ベルリン・コンスピラシー



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    初公開日(参考)2010年02月
    分類

    長編小説

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    ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)

    2010年02月28日 ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)

    ホテルで目覚めたアメリカの実業家ルドルフ・ブレイヴァマンは、不可解な思いにとらわれた。昨日はロンドンのホテルで寝たはずだが、ベルリンにいるのだ。間もなく彼は、62年前に仲間とともに五人の元SS将校を殺した罪で逮捕され、彼の息子ギデオンが一連の奇怪な事件の調査を開始する。父親の親友などの協力を得て、やがて暴き出す驚くべき国際的陰謀とは?巨匠が実力を遺憾なく発揮した待望の新作エスピオナージュ。 (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    ベルリン・コンスピラシーの総合評価:6.90/10点レビュー 10件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)

    21世紀になってもナチスの翳は色濃い

    いやあ、バー=ゾウハーの新作がまさか読めるとは思わなかった。なんと原書刊行2008年。正真正銘の新作だ。

    私がこの作家が好きなのはエスピオナージュを書きながらもストーリーやプロットにミステリマインドが溢れているからだ。私が好んで読む同じジャンルの作家フリーマントルも同様だが、バー=ゾウハーの場合はスピード感と緊張感に溢れている。
    さて本作ではどうだろうか。

    まず冒頭、ロンドンで宿泊していた男がベルリンのホテルで警察に叩き起こされ、そのまま逮捕されてしまうという、いきなり窮地から始まる。その逮捕もなんと60年以上も前に犯した元ナチス将校殺害事件の容疑者としてだから驚きだ。
    作中人物の話によればドイツには殺人罪には時効がなく、市民が訴えれば捜査は開始されるらしい。

    そこから長らく絶縁状態だった息子ギデオンが登場し、ルドルフがロンドンにいた事実を探ろうとする。しかし何かを恐れるかの如く、ルドルフに関わった人たちは彼と逢ったことを否定する。
    この辺はアイリッシュの『幻の女』を髣髴する。

    更にネオナチの狂信者たちのルドルフに対する感情は募り、やがて魔の手が迫り行く。

    今回の主役は逮捕されたルドルフと疎遠だった息子ギデオン・ブレイヴァマン。父親の意向に背き、世界中を旅した後、民俗学者になった男だ。
    彼が拘束中の父親の許を訪れ、久方ぶりに邂逅するシーンは2人の間に広がる溝が明らかにまだ存在している事を感じさせ、ぎこちない。しかしギデオンは父親が訃報逮捕された証拠を掴もうと躍起になる。

    そして彼の前に立ち塞がるのがベルリン州女性上級検察官マグダ・レナート。
    今回の任務に賭ける意欲は並々ならぬものがあることを知らされるのだが、それも無理もないことが物語半ばで判明する。なんと彼女の祖父はユダヤ人のパルチザンだったルドルフによって殺されたSS将校の1人だったのだ。
    しかしその事実もある事実で彼女にとって屈辱に代わる。親しかった祖母から教えられた亡き祖父像は第2次大戦で英雄的な戦死を遂げた将校ではなく、ユダヤ人収容所でのホロコースト実行の中心的人物だったからだ。

    このくだりを読むと、やはりドイツ人はナチスが第2次大戦で行ったホロコーストを忌むべき過去とし、歴史の汚点としているのが解る。自分の先祖が大量虐殺行為に関わっていた事はやはり不名誉であり、隠したい過去なのだろう。この憶測が裏打ちされるのは、ルドルフ逮捕に隠れた陰謀が明かされる段になってからだ。

    ルドルフが今回の陰謀に巻き込まれる引鉄となったのはかつて愛した女性をロンドンで見たという戦友からの手紙である。第2次大戦の恐怖を伴う呪わしき記憶が残る彼の地ヨーロッパを踏ませた原動力が愛する人に一目逢いたいという想いだったのはなんともロマンチックではあるが、これが実に共感できる。
    もし私にも同じ報せが入れば、どうにかしてそこを訪れ、再会したいと思うだろう。私もそんな齢になってきたのかと苦笑してしまった。

    北上次郎氏も云っていたが率直に云ってかつての名作から比較すれば冒頭に述べたスピード感は減じている。
    しかしそれを補う物語はここにはある。
    傑作とは云えないまでもやはり続けて読みたくなる作家である事は確か。
    バー=ゾウハー御齢80歳。同年代のフリーマントルが旺盛な執筆活動を見せている今、この作家にも次作を期待したい。


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    No.9:
    (2pt)

    ユダヤ人作家の知られざる一面を見せられた作品

    昔読んだ手堅い作家のうちの一人だったので久しぶりにこの人のものを読んだのだが
    1/3も行かない内にうんざり・・・一応最後までは読んだけど 悍ましいものを見てしまったな
    という感想

    この手の話は有りそうで無さそう、無さそうで有りそうなプロットに如何に臨場感を持って読者を引きずり込むかの肉付けの妙が味わいどころの筈だと思ってたが、この本のメインテーマはドイツ人への憎しみの吐露にあるようだ。

    ドイツ人は皆自分の父親や祖父のやった行いを知り驚愕し嫌悪と恥辱の念にかられ打ちひしがれてなくてはいけないようだ。  明るく前向きなドイツ人はきっと皆本当の過去を知らないに違いないという訳だ。  

    ドイツ人は皆祖先の犯した罪の現実から逃げてはいけないのだ。 この作者に言わせれば・・皆逃げているのだ。

    ホロコーストで600万人死んだから敗戦国民となったドイツ人も今度はそれ位ユダヤ人によって殺されて当然な所だったわけだ。 恐らくそれがなされない限りこの作家の心は癒されることは無いようだ。 哀れというか・・ 

