復讐者たち



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初公開日(参考)1989年07月
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復讐者たち〔新版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

2015年08月21日 復讐者たち〔新版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

600万のユダヤ人を虐殺したナチスのトップたちは、敗色が濃くなると罪を逃れようと世界中に逃亡した。大虐殺の首謀者アイヒマン、ゲシュタポ長官ミュラー、アウシュビッツの医師メンゲレらだ。一方、生き延びたユダヤ人たちは報復計画を練った。地球の果てまで追跡し復讐を完遂するために!スパイ小説の巨匠が、十数か国100余人への取材をもとに、真相と復讐者たちの内面に迫る不朽の名作ドキュメント。(「BOOK」データベースより)




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復讐者たちの総合評価:7.67/10点レビュー 9件。Cランク


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No.1:
(7pt)

これがノンフィクションであることの怖さ

1967年に書かれたこのノンフィクションが2015年になって新装版となって再刊された。
マイケル・バー=ゾウハーによるノンフィクションと云えば2002年に『ミュンヘン』、2012年に『モサド・ファイル』を著し、一貫してユダヤ人に纏わる話を書いているが、本書はそれらの原型とも云えるユダヤ人の血塗られた復讐の物語だ。

本書は3部構成になっており、第1部では個人と有志によって設立された組織によるナチス残党狩りを断片的に語る。

第2部では狩られる側、即ちナチス残党の逃亡劇を子細に語る。

第3部はナチス戦犯のさらに組織だった追跡の模様が語られている。

第二次大戦にヒトラーと云う1人の男の狂気から始まった世界的なユダヤ人大虐殺は本書によれば最終的に570万人以上もの犠牲者を生み出した。

しかし第二次大戦ナチスによって大虐殺と迫害の日々を強いられたユダヤ人は、黙って虐待に耐える民族ではなかった。彼らはその借りを返しに、屈辱を晴らすためにナチスの残党狩りを世界規模で始めたのだった。

日本人ならば第二次大戦でアメリカに原爆まで落とされ、国家を揺るがされる大打撃を受けながらも、かつての敵に復讐しようとはせず、寧ろ国の復興に精を出し、驚異的な高度経済成長によって奇跡的とも云える復興を成し得たが、ユダヤ人やムスリムは過去の遺恨をそのままにはせず、「目には目を、歯には歯を」の精神で執拗な仕返しを行うのだ。

それによって最終的に報復に成功したナチス残党の数は1000~2000人に上った。しかしそれは上に書いたユダヤ人犠牲者の数とは全く収支が合わない。やられたらやり返すの精神であるユダヤ人にしては実に少ない数だ。
しかしそれこそユダヤ人社会が文化的になった証拠だと作者は述べる。そしてこれらの復讐を少なくしたのはイスラエル建国があったからだと作者は指摘する。イスラエル建国が苦難と苦闘の産物であることは同じ作者の『モサド・ファイル』やフランク・シェッツィングの『緊急速報』で語られた通りだ。この障害の多さこそがユダヤ人に復讐に没頭する機会を奪ったと作者は見ている。
しかしこの建国もまた周辺諸国との戦いの日々であったことを知る今では単にターゲットがナチスから周辺のアラブ諸国になったに過ぎないと思うのは私だけだろうか。

そしてこれら俎上に挙げられた復讐譚が果たして是なのかと云えば甚だ疑問だ。それは正義や道徳心から起こる疑問ではない。それぞれの国に様々な民族がおり、彼ら彼女らのDNAに刻まれた価値観は一民族である日本人の尺度で測るのは寧ろおこがましいと云えるだろう。

私が疑問に思うのは上に書いたように過去に生きるのではなく、未来に目を向け、民族の復興と更なる繁栄を目指すべきではなかったかということだ。
暴力が生むのは暴力しかなく、復讐もまた然りである。そんな人的資源の消耗戦としか思えない復讐の螺旋に固執することでこの民族の復興はかなり遅れたのではないかと思えてならない。

