目覚めると、わたしはオーストラリア横断鉄道の車中に。

新人賞受賞が内定しながら、担当編集者と選考委員の目にしかふれぬまま失われた幻の小説「天啓の宴」―デビュー二作目が書けずに悩む作家・天童は興味を覚え、その謎を追究し始める。

ドーセットの寒村シェンステッドに、死と暴力が不穏な空気をもたらしていた。

シェンステッドのいちばん長い日―2001年12月26日はゆっくりと過ぎていく。

新年を迎えたシェトランド島。孤独な老人を夜に訪れた黒髪の少女は、四日後の朝、雪原で死んでいた。

まだ見ぬ父親に会うため秋庭邸を訪れた一登は、そこで言語能力を持たない弟に出会う。

刑事を辞めて八ヵ月。雑誌への寄稿で食いつないでいた俺・柚木草平を、絶世の美女が訪ねてきた。

女優の夢破れ故郷ミシシッピ・デルタに帰ってきたサラ。ところが家計は火の車、相続した豪邸ダリアハウスも手放す寸前。

心機一転、“ページ・ターナーズ”書店で働き始めたワケありのヘレン。

歌舞伎界や芸能界の日常が、粋に端正に描かれるシリーズ第3巻は、昭和50年代に創作された作品群を収録。

脳に銃弾を受けて眠りを失ってしまったが、その代わりに語学力と万巻の書からの知識を得たエヴァン・タナー。

衝撃の辞令を受けて泣く泣く「季刊落語」編集部の一員となった間宮緑は、牧編集長の洞察力に感嘆しきり。

英国秘密情報部の腕利き、007ことジェームズ・ボンド。祖国の平和と安寧のため、世界を股にかけ危険な任務を遂行する。

郵便受けに配達した本が忽然と消えるという話を聞き、配達の現場に立ち会うこととなったホーソーン医師。

「みんな飛び下りて死んじゃった。なんでだろう?」中高一貫の女子高で、高三の生徒が屋上から墜落死した。

私立ルピナス学園高等部に通う吾魚彩子は、あるときうっかり密室の謎を解いたばかりに、刑事の姉から殺人事件の推理を強要される。

憧れの日本へと辿り着いた私立探偵トウキョー・サム。

1947年、ロンドン。

1944年、ロンドン。夜ごと空襲の恐怖にさらされながら、日々の暮らしに必死でしがみつく女たちと男たち。

1920年代の英国領シンガポール。

スコットランドの辺疆に越してきたインド帰りの陸軍少将が、クルンバー館に高塀を繞らし食糧を買い込んで篭城の構えを見せる。

都会から小さな村に移り住んだ、元コピーライターのパウル・ブレーマー。周辺で頻発する馬殺しと放火。

『ル・ギード』調査員志望のイギリス娘、編集長宅の元料理人・魅惑のエルシー(!)の研修を担当し、彼女を落第させるのが今回のパ氏の任務。

「死にかけてるのってどんなものかって?もう生きてないんだ。

7年ぶりに「盛綱陣屋」への出演依頼を受けた中村雅楽。しかし、子役の演技が気になる雅楽は、なかなか出演を承諾しない。

十七歳の暑く単調な夏休み、広田悦至は元恋人の由実果が、千葉の海で自殺したことを知る。

崖に聳えるガラスの館。かつてそこで命を落とした少女、千波は再びの生を得て、青年学者の吹原と出会う。

行方不明の父親を探すため、倉西美波はアルバイトに励んでいる。

黄金が溢れる島ジパングで、大冒険の末、黄金を捨てることで莫大な黄金を手に入れた―。囚人たちが退屈に苦しむジェノヴァの牢。

父危篤の報を受けて帰郷した斎木亮は、中学時代に好意を寄せていた川村麗子の妹・千里と偶然に出会う。

十七世紀、王政復古の英国。

ジャック・C・ライアンは令状送達人。裁判所の書類を、指定された相手に配るのが仕事だ。

江戸川乱歩に見いだされた「車引殺人事件」にはじまる、老歌舞伎俳優・中村雅楽の推理譚。

江戸川乱歩に見いだされた「車引殺人事件」にはじまる、老歌舞伎俳優・中村雅楽の推理譚。

