二〇〇一年四月、竹田佳子・聡子の美人姉妹が弥生原公彦宅を訪れた。

女性の身でオレンジ郡保安官事務所の殺人課を仕切る巡査部長マーシ・レイボーンには、試練の事件だ。

時は大正十四年、帝都東京に突如不死身の怪人が現れた。

二人を閉じ込めた車は深い森の中の開墾地にたどりつく。そこは米国からの独立を目論み重火器で武装した民兵組織の根城だった。

元米国軍人ジャック・リーチャーは、シカゴで片脚の不自由な女性ホリーに手を貸した。

男は現場にもどってきた。銃弾が削り取るのは命だけではない。

仏蘭西のポオと呼ばれ、ヴィリエ・ド・リラダン、モーパッサンの系譜に列なる作風で仏英の読書人を魅了した、短篇の名手モーリス・ルヴェル。

“異端の民俗学者”蓮丈那智。彼女の研究室に一通の調査依頼が届いた。

新庄行き山形新幹線のグリーン車に幾度も乗車する美女。かげり宿す美貌は、車掌の関心の的だった。

全面改稿！！ 第109回直木賞受賞作 警察小説の金字塔 21世紀、33歳の新生・合田雄一郎、登場 「俺は今日からマークスだ！ マークス！いい名前だろう！」―― 精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークス。

殺人犯を特定できない警察をあざ笑うかのように、次々と人を殺し続けるマークス。

戦国の梟雄・松永弾正は、主君三好家の美姫・右京太夫に邪恋を抱いた。

「親の敵……」夜の闇につつまれた猿子橋のたもとで、秋山大治郎は凄まじい一刀をあびせられた。

「名は秋山大治郎」とわざわざ名乗って辻斬りを繰り返す頭巾の侍。

その試合「負けてやれ」。

「まだ…まだ死ねぬぞ、まだ十人あまりもいる…」死病に冒されながら、世話になった村に巣くう無頼浪人どもの一掃を最後の仕事と心に決め、ひとり剣をにぎる中年の剣客・村松太九蔵。

“鷹群山の笹姫様は…滑って転んで裏庭の、竹の林で右目を突いて、橋のたもとに捨てられた”。

「密室」とは、不可能犯罪を可能にするための、想像力の冒険である―。

1979年、NY―。映画編集者デイヴィッドの作業スペースに紛れ込んでいた邪悪で完璧に美しい一本のフィルム。

新規オープンを間近に控えた映画館のオーナー、那須福太郎。彼の周囲に相次いで不吉なことが起きているという。

今から25年前、学園紛争の終わった西北大ではカリスマ演出家率いる小劇団「ペガサス」が人気を集めていた。

独自の痩身美肌法で人気の美容師・環千之介が縊死を遂げた。後を追うように、娘のユキヨが足摺岬の絶壁から投身。

太陽興産社員の古谷伸行は、一億円を横領して北海道に逃走した。

少年や少女を主人公にした痛快な冒険談2篇と「アリスが消えた」「送っていくよ、キャスリーン」「階下で待ってて」…粒よりの名作5篇に、本邦初訳2篇を収録する。

『家蝿とカナリア』『割れたひづめ』などの本格長篇で知られるヘレン・マクロイは、本格・サスペンス・異色短篇からSFまで、幅広いジャンルにまたがる短篇の名手でもあった。