前にも書いたがユダヤ人は優れた民族である。映画人や富豪にその名を連ねるユダヤ人も数多い。そんな彼らは血を血で洗う復讐に淫しただろうか?
それは否だろう。彼らは独自の才能と才覚と人の数倍の努力で名を成すまでになったのだ。そしてスティーヴン・スピルバーグが『シンドラーのリスト』、『ミュンヘン』を創ったように、彼らは建設的な方向で復讐を行ったのだ。血を血で以て制裁を下すことをせずに世界の共感を得る方法を獲る方が嫌悪感を抱かず、考えさせられ、議論が生まれ、非常に建設的だ。

本書は世界で隠密裏に起きた暗殺の歴史を綴ったものであるが、大規模に行われたテロの歴史でもある。つまりこれはテロ側から自分たちの行為の正当性を語ったドキュメンタリーでもあるのだ。

ここに書かれているユダヤ人達へのナチスの陰惨な迫害は筆舌に尽くしがたい物があるのは認めよう。アドルフ・アイヒマン、ヨーゼフ・メンゲレらが行った想像を絶する、もはや悪魔の所業としか思えない数々の残虐行為は自分の家族が同じような方法で殺されたならば、私も一生拭いきれない恨みを抱く事だろう。
それでも私は上に書いたように納得できない。いわれのない大量虐殺を強いられた民族の復讐心は解るが、「やられたらやり返す」では蛮族たちの理論であり、近代国家のやるべき方法ではないからだ。

本書では彼ら復讐者が単なる虐殺者に堕せず、それぞれの正義と教義に従って行動したと繰り返し述べられている。

あるジャーナリストはナチスの残虐行為に無関心な諸国への抗議で義憤に駆られて国際連盟の会議場で自殺する。

復讐者たちは押しなべて歴史的な使命を託されたと信じ、自らを民族の代表者だとして、義務を果たしただけだと思っている。

また著者は復讐者全員が正義を愛する高潔であり、彼らの行動は知性、モラル両面におい潔癖であったかを証明していると礼賛している。

総じて述べられているのはこれら一連の復讐が決して私怨ではなく、ユダヤ民族の総意として成されていると正当化していることだ。

しかし虐殺に対して虐殺を行うことに何ら変わりはない。先にも述べられていたが、ユダヤ人犠牲者の数と狩られたナチス残党の数は収支は合ってはいないが、それでも1000人単位で行われた虐殺はもはやテロに過ぎない。

毒入りのパンを仕込んで3万6千人ものSSを殺害する計画を立てるが、あえなく失敗したというエピソードがあるが、私はそれこそが彼らにもたらした神の恩恵であり配剤だと考える。彼らが相手同様の大量虐殺を行うことはどんな理由があれ、彼らと同じ畜生道まで身を落としてしまうことになるからだ。

民族としての高潔さを尊ぶならば本能の赴くままに殺戮を行ってはいけない。大義名分のない殺戮こそはナチスの蛮行となんら変わらないからだ。

最強のスパイ組織モサドを創ったユダヤ人の執念深さを思い知らされると同時にもはや殺戮の無間地獄に陥ったことに気付いてほしいと願わざるを得ない。

一方のナチス残党側では世界の覇者から一転戦争犯罪者に堕した彼らの逃亡譚が詳細に綴られる。
よくもまあこれだけ彼らの足取りを細かく辿れたものだと感心したが、それ以上に第二次大戦以後、世界の敵とみなされたように思っていたナチスのシンパが世界にいたことにも驚いた。

特に南米諸国のナチスへの傾倒ぶりは並々ならぬものがあり、ナチスは戦争終結前にすでに組織立った逃亡支援団体を作り、協力体制を整えていたことはまさに驚愕に値する。

“水門(シュロイゼ)”と“蜘蛛(シュピンネ)”という二大団体によるデンマークに抜ける北方ルートやスイス、スペイン、果ては南米のアルゼンチンに抜ける南方ルートと緻密に構成された世界各国に散らばったナチのシンパたちによる支援団体によって構成されていた。さらに驚いたのはそれら支援団体の中にはフランシスコ会やイエズス会ら宗教団体にヴァチカンの大司教もまたそれらに加担していたという事実だ。当時のナチスの勢力の大きさが思い知らされる事実である。

