天国から「地上研修」に来ている天使のマリと、地獄から「成績不良」で叩き出された悪魔・黒犬のポチ。

夜の十二時過ぎ。

峻険な岩場の多い後立山連峰のなかでも代表的難所といわれる不帰ノ嶮で、ニュージーランド人登山家の遭難事故が発生。

岩手県の清流・葛根田水系で二人の釣人が失跡した。数日後、下流では女性の扼殺死体が発見される。

国際生花シンポジウムの開催地・京都で雑誌記者が謎の死を遂げた。

殺人現場に残されたのは、赤いマジックで書かれた数字の「1」。

公園で殺人犯を張込み中の、捜査一課刑事・片山義太郎は、イチゴの絵柄の可愛いハンカチをベンチから拾い上げた。

現代の日本に信じられない名前のバス停が実在する。

仕事に縛られない気楽な人生が最高さ―ディミトリにとって、親友のマーカスのように真面目に働くのは性分ではなかった。

入院、退社、離婚という心労の果て、江戸川沿いの古い一軒家に棲みついた男。幽き暮らしに現れた謎の女性との情欲の行方は。

新宿に北の国から謎の男が現れる。獣のような野性的な肉体は、特別な訓練を積んだことを物語っていた。

ついに、北の国から来た男の正体と目的が分かった。その瞬間、新宿署の刑事だけでなく暴力団の幹部までもが息を呑んだ。

亡き父の後を継いで考古学者となった聡明な女性ジリアンは、アマゾンの奥地へ旅立った―そこにかつて石の都が存在していたという父親の説を立証するために。

「わたし、本当に今幸せなのよ。これ以上、何もいらないの。

小滝橋警察署に勤務する阿久津は、31歳のホステスから、結婚を約束した男と急に連絡がとれなくなったと相談を受ける。

橋口を追ううちに、阿久津は被害者の中に、かつての恋人美和子がいることに気付く。

棟居刑事シリーズ最新作。過去を消した男と少女の純愛を引き裂く運命の矢!マル暴刑事、女性代議士、暴力団構成員…。

人身売買ブローカーから逃てきたタイ人女性トウイを、ふとした縁で、ホストクラブのトップホストの有光は自分の部屋にかくまってやる。

霧笛が帝都の闇を震わせたその夜一隻の軍艦が水底に消えた。海軍の密命を受けその島に赴いた私立探偵十三郎が見たものは。

オカマと同棲して気楽な日々を過ごす「ぼく」は、いかにして甘えを克服していったのか。

奈美の飼い犬、マッハが散歩中に指輪をくわえてきた。マッハに導かれた場所には、ひよこが生き理めにされていた。

人々が住む場所を失い、食物を求めて街をさまよう国、盗みや殺人がもはや犯罪ですらなくなった国、死以外にそこから逃れるすべのない国。

依頼を受けること。そこに、理由などはいらない…。

偉大な詩人エミリー・ディキンスンの没後百年シンポジウムは不穏な空気につつまれた。

七月は灼熱の昼下がり、幻覚にも似た静寂な光の中、一人の男がリスボンの街を彷徨い歩く。

「猿渡」と「伯爵」のコンビが飄々として行くところ、日常世界は薄暮の幻想地獄に変貌する。鬼才津原泰水、注目の処女短篇集。

寛永十九年春。女人救済で名高い、鎌倉東慶寺の山門をおびただしい女性の血で染めた「会津七本槍」の七剣鬼。

怨敵「会津七本槍」の四人までを討ち果たし、加藤明成に迫る復讐の刃!だが見よ、七本槍衆の総帥、不死身の妖人芦名銅伯の自信に満ちた不敵な笑いを―。

奔放に、自由に、いつも夢をもって生きる女性を描いたカポーティの傑作。

