与えられず、本から伸びた手に引っ張られるかの如く、ぐいぐい読み進まされていく。

しかしもっとこの作家の作品が読みたいものだ。絶版になった作品はもとより、果たして90年以降の作品というのは皆無なのだろうか。
この極上のエンタテインメント作品を提供してくれる作家の作品を訳さずに放置するのはなんとも勿体無いと思って仕方がないのだが。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.1:
(7pt)

予想以上に面白かったです

女性がからむとスパイ小説も華やかになりますね。

わたろう
0BCEGGR4
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No.14:
(4pt)

まあまあ、満足している

・届いた本は、「古書」故に、茶色に日焼けしているが、何ら書き込み・頁の折れ、も無く気持ちよく読めた。価格も不満は無いし、この程度の痛みで好きな本が読めるのを「満足」としよう。素敵は本を「ありがとう」以上
パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫 NV 252)Amazon書評・レビュー:パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫 NV 252)より
4150402523
No.13:
(3pt)

映画の原作なら面白いかも

ストーリーの紹介は他のレビュワーが書かれていますので、そちらにゆずり感想だけ書ほうかして頂きます。一言で言うとストーリーの展開が凝っていて面白かったけど、何となくもの足りない感じがしました。なぜかと言うとソ連のGPUとアメリカのCIAが丁々発止のスパイ合戦を繰り広げるのですが、冷戦下の厳しい米ソ対立の時代なら
ともかく現代ではリアリティがなさすぎます。物語に出て来るような多数の死者が出るような銃撃戦を第三国でしたら現代では国際問題になってしまうでしょう。でもこれをトム・クルーズを主演にした映画なら見てみたいきがします。
  やはりスパイ小説って時代の雰囲気が大きく影響するものだとおもいました。
パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫 NV 252)Amazon書評・レビュー:パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫 NV 252)より
4150402523
No.12:
(5pt)

予想できなかったラスト

週刊文春1981年 総合6位

KGB上層部に潜り込んだCIAのスパイを特定する文書。手違いからこれを手に入れてしまったシルヴィーは、KGBから命を狙われることに。CIAエージェント ジェームズは、暗殺者からシルヴィーを救出することに成功するのだが、CIA上層部から彼女を抹殺するよう指令が下る。 ・・・

KGB、CIAから追われる男と女。途中まで、てっきり007ばりの活躍劇なのだろうと鼻白むことしきり。シルヴィーは金持ちのフランス美女、ジェームズは暗い過去を持つ凄腕エージェントの設定になっているんで、二人のラブシーンのあたりでは、このあるある状態に、がっかり感が強かった。

が、ラストがすごい!これまでのは、パロディーなのか思うぐらい、主人公をこてんぱんにやっつけてくれた。予想もしない方へもっていかれたんだけれど、この快感がたまりません〜。

ミグ25事件の取り入れかたが、上手すぎて、感動ものだったりする。
パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫 NV 252)Amazon書評・レビュー:パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫 NV 252)より
4150402523
No.11:
(5pt)

予想できなかったラスト

週刊文春1981年 総合6位

KGB上層部に潜り込んだCIAのスパイを特定する文書。手違いからこれを手に入れてしまったシルヴィーは、KGBから命を狙われることに。CIAエージェント ジェームズは、暗殺者からシルヴィーを救出することに成功するのだが、CIA上層部から彼女を抹殺するよう指令が下る。 ・・・

KGB、CIAから追われる男と女。途中まで、てっきり007ばりの活躍劇なのだろうと鼻白むことしきり。シルヴィーは金持ちのフランス美女、ジェームズは暗い過去を持つ凄腕エージェントの設定になっているんで、二人のラブシーンのあたりでは、このあるある状態に、がっかり感が強かった。

が、ラストがすごい!これまでのは、パロディーなのか思うぐらい、主人公をこてんぱんにやっつけてくれた。予想もしない方へもっていかれたんだけれど、この快感がたまりません〜。

ミグ25事件の取り入れかたが、上手すぎて、感動ものだったりする。
パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫 NV 252)Amazon書評・レビュー:パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫 NV 252)より
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No.10:
(5pt)

ある意味暴力的、ある意味いびつ・・・

私とこの本との出合いは、もう30年近く前のことです。
当時、内藤陳氏が書評で絶賛していたことを覚えています。
先日、TV番組の「侍戦隊シンケンジャー」を見終わったら、ふとこの本のことを思い出しました。
シンケンジャーと本作品は、内容もターゲットにしている年齢層もまるで違いますが(片や子供向けの特撮ドラマ、片や大人向けのスパイ小説)、全く接点がないわけでもありません。
最大の共通点は、ほとんど暴力的とも言える驚愕のストーリー展開です。
私自身は、映画やゲームを含めたエンターテイメントの世界で、大地が崩れ去るかの様な印象を受けた経験は、この両作品以外では非常に稀です。
次に、どちらのメインキャラクターも、ヒーローとしては優秀でありながらも、どこか「いびつ」です。
そして、ストーリーが進むに連れ、そのいびつさが解き明かされていく点も共通しています。
全く無責任で勝手な推測ですが、シンケンジャーの脚本を担当した小林靖子女史は、バー・ゾウハーから影響を受けているのではないでしょうか。
少なくとも、本作は読んでいる気がしてなりません。
本作は時代背景を含めて既に「古典」の域に達しているのかも知れませんが、スパイ小説の醍醐味は堪能できるはずです。
また、本作の内容よりもむしろストーリー展開に興味あるいは快感を覚えた方は、シンケンジャーの鑑賞もお勧めしたいです。
P.S.なんだか、シンケンジャーのレビューみたいになっちゃいましたw
パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫 NV 252)Amazon書評・レビュー:パンドラ抹殺文書 (ハヤカワ文庫 NV 252)より
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