検死審問 インクエスト
- 検死審問 (2)
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全編が検死審問の記録という体裁を取っており、関係者の証言や日記や遺書、検死官と陪審員との会話で構成されている。 女流小説家の屋敷で起こった事件を扱っているが、正直に言って全体の中の前半1/3はスローテンポでやや冗長に感じた。 それ以降は、事件の全体像が徐々に明らかになっていく過程がスピーディーで、また様々な人物の視点で語られる中で、何人かの人物像が変化をみせるところは巧いと感じた。 全体の中の後半1/3は目まぐるしいといってよいほどのストーリー展開で、最後の最後まで真相は見通すことができなかった。 とはいえ、ミステリとしてはやや伏線が不足ぎみに思えた点が残念だった。 蛇足ですが、ビリーワイルダー監督の「サンセット大通り」のとある部分について、本書のとある部分から影響を受けているのかなあと思ったりしました。 | ||||
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パーシヴァル・ワイルドが1938年に著した『Inquest』は、1950年代に『検屍裁判〜インクエスト〜』という邦題で3社から翻訳出版されたが、その後再版されることもなく長く入手困難となっていたそうである。 このような名作があることも知らずにいた評者も2008年に、前敏弥氏の新訳で邦題も新たに『検死審問〜インクエスト〜』となって刊行されたのを読んでみる気になって手にとった。 70年以上も前に書かれたミステリーなどとは、微塵も感じさせない新鮮な面白さを味わいながら読ませてくれた本であった。 構成や独自の人物描写など劇作家である著者ならではの優れた才能が、時代をこえた普遍性を作品に詰め込んだのだろうと思いながら読了した。 巻末で解説の杉江松恋氏が、「何を書くか」ではなく「どう書くか」に意味のある作品だと言いながら、『検死審問〜インクエスト〜』は、構成の技巧ゆえに少なくとも二度の再読に堪える作品になっている、と再読することを勧めていた。 著者が文章中にさりげなくちりばめ伏線を探せば、「あるはあるは」と松江氏が再読の楽しみを述べていたが、ワイルドに魅せられてしまった評者は、本書の続編の『検死審問〜ふたたび〜』を、手にしているから、本書を再読しょうか続編を読もうか、と悩んでいるところである。 堅苦しい書籍より上質なミステリーは、やはり最高の気晴らしになると実感した。 | ||||
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勧善懲悪のわかりやすい作風で不動のベストセラー作家となったミセス・ベネット。 そんな彼女の70歳の誕生日を祝うパーティが開かれた日に死亡事件が起きる。 長年に亘ってベネットを支えてきた出版代理人のチャールトンが、顔面に銃創を 残し、不審死を遂げたのだ。 チャールトンの死因を法的に確定させるため、検死官と 6名の陪審員による検死審問が開かれるのだが……。 審問を可能な限り長引かせ、できるだけ多くの手当をせしめてやろうとする検死官と 陪審員(一名例外)、そして、事件の証言にかこつけて己の人生観を得々と披露する 証言者といった具合に、検死審問の関係者たちは、不審死を扱っているにも関わらず 深刻さとは無縁です。それが巧まざるユーモアを醸すと同時に、状況に柔軟に対応し ていく庶民のしたたかさを感じさせるのが巧いところ。 しかもそんな中に、真相に繋がる伏線がいくつも仕込まれているのですから油断できません。 また、本作では、“人物像の反転”がことのほか鮮やか。序盤に読者の印象を操作し、 先入観を植えつけた後、それを終盤でひっくり返してみせる手際は堂に入っています。 | ||||
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帯には「乱歩が称えた傑作長編」とのこと。 早川書房の帯と異なり 東京創元社の帯は権威主義的ですが信頼感はあります。 コネチカット州の郊外で唯一の著名人と言えそうな女流作家の誕生日パーティー中に出版代理人が死亡。 そして検死審問が開廷。 裁判員制度(陪審員)と異なり 検死審問という制度は理解し難いものが。 女流作家の女帝振りが わが国の大物女流作家や脚本家を思わせ 微笑ましいです。 | ||||
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戯曲風の検視官と陪審員のやり取り、入り乱れる容疑者たちの証言からなる後世に凝ったミステリーの良作です。芥川龍之介の「藪の中」をエンターテイメントに仕上げた作品と思えば、イメージをつけやすいかもしれません。 普通に読んでもちりばめられたユーモアや、二転三転するどんでん返しを十分に楽しめるでしょう。この小説はこれに加えて、同じ事柄、人物を多視点で描写することで浮かび上がる差異を通じて、ちりばめられているさまざまな伏線や手がかりを見つけていく楽しみが味わえます。 読み落とした手がかりを捜すのも再読する楽しみでしょう。今から再読するときが楽しみな作品です。 | ||||
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