伊勢から神戸にかけての約三百キロにわたる「歴史街道」は“日本版ロマンチック街道”ともいわれている。

吉敷竹史の元妻・加納通子は意識の底に眠る記憶をたぐり、数奇な運命に翻弄されてきた自らの半生を振り返っていた。

金は天下のまわりもの。財布の中で現金は、きれいな金も汚ない金も、みな同じ顔をして収まっている。

海に臨む瀟洒な邸宅、十棟が並ぶ「ヴィラ・葉崎マグノリア」。その一棟、密室状況の空き家で死体が発見された。

最終学年を迎えた「私」は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアルバイトを経験する。

有名写真家・君原、女優の真木が相次いで殺され、そのどちらの犯行現場にも真っ赤なサクランボが残されていた―。

マッターホルンを望むスイス・ツェルマットの夏。シェイクスピア劇の名優が突然知った謎だらけの死。

黒い傘に風変わりな帽子―生徒たちを引率して水族館へ見学に来たミス・ヒルデガード・ウィザーズ。

木曾経文村の守り神・地蔵菩薩が盗まれ、村の代表として、越路武平が探索の旅に出た。

排気量2000CCの改造化け物バイク、危険を孕むタンデムで闇を疾走する男。濃厚な夜の気配が押し寄せる…。

堕胎医が軒をつらねる江戸・薬研堀。腕利きの闇医おげんの元に、手込めによって陰部を裂傷した娘が施術に訪れた。

新たなる恐怖と戦慄の始まり。鬼才が放つ長篇ホラーの快作。

独立国家共同体が崩壊、軍部主導で復活したソ連は突如スカンジナビアに侵攻を開始した!超大国の威信回復を賭けた強大なソ連軍の前にノルウェーの運命は風前の灯に―孤立無援のまま侵攻軍に立ち向かう米空母戦闘群にソ連北洋艦隊の原潜が、そして新鋭空母が牙をむく。

心霊学研究者モンタギュー博士は、幽霊屋敷として知られる「丘の屋敷」を調査するため三人の男女を呼び集めた。

職業医師として、年来、私は性的強迫観念が色濃く滲み出た情事の破局に関心を懐いている―本書の語り手、ピーター・クリーヴはそう語る。

関東取締役出役―関八州の悪党者を取り締まる通称“八州廻り”の桑山十兵衛は男やもめ。

デリカテッセンの開店記念パーティの最中に、倉庫で弁護士がハム用ラックの下敷きになって死んでいるのが見つかった。

かつて忠義武烈の象徴であった「菊池氏」を取材するため、熊本県菊池市を訪れた浅見光彦は、車中で菊池由紀という美女に会う。

崇徳上皇を取材する浅見光彦は崇道神社で一人の女性と出会った。彼女は現像前のフィルムを浅見に託し姿を消してしまった。

古代、インド=ヨーロッパ人が崇拝していた神にちなんで名づけられた、最新鋭の原子力発電所―火神「アグニ」。

事件は、商産省の組合の秘密闘争計画が、省側に筒抜けになっていて、スパイが発見されたことが発端だった。

中国の僧坊で伏虎拳の修得に余念がなかったニールに、父親にさらわれた二歳の赤ん坊を無事連れ帰れ、という指令がくだった。

これはプロの遣り口なの。男と女を別れさせるプロが仕組んだことなのよ。

老人が愛犬と共に川釣りを楽しんでいる。そこへ少年が三人近づいて来た。

七つの短編全てが読者への挑戦!周到極まりない殺人者の犯したたった一つの過ちとは?あるべき場所に死体がなかったのはなぜ?最有力容疑者を潔白であると探偵、信濃譲二はいうが?あらゆる角度から「推理小説」の醍醐味を味わってください。