いとこ三人の死の秘密をいだく“崖の館”。財産目録作成のため再び集った涼子たちだが、招聘した鑑定家は予定より一人多く来た。

女子大生・三浦鈴女は、中学時代の同級生が相ついで殺害されたことに衝撃を受ける。彼女たちは二人とも、右肩に刺青痕があった。

大西洋をイギリスに向かう豪華客船クィーン・ヴィクトリア号で発生した、二つの盗難事件と殺人事件。

夏の休暇を楽しみに待つヴァランダー警部。そんな平和な夏の始まりは、一本の電話でくつがえされた。

斧で殺害し、頭皮の一部を剥ぐ凄惨な殺人。犯人は次々と犠牲者を増やしていった。

昭和12年の冬、薬問屋の娘の依頼を受けて、商都大阪を訪れた若き日の金田一耕助。

ペロポネソス諸国との戦争をきっかけに、アテナイは衰微の暗雲に覆われつつあった。そんななか、奇妙な事件が連続して発生する。

秋雨降りしきる肌寒い朝、研修医エヴリン・サトクリフに野菜を盛り合わせたバスケットが届く。

権力を独占せんと、国主の妹イセーレとの政略結婚を企む宰相一派。婚礼を阻止すべく、カザリルは死の魔術を試みる。

戦の末に敵国の奴隷となり、身も心もぼろぼろになって故国に戻ってきたカザリル。

ニューヨークから河田警部が帰ってきた。

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。

財産家のおばが住まう崖の館を訪れた高校生の涼子といとこたち。ここで二年前、おばの愛娘・千波は命を落とした。

行方不明の父親を捜すため、倉西美波はアルバイトに励んでいる。今回は、「立っているだけで一日二万円」の仕事。

1873年、オスマン・トルコの辺境、ヒッサルリクの丘。

行方不明の父親を捜すため、倉西美波はアルバイトに励んでいる。

ニューヨークの私立探偵リディアと相棒のビルは、仕事で香港を訪れていた。

美女に振りまわされつつ、事件調査も生活の糧にしているフリーライターの柚木草平。

16ノットで1時間、これで尾道に着くことはできますか。

緑豊かなアラグリンの谷を支配する、氏族の族長エベルが殺された。現場には血まみれの刃物を握りしめた若者。

殺人現場で捕らえられたのは、目も見えず、耳も聞こえず、口もきけぬ青年だった。本当に彼が殺したのだろうか。

ゴミ捨て場に遺棄された覆面レスラーの死体は、後頭部の髪が無惨に切り取られていた。

春の近づくある日、鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。

1377年、ロンドン。富裕な貿易商トーマス・スプリンガル卿が、邸の自室で毒殺された。

1835年9月、英国海軍船ビーグル号は本国への帰途ガラパゴス諸島に立ち寄った。

モンタナ州の郵便局で、局長と客が射殺された。元刑事の郵政捜査官ルーミスは、同僚ドンブロウスキと捜査をはじめる。

1915年、第一次世界大戦のさなか。英国船ルシタニア号はUボートの魚雷攻撃により沈没した。

ニックことニコラス・ネイラーは、タバコ業界のロビイスト団体の主任スポークスマン。

娘と訪れたスキー場で、柚木草平は高校時代の初恋の女性・卯月実可子と二十年ぶりに出会う。

MIT出身の天才女性数学者グロリア・パーカー=シモンズはFBIから連続殺人事件の数学的分析を依頼された。

神経の不調に悩む女にあてがわれた古い子供部屋。そこには、異様な模様の壁紙が貼られていた…。

殺人鬼ダートの手から逃れ、傑作ファンタジー『夜の旅』が秘めた謎を追うノラ。重い口を開き、過去を語りはじめる人々。

ノラの友人ナタリーが寝室に血痕を残して消えた。

風変わりな趣味の主キャソン・デューカーは、ある夜の見聞をきっかけに謎の男バゴットを追い始める。