そして南米のみならずアラブ諸国にも歓迎されていたことにも驚いた。アラブ諸国はユダヤ人を憎んでおり、彼らを徹底的に殺戮したナチスに共感していたのだ。
しかしイスラエル建国によって生み出されたユダヤ人とムスリムの軋轢の歴史を考えれば当然かもしれない。ナチスの人非人的行為よりもユダヤ人に対する憎しみや嫌悪感の方が深かったというのは何とも言葉に言い表せない。

そしてそれら巧妙に仕組まれた逃亡計画を解き明かすユダヤ人の執念も凄まじい。彼らナチス残党は国を変え、身分と名前を変え、各地の生活に溶け込み、元SSの将校や軍人や刑務所の所長だった人物が工場従事者になったり、農夫になったり、全く異なる生活基盤を築いている。
さらには散々ユダヤ人を殺害していながら医師となって開業しては、評判を得たり、最たるものではなんと自らをユダヤ人と名乗ってイスラエルに暮らす者もいる。

これほどまでに複雑化した逃亡劇はアメリカの証人保護プラグラムも真っ青の内容だが、それでも全世界に情報網を持つユダヤ人は何年、何十年もかけて宿敵を、怨敵を探し求め、探し当てるのだ。

小説の題材で隣の老人が実はナチスの残党だったという設定はよくあるが、確かにこの事実1つ1つを読むと、それが単なるフィクションではなく、あり得る設定として感じられるようになった。それほどこのナチスの逃亡劇は凄い。

なぜこのような人間が人間を家畜のように捕らえ、大量に屠殺するような行為が生まれるのか?
なぜヨーゼフ・メンゲレはユダヤ人の母親から赤ん坊を奪ってそのまま燃えさかる炎に入れたり、若い女性たちの血を抜き取ってふらふらになって抵抗できなくなってから焼却炉に投げ込んだり、強酸をかけて苦しみながら死ぬところを“嘲笑って”見ることが出来るのか?

それは彼らがユダヤ人を同じ人間だと思っていなかったからだろう。彼らはそのように教育されてきたからこそ、ユダヤ人たちを動物と同じように見れたのだ。
小さい頃から選民思想という歪んだ教育が成されてきたからこそ、道徳心が失われていたのだ。従ってナチス党員でもない看護婦や医師たちが知的障害者たちを安楽死させることを何の疑問も持たずに行ってきたこともまた歪んだ教育の産物なのだ。

今韓国や中国で反日感情を植え付ける教育が学校でなされており、今の若者に日本に対する抵抗心を持たせているが、これもドイツ人がユダヤ人に抱いた思想に重なる物を感じ、戦慄を覚えざるを得ない。

ドイツ人がユダヤ人を虐殺し、戦争終結後、今度はユダヤ人がドイツ人を追って暗殺する。そして今度はアジアでも同じことが起きようとするのかもしれない。残念ながらマイケル・バー=ゾウハーが本書を綴った60年代から世界は何も進歩していない。

Tetchy
WHOKS60S
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No.8:
(4pt)

ユダヤ人虐殺への最高の復讐…「建国」

単純で感情的、かつ涙もろいという絵にかいたような凡俗である筆者、罪もなく存在しているだけで殺戮されねばならなかったユダヤ人が復讐を遂げていくのはまことに当然、かつ公平な「罪と罰」、と共感して読み進めた。
 その復讐者たちが個人的、或いは組織的に復讐を執行している手を止めさせたのが「イスラエル建国」というのはまことに前向きな展開だった。
 どれほど怨念に燃えていても、国家がないユダヤ民族が、イスラエルという国家を持ったことで否応なく国際政治に登場し、建国のために復讐者たちが本国イスラエルに召喚され、復讐から建国へ(具体的にはイスラエル軍を構築する国家的事業や、対中東戦争)ベクトルを変えていくパラダイムシフトは、個人の怨念を現実世界で炸裂させることができる限界を示唆するものだった。
 それは、サイモン・ヴィーゼンタール(ジーモン・ヴィーゼンタール)という、アメリカでユダヤ人追求の団体を作り上げた人物は生涯を掛けてナチス追跡を続けたが、それは個人としての活動であり、それが団体となっていった水準で、国家というレベルでは虐殺も報復も、全体では取り扱うなかでの一部門にすぎなかった。