    ユダヤ人というのも怨念をエネルギーに変えて精力的に活動出来る民族なのか・・ホロコーストを否定する程の関心も無いけどやはりそれなりの事は有るんだろうなと思ってしまった。
    私見だけどこんなのが広く読まれたところで、ユダヤ人に対しての印象が悪くなるだけだと思う。

    前に何冊か読んだときにはこんな傾向は特に感じなかったが、有ったとしてももっとオブラートに包んでいたのだろうか。 プロの小説家としてならそれが当然だと思うが、歳をとって歯止めが効かなく成ったのだろうか。  

    自分の祖父を復讐という名の下に非合法に殺害した犯人の孫の男に、その事実を知った上で女の方から男の部屋へ忍び込んで行く、スタイのいいドイツ人看護婦も主人公に欲情しているようだ。  ドイツ人にもこいうのを有り難がる進步的文化人なんてぇのがいるんだろうか?
    ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)より
    415041212X
    No.8:
    (2pt)

    ユダヤ人によるイスラエル国民のためのスリラー?

    マイケル・バー=ゾーハーは初めてだが、一読して強い違和感がある。
    ネオナチの首相が牛耳るドイツ?イラク戦争に飽き足らずイランにも戦争を仕掛けたいアメリカ?
    なんだか色眼鏡がきつすぎないか。
    例えば、もし、韓国の作家が、安倍政権で右傾化する日本を舞台に、従軍慰安婦問題をモチーフに、
    反日のバイアグラで書いた政治スリラーを読んだとしたら、こんな違和感を感じるに違いない。
    ちなみにこの本、
    原題は"Charged with murder"というらしいが、アマゾンアメリカで検索しても出てこない。
    マイケル・バー=ゾーハーのウィキペディア英語版でも出てこない。
    表紙をめくってみてみると、作家とのdirect arrangementで翻訳・出版した、とあるが、
    もしかして、日本の読者のための書下ろし?まさか。
    いかにもユダヤ人に都合のいい反独・反イラン観からして
    イスラエル国内市場だけを意識した作品ではないか。
    本作品を読む限り、この作家は日本で過大評価されていると思う。
    ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)より
    415041212X
    No.7:
    (4pt)

    62年前の殺人容疑

    面白かった。
    ロンドンにいたはずが、目を覚ますとベルリンにいて、62年前の殺人容疑で捕まってしまう。という、小説の出だし。
    第二次大戦末期に、ユダヤ人のグループが行った”ナチス残党狩り”があったとは。
    小説の回想場面で、映画『イングロリアス・バスターズ』を思い出してしまった。
    秘密結社の陰謀めいていて、結構楽しめた。
    ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)より
    415041212X
    No.6:
    (5pt)

    コンスピラシーなる懐かしい単語を含む題名に、つい買ってしまったが、これが正解!巨匠マ

    原題は「Charged with Murder」(殺人罪で起訴)なんですが、訳書のタイトルは「ベルリン・コスピラシー」。“コンスピラシー(Conspiracy):共謀、陰謀、謀議”なる単語を知る若者は多くはないでしょう。私が知ったのは、ある素粒子理論での機構の説明にConspiracyが出て来た若きMC時代のときです。その単語の使い方の巧さに感心しました。訳者の「ベルリン・コンスピラシー」のタイトルとページをめくって原題「Charged with Murder」を見てしまうと、あぁ〜国際謀略ものの小説だな・・・と想像させますが、実は、訳者に一本取られたのです!何が?少なくとも一冊は購入されたのですから。原題より訳書のタイトル「ベルリン・コンスピラシー」のほうがベターでしょ。
    本書は、いきなり、あまりにも不可解な状況から始まる・・・ロンドンのホテルで寝たはずなのに、翌朝、目が覚めとそこはベルリンのホテルであり、しかも、ドアが激しく叩かれ”開けろ、警察だ”と叫ぶ声がし・・・62年前の元ナチの将校を殺害した罪で逮捕されてしまうのである。
    何が一体起きているのか、始まろうとしているのか・・・すべては謎に包まれ、これから先が読めない・・・ミステリー感イッパイですが・・・“コンスピラシー”が!
    あとは、実際にお読みになってください。
    この新作は、巨匠の健在ぶりを体験させてくれます。傑作です。
    VERY INTERESTING AND GOOD ENTETAINMENT!
    ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)より
    415041212X
    No.5:
    (4pt)

    好きな作家は

    あまり文句をつけられません。翻訳者が上手いですね、とても流れよく読ませます。
    作者を知ったのは、もう20年程前でしょうか、月刊プレイボーイ日本版が創刊された時に、新刊書の
    紹介欄があり、ミステリー系を担当したのが内藤陳さんでそのコーナーが「読まずに死ねるか」でした。
    著者マイケル・バー・ゾウファーは多分(他の書評を読んでないので)このコーナーで高い評価で取上げられたのが
    きっかけで、それから著書が続いて紹介されるようになったと記憶します。
    「過去からの狙撃者」に始まり「エニグマ奇襲指令」「パンドラ抹殺文書」など必ずと言っていいほど陳さんに
    取上げられ、私も手にしました。
    彼の本は、私の感じでは単行本はあまり面白くありません。例えば「影の兄弟」や題を忘れた(「悪魔のスパイ」
    だったか…)第二次大戦中の中東を舞台にした単行本などは、あまりお薦めではありません。(どうして文庫の
    ほうがいいのか?)
    この本は、ひねりはなく、スト−リー展開の中で背景が想像できますが、私にはそれが正統派の感じでもあり、
    一気に読みました。水準にはあると思います。
    ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ベルリン・コンスピラシー (ハヤカワ文庫NV)より
    415041212X



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