無性に子どもを欲しがるカレンに戸惑う、結婚間近のニールに、またも仕事が!ラスヴェガスから帰ろうとしない八十六歳の爺さんを連れ戻せという。

リンガム荒野にそびえ立つ遺跡“九人の乙女岩”で、女性の惨殺死体が発見された。

“九人の乙女岩”で起きた殺人事件を解決するべく、イードゥンデイルの警察官たちは奔走していた。

朝食の最中に事務所に押し入り、いきなり銃を撃ってきた大男を、わたしは一弾で倒した。

五つの島々をまわって数人ずつ客を拾い、合計二十五人を輸送してほしい、但し目的地は全員が乗船するまで秘密―奇妙な依頼の目的は?潮見島と風見島、瀬戸内海に浮かぶ二つの島の対立に心ならずも巻き込まれた海上タクシー船長・寺田の前に、さらに不審死の謎が立ち塞がる。

元刑事でフリーライターの柚木草平は、雑誌への寄稿の傍ら事件調査も行なう私立探偵。

ロミリア・チャコン。28歳、ラテン系。

世の中には、どんな些細な出来事も、語り口ひとつで冒険や、心臓へのひと太刀に変えられる、すばらしい能力を持つ人がいる…。

同級生の謎めいた言葉に翻弄され、担任教師の不可解な態度に胸を痛める翠は、憂いを抱いて清海の森を訪れる。

翻訳の仕事をする知的で打算的なドイツ人女性ヒルデガルデ、34歳独身。彼女が見つけた新聞の求縁広告は“莫大ナ資産アリ。

英国が誇る秘密情報部。なかでもダブル零のコードをもつのは、どんな状況をも冷静に切り抜ける腕ききばかり。

part3まで開かれた「ロンド」というタイトルの奇怪な個展。

実物を知る人間は数えるほどしかいない、所在不明の幻の絵画『ロンド』。

自称ひきこもりの友人、鳥井真一が風邪で寝こんでいたある日、僕、坂木司は同僚から、同期の女性の様子がおかしいと相談を受ける。

一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。

「部屋求む。ルームメイト応相談」。

僕、音村夏貴はときどき過呼吸の発作を起こす十四歳。ある日、親友の正哉が目の前で焼死してしまった。

残り少ない暑中休暇を過ごすべく、秩父の『りら荘』に集まった日本芸術大学の学生たち。

二之浦ゆり子は青年医師・里見に誘われ、瀬戸内海の小島巡りに同行するが、その際、ひとつの無人島を目にしたことで、過去の悪夢が甦る。

やむをえない事情から、高給取りの職をなげうち陽光まぶしい南フロリダへやってきたヘレン・ホーソーン。

18世紀、ジャージー島。ジョンが想いを寄せる美しい子爵家令嬢の水浴姿を見てしまった父が、猟犬にズタズタに噛み殺される。

ジョンの祖先が残した東インド会社にまつわる不可解な合意書。航行中に消息を絶った帆船の謎。

黄昏の列車のなかで、ぼくは目を瞠るほど美しい親子と同席になった。妖艶で饒舌な母親と、うまく舌が回らず涙ぐむ娘。

廃鉱でスケッチ中のローズの耳に響く女性の悲鳴。

欧州の城グラン・ギニョール城に招かれた名探偵ナイジェルソープ。客の間には緊張が漂い、嵐の夜を境に惨劇が続く。

入り組んでいてせわしない。いつも飛び回っていて、その気になればいやというほど刺せる―“蜂の巣”。

小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。

有名彫刻家に嫁いだ姉の家を訪ねて、瀕死の状態の姉・雅子を発見した、美大生の美和と親友・冴子。

カワイコちゃんと機上でヨロシクやっていて大事故を起こした化粧品会社社長のお抱えパイロット、タック。

画商兼インチキ超能力探偵の相良蒼司の元に持ち込まれたのは、『白菊』という謎めいた絵のオリジナルの捜索だった。

世界大恐慌で全財産を失ったロバートとリリーの兄妹がヴォールブルグに来てから間もなく一年。