 もう一つ意外なことがある。
 アーリア人至上主義の筈のナチスは、誰が見てもラテン系の南米で巨大なネットワークを作り上げた世界的構想を持っていた。
 本来は世界大戦に勝利したあとのドイツが南米を支配するための下ごしらえだったらしいのだが、戦後も長く南米諸国でナチスが潜伏した土壌となったのは、アーリア人至上思想とやらも第三帝国のビジネス上の必要性からで、しょせん思想なぞ支配のための道具か、と美学の下のありふれた現実にま、そんなもんですよね、という覚醒効果がありました。
 大日本帝国はこの種の国際的なネットワークの構築には失敗しただけに、ドイツの視野の広がりは感じさせられた。

 全般に、これほどのジェノサイドをされたのだから、この人たちの反応は当然だよね…という感想でした。
 そして2020年代、ガザ地区を支配するハマスとイスラエル軍が民間人虐殺の応酬を展開している惨状を見ると、中東側の政権担当能力、統治能力の拙劣さはともあれ、絶滅など不可能であることをイスラエル以上に知悉している国家はあるまいと思われるのにこの状況は、人と同じく、国家も原体験から逃れることは出来ないのか、という複雑な感慨を催させる。
 後世という別な視点からもその歴史を検証させる、さながらユダヤ人という民族、イスラエルという国家の精神分析のようなルポルタージュだった。
復讐者たち (ハヤカワ文庫NF)Amazon書評・レビュー:復讐者たち (ハヤカワ文庫NF)より
4150501580
No.7:
(5pt)

戦いは終わっていなかった。

ナチスドイツの敗北だけで終われない、家族親族民族を殺戮されたユダヤ人達の復讐の記録。
その名の通り『復讐者たち』である。
著者はこの本の為に15か国以上の関係者に取材している。
一つ一つを丁寧に書いてある印象を受けるし、わかりやすかった。
又、ホロコーストの書籍と違い、迫害および殺戮、大虐殺のような生々しい部分ではなく、ナチに対する憎しみの上に、その復讐にかける信念のような部分や計画的な作戦など知ることができた。

復讐者たちは多くのユダヤ人の気持ちを背負って、自分たちは犯罪を犯しているのではなく、二度とこのよな事が起きないようにとの道義づけもしている。
ナチスドイツが敗北したことで、唐突に起きたことではなく、迫害を受けている間中、ユダヤ人たちがそれぞれの立場や考えで何かを起こそうとしていたことも取材からわかる。
非常に興味深い本で読みやすい内容である。
復讐者たち (ハヤカワ文庫NF)Amazon書評・レビュー:復讐者たち (ハヤカワ文庫NF)より
4150501580
No.6:
(2pt)

