ジョナサン・キャロルの作品一覧

フラニー・マケイブ。クレインズ・ヴューの警察署長で、元不良少年。

想い出に値する出来事があるたびに木片を拾う。人生が終わりを迎えるとき、それを薪にして火を熾す―“薪の結婚”。

入り組んでいてせわしない。いつも飛び回っていて、その気になればいやというほど刺せる―“蜂の巣”。

世の中には、どんな些細な出来事も、語り口ひとつで冒険や、心臓へのひと太刀に変えられる、すばらしい能力を持つ人がいる…。

黄昏の列車のなかで、ぼくは目を瞠るほど美しい親子と同席になった。妖艶で饒舌な母親と、うまく舌が回らず涙ぐむ娘。

「死にかけてるのってどんなものかって?もう生きてないんだ。

ぼくはいま、息子の頭に銃を突きつけて殺そうとしている。なのに息子は微笑んでさえいる。

おれはハリー・ラドクリフ、天才建築家だ。天才だから何をやっても許される。

兄が死んだのは、ぼくが十三のときだった。線路を渡ろうとして転び、第三軌条に触れて感電死したのだ。

おれはウェーバー・グレグストン。映画監督はもうしてない。

ぼくは呆然としていた。目の前に、三十数年前に死んだ男の墓がある。

あたしはとっても幸せ。この世でいちばんすてきな旦那さまがいるし、おなかには二人の赤ちゃんも。

ぼくの目の前で、少年がトラックにはねられた。事故のあと町の人間が聞いてきた。