犬博物館の外で
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犬博物館の外での総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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今回も自分の感性にそぐわなかった。饒舌な語り口が物語の牽引力にならなくて、寧ろプロットを曖昧にする煙幕として機能しているようだ。そのため、どういう話を読んでいるのか掴めなくなり、一週間後には全く記憶に残っていないという状態になる。 | ||||
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キャロルは何十年も前に翻訳されているものは一通り読んだのですが、ふと気が向いて「蜂の巣にキス」を再読、やっぱり面白いと思い最初から順に読み始めました。ちなみに内容は、インパクトが強烈だったデビュー作「死者の書」以外はきれいに忘れていて、情けない限りです。 順番に読んできて、この6作目、「月の骨」シリーズでは4作目を読了したのですが、ここへきて、う~ん・・となってしまいました。正直あまりおもしろくなかったのです。それでなくても複雑で摩訶不思議なキャロル作品ですが、次の作品に進むにつれてだんだんと複雑に、そして伏線が多くなってとっ散らかってくるような印象。 それから、今回は主人公が好きになれなかったせいもありました。”俺は性格がよくない。他人にはよくしてほしいがお返しによくしてやる必要なんか感じたこともない。無作法、無神経、礼儀知らず。天才は何をやっても許される”という有名建築家。彼が自分の気分と奇想のままに突っ走り、気に食わないものには当たり散らし(ゆえにいつも怒っていると言われる)、堂々と2人の恋人を持ったあげくに修羅場になります。とにかくせわしい人物で、そのせいか作品全体が妙に騒がしくバタバタしているように感じてしまいました。 イスラム教徒の某中東の国のスルタンがイスラムで忌み嫌われている犬の博物館を作りたいという必然性もいまひとつよくわからないし、キャロルにはめずらしく中東の紛争までからんできますが、そんな要素を作品に入れる必要があったのだろうか。バベルの塔の話をからませたかったから? 映画脚本家と女優が両親だったので業界のことが書きやすいのはわかりますが、2作目からもうずっと映画業界の話ばかり。そして”天使”らしき人物が登場するのも毎回同じ。そのへんにもちょっと食傷してしまいました。けれど1992年の英国幻想文学大賞受賞作ということなので、評価の高い作品なのでしょう。 昔の記憶でも「キャロルもなんだかいまひとつになってきたなあ・・・」と感じた時があったのですが、このあたりだったのかもしれません。 さて、残るは「沈黙のあと」と「天使の牙から」のみ。とりあえず読み進んでみます。 | ||||
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ダークファンタジー<<月の骨>>シリーズの第4弾。 前作までのキャラクターが顔を出したり、事物に言及したりはするが、ストーリーの繋がりはなく、独立した物語として読むことができる。それどころか、本作品まで読み通してみても、コレといった共通するテーマが見えてこないのだ。それぞれの作品の主人公が、所謂、ギョーカイ周辺の人々であることぐらいだろうか。 本作品は、精神を病んだ経験を持つ天才建築家が主人公。細部まで理解しようとすると徒労に終わるので、主人公が何を創ろうとしているのか、に注目すべだろう。 | ||||
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キャロルの作品の中でも好きな本です。主人公に味があり、登場人物に愛嬌があります。個人的にあまり濃いのが好きでないキャロルの恋愛描写も少な目。物語後半から不思議な世界に入り込んでゆき、後味も悪くありません。村上春樹の本に似た雰囲気を感じました。カバーを変えて(あまり魅力的でないので)再販してほしいです。 | ||||
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ジョナサン・キャロルという人は、魔法使いだと思う。理由は魔法使いに頼らないからだ。つまり、妖精、幽霊、魔法使いといった”実在はしないけど、みんなの心の中に共通して存在している観念”に頼らずに、ありえないことをまことしやかに書き、足の下の地面を心地よく取り去ってイマジネーションの空中浮遊をさせてくれるという点で。まず、この物語の中に出てくる尊大な天才芸術家の規格外の言動。ビリオネア・オイルダラーの国家首長という規格外の大物の申し出による犬博物館建造という規格外の展開。中東の国へ主人公が赴くあたりから話がだんだん、じゅうたんが空を飛んでいてもそれはそれでいいんじゃないか的なオリエンタル・マジックに染まり始めるのが、この作家のうまいところだ。現実と虚構の継ぎ目を決して見せない。そして、気が付くと、笑わされ、泣かされ、考えさせられている。リチャード・バックに共通するちょっと説教くさいところは、生まれたときから信仰が生活の軸になっているお国柄か。ともあれ、拗ねながらも懐疑的になりながらも結局は人間を肯定するこの作家の姿勢が、最後まで読んでよかったと思わせてくれる。 | ||||
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