「田処銀吉」の名が容疑線上に挙がった時、佐伯警部補は一瞬鳩尾の奥に鈍痛に似た圧迫感を覚えた。

「私の人生、このままで終わらせたくない」。妻たちはいま、欲望に忠実に生きはじめた。

今回の逃亡者は元カレの車を盗んで訴えられたマクシーン・ノーウィッキー。

この作品は殺されるはずのない人間が殺される悲劇を描いている。

武器商人や大物政治家が集う高級クラブの失跡した接待係を追っていた平野と片山は、要人抱きこみを狙う秘密接待所に辿りつく。

高級クラブでVIPの接待係をしていた幼なじみの美女・麻利が失踪!新聞記者平野は家出人捜索所の片山と共にその行方を追う。

絞殺された人妻の喉元にくっきりとついた五本の指の跡。

おなかがすけばおいしい食事をつくってくれるし、おもしろい話もしてくれるべんりなロボットを手に入れたエヌ氏。

ちょっといいかい?あたしは顔も頭も良くない。だけど悪役女子プロレスラーとしてはうまくやってる。

小説家の竜ケ崎は、これまで賞と名の付くものにはまったく無縁だったので、今回はじめての文学賞受賞は喜びもひとしおだった。

怪盗アルセーヌ・ルパンの淡い恋と冒険を描いた「ルパンの慈善」。アリバイ崩しの名探偵・鬼貫警部が活躍する「風邪の証言」。

もし、人が人の力で時の壁を越えられるとしたら、そして、その結果、至上の愛が芽生えたら…。

最愛の妹が偽装を施され殺害された。

一千二百六十万円。

ヤクザの追跡を辛うじて逃れた道郎は、名前を変え復讎に挑む。

「明邦大学・七福神の呪い」―大学関係者を怯えさせる連続怪死事件は、歴史の闇に隠されていた「呪い」を暴こうとする報いか!?ご存じ、桑原崇が膨大な知識を駆使し、誰も辿り着けなかった「七福神」と「六歌仙」の謎を解き明かす。

乗客乗員138名を乗せた全日航機が羽田沖で残骸となって発見された。

邸の氷室は十八世紀に小丘を模して造られた。

ゴースト・ライターだった夫が、本当に死んでしまった!!死んでも幽霊になって君を守ると言ったのに。

「人生の大きさは悔しさの大きさで計るんだ」。拍手は遠い。

お遍路でにぎわう菜の花畑の四国路で、遍路姿の老人が刺殺された。同行の若い女性の姿も消えた。

会津鬼怒川線開業記念のバッジを持った男が浅草で血に汚れて倒れていた。

闇からとどく髑髏の声、怪異の果ての悲劇 哀しいさらし首伝説の残る村で続く奇妙な死の真相は？ 憧れの女性教師が余命わずかで学校も廃校に―――小学校時代の同級生・一尺屋遙（いっしゃくやはるか）から手紙を受けとった八追純平（やおいじゅんぺい）は20年ぶりに母校を

南アルプスで男女の死体が発見されたが、遺体は死後十日間で白骨化していた。

両親を失った少年が復讐のために、日本最大の暴力団の組長を狙撃し逃走したことで、全国的なやくざ戦争が始まった。

小雨のそぼ降る朝、茨城の山中の寺が突如爆発、炎上した。

食べ物に関する大規模な祭典が行なわれることになった。

子の望みに応え、刺青を入れた父。だが、代金を肩代わりした男には恐ろしい目的があった…。

老作家と妻は、旅行中嵐に遭い、イギリスの小さな漁村に避難した。

南極大陸に突如出現した超空間通路によって、地球への侵攻を開始した未知の異星体「ジャム」。

二十二世紀、火星で驚くべき発見がされた。

この仕事に、向いてないのかな?ハリウッドの芸能記者オコナーは記者魂では負けないが、控えめな性格が災いしてなかなかスクープをものにできない。

かつて出会った古老の言葉が甦る。「あなたの瞳には、使命の星がある」。

人の心の深みに触れ、憲太郎の心にも静かな革命が進む。この命を燃やす、新たな生に踏み出そう―憲太郎は旅に出る。

酒におぼれる人生の敗残者ジョーイ。ある日彼に、父親が死んだとの知らせが届いた。

離婚して一人暮らしを続けるフリーカメラマン宇津木葉子のもとに、大学受験を迎えた甥の彰彦とその妹理菜がころがりこんできた。

人気推理作家の大西秋彦が京都・奈良の取材旅行中突然失踪し、間もなく惨殺死体で発見された。

海底の船に残る毬藻のような頭蓋骨、飢饉の悲劇をいまに伝える紙片、文人の葬儀に必ず現れる老女…。

シャワーカーテンの隙間からのぞく仮面のような顔。ぎらつく二つの目。

岐阜県下呂温泉のホテルで、二月、三月と連続殺人が…。

古事記に登場する坂と同名の坂。そこには不気味な言い伝えが…。

13歳の弟は猟奇殺人犯!?14歳の「ぼく」の孤独な闘いが始まった。今を生きる子どもたちの光と影をみずみずしく描く問題作。

大分県国東半島の先に浮かぶ伝説の島・姫島―この島の実力者の息子・属優貴男が惨殺された。

信濃追分駅のほど近くで、人形やアクセサリーを売る店をひとり営む丸岡一枝。