「20世紀最後の真実」のタネ本

落合信彦がフリードリヒことエルンスト・ズンデルの「ホロコースト否定論」を元にして書き飛ばした「20世紀最後の真実」のタネ本。
 巻頭にある「ユダヤ人問題の最終的解決」についての要約が現実ならば、ブルガリアにいたバー=ゾウバー自身が、誰かに匿われるか、何かの幸運か偶然にでも巡り合わない限り、どこかの強制収容所に移送される途中の列車の中か、強制収容所のガス室で死んでいたはずだ。1つ年下のツヴェタン・トドロフの「善のはかなさ」で書かれているように、少なくとも1941年時点のブルガリア王国の国境内のユダヤ人は強制収容所には送られなかった。著者は自分自身の運命に関わっていた事なのに、何故事実に反する事を書くのだろうか?
 「ホロコースト大事典」にニュルンベルク郊外の捕虜収容所での出来事を例外として書いているから、「復讐物語」は何らの事実の反映はしているかもしれない。しかし、本当に殺したとすれば、生き残ったゲットーのユダヤ人評議会の関係者かユダヤ人警察官、ゲシュタポに雇われた通訳や密告者、強制収容所のカポーのような気がする。それなりの地位にいたSS隊員が戦後のドイツやオーストリアでは実名を名乗って娑婆で暮らせるわけではないし、南米なり中東なりに逃げる途中の面々ならば他人の事までは知らないだろうし。「おおエルサレム!」にドイツ人の命令を拒否して短期間ながら強制収容所に送られた事があるアラブ人が経歴を生かして?パレスチナに帰るのにユダヤ人の帰還船を利用する話しがあるので、あるいはドイツにいたハジ・アミン・アル・フセイニーに近いアラブ人か。
 「エルサレム〈以前〉のアイヒマン」にフリッツ・バウアーを初めて紹介した本として紹介されているので、「ナチ・ハンター」については、書かれたとしても問題にはならない範囲での事実を書いているだろう。まだボルマンの遺骨がベルリンで見つかる前とはいえ、彼がベルリンで死んだという目撃談があるにも関わらず、安っぽい冒険小説かスパイ映画まがいの「ボルマンの逃亡物語」はせいぜい伝聞を元にしたフィクションというところだ。まだスコルツェニーは生きている時期に刊行されているので知っていても書けないだろうが、著者自身の「モサド・ファイル」に書かれているように「ヨーロッパで最も危険な男」は免罪と引き換えにしてエジプトのミサイル開発の情報を収集する為のエージェントとしてモサドが雇用していた。
 ドイツ人に対する復讐物語はイスラエル建国に際して故郷を去る羽目になったパレスチナ人がイスラエルに対する報復と重なるはずだが、「イスラエルの安全に対する邪悪なテロリスト」としてモサドの暗殺対象になった本を書いたのだから思い浮かばないだろう。この本が出た時期ならばPLOのゲリラ闘争だ。
復讐者たち (ハヤカワ文庫NF)Amazon書評・レビュー:復讐者たち (ハヤカワ文庫NF)より
4150501580
No.5:
(3pt)

ナチを追う。

マイケル・バー=ゾウハーさんの本で、訳が広瀬順弘さんです。
ナチのユダヤ人虐殺にかかわった人間、主にSSの人間を、戦後、ユダヤ人が復讐していく、という話です。
ユダヤ人たちは、組織だって復讐しています。
一方、SSの人間たちも、戦争の趨勢が負けに傾いたころから、脱出するルートは構築していたようで、主に南米アルゼンチンあたりに逃げるケースが多いようです。
ユダヤ人たちは組織で追いつめていくわけですが、もちろん逃亡先の政府が認めるわけはなく、逆に犯罪者として逮捕されてしまうかもしれないわけで、なかなかスリリングな展開になります。
主に、有名無名のSSを、「こういうふうに殺ったった」という話をあつめた本なので、一貫したストーリーがあるわけではありません。
インタビューをもとに構成した感じがする本です。
しかし、ユダヤ人たちの執念深さというか、追い込みかたってのが、すげえなぁ、と思いました。
もう逃げようがないなぁ、なんて思ってしまいました。
ただ、アルゼンチンは親ナチで、南米にはいくつか親ナチの国があったようで、そこいらへんにたどりついて、つつましく生活していれば、バレないかもしれません。
とはいっても、常に「追われる」身であるのは、つらいでしょうが。
それにしても、ナチの残虐行為をおこなった人間が、のうのうとまだ生きているかも、というのは、ちょっと怖いですよね。
また、逃げている人間も、「ナチの教えは正しかった」と宣伝していたりして、ナチの思想から抜け出てないのが、恐ろしいです。
復讐者たち (ハヤカワ文庫NF)Amazon書評・レビュー:復讐者たち (ハヤカワ文庫NF)より
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No.4:
(5pt)

歴史に載らない史実。

筆者の気持ちは痛いほどよくわかる。イスラエルが過激なのはナチスによるユダヤ人へのジェノサイトからくるものなのか。素晴らしい本。
復讐者たち (ハヤカワ文庫NF)Amazon書評・レビュー:復讐者たち (ハヤカワ文庫NF)より
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