半次に白羽の矢が立った 侍3人が拝領屋敷に居座った。 先例にならえば屋敷は収公、江戸中がてんやわんやの騒ぎになる。

お家乗っ取りを策謀する黒幕のもとから五人の刺客が江戸へ放たれた。藩政の非違を正す陰の組織を抹殺するためだ。

北アルプス・槍ヶ岳からのSOSを受けたアマチュア無線家から、長野県警豊科署に連絡が入った。

救急病院の患者を人質に立てこもる三人組。対する警視庁は500人体制で周囲を固めた。

大手都市銀行の次長職から地方銀行の庶務行員となった恋窪商太郎。

士族出身の上流家庭・花村家にやってきた若い女性運転手。

子を想う親の心はいつの世も変わらない。生きてゆくことのいたましさと悲しさを描いた冤罪小説の新地平。

愛媛県警の大鷹鬼平は、廃線跡を旅するため、友人とともに新潟・親不知へと向かう途中、海沿いの線路跡で殺人事件に遭遇した。

古都・京都。五山送り火の翌夜、ウィークリーマンションの一室で男が刺殺された。

本事件の真犯人は最初から二名に絞られている。

高校二年生の村木ルイは、暗い森をさまよう夢に繰り返し悩まされていた。その悪夢には結末がない。

現在、最重要のミステリ作家は?今もっとも危険なアメリカ作家は?答えはひとつ―ジェイムズ・エルロイ、“アメリカ文学界の狂犬”。

“クソは変わらず日付が変わる”をモットーに、メイン州の町デリーで育った、ジョーンジー、ヘンリー、ビーヴァー、ピートの4人組。

無数の不思議な光。一斉に森から逃げ出す動物たち。

17歳の障害騎手ベンが突然厩舎を解雇されたのは、父親ジョージの策略だった。

「ごめん。もう、会えない」。

東京・池袋、喉元を猛獣に食い千切られたような変死体が発見された。だが現場には大量に噴出したはずの血、血痕がない。

三十年前、松子二十四歳。教職を追われ、故郷から失踪した夏。

元裁判官で、現在は大学教授を務める梶間勲の隣家に、かつて無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。

三人の妊婦が妻として登場した家で始まった本妻捜し。女子高生の出産騒動。

名門女子校から一流大学、大手化粧品会社広報へ。誰もが羨むキャリアを誇る平川佳乃の運命は突然の人事異動で大きく狂い始める。

少女が鈴を鳴らす時、血なまぐさい殺人事件が起こる。第3回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。

同僚殺しの汚名をすすぐため、残された武器は、ただ一つ。熱い刑事魂だけ。

生まれも性格も違う三人の女性。同じ街に住み、同じ職場で働く三人を結ぶ謎の糸。

老人介護のボランティアをしている仁科理佳は、寝たきりの老婆・幸枝の様子を見てきて欲しいと頼まれる。

慶長十九年。この年、七十三歳の家康は悩んでいた。

パパは手配中の逃亡犯、ママは恋人と駆け落ち。

盲目の武士をやさしくいたわる托鉢僧――旅の途中で出会った、年老いた二人連れが何故か秋山大治郎の心に残った。

足軽という身分に比して強すぎる腕前を持ったがために、うとまれ、踏みにじられ、孤独においこまれた男。

海賊。―それは常に奪う側に立ち、奪われる側には決して立たぬ者。

藤沢文学を代表する超人気シリーズ! 江戸小伝馬町の牢獄に勤める青年医師・立花登。

心優しき青年医師の痛快捕物帳! 登の柔術仲間、新谷弥助が姿を消した。

娘の病を治したお礼にと、登に未解決事件の情報を教えてくれた男が牢の中で殺された。

子供をさらって手にかける老人の秘密。裁きを終えた事件の裏に匂い立つ女の性。

木剣で叩き割られた頭蓋。だが、そこに鋭利な刃物でスパッと斬られたような痕があった。

「あなたが、私の夫になる人です」警視庁の片山刑事は、駆け寄ってきた女子高生の言葉に絶句した。

浜名湖東岸の温泉街で、土産物屋のおかみ・いくが首つり死体で発見された。

野村映子の夫・昭夫は、車もろとも宇治川に突っ込み、謎の転落死を遂げた。

父の死の直後、弱小やくざ目高組組長になった泉。17歳の女子高生親分の誕生とともに、事務所には機関銃が撃ちこまれる。

爆弾は冗談事ではない。だが、余りにも信じられない出来事である。

東京駅を発ち、三浦半島の久里浜へ向かう横須賀線が大船に停車したとき、乗客の中から悲鳴があがった。

35歳になった男は義理の妹の媚態が頭から離れない。

幕末から明治の初めにかけて一世を風靡した歌舞伎役者がいた。三代目・沢村田之助。

事故死した夫のポケベルに、メッセージを送り続ける妻。何のために?誰のために…。

徳川幕府の最新鋭にして最強の軍艦=開陽丸。艦長の沢太郎左衛門は、嵐を突いて北へ向かった。

お家転覆の証拠書類を握って恐るべき剣鬼が国許から姿を消した。藩取り潰しを目論み、公儀隠密も暗躍する。

財産目当ての人間たち―その中に本物の愛情が混じっていたら…。

娘の未来のために封印した過去の扉を開く。松本清張賞受賞作家が放つ意欲作。

琉球王家から伝わった彦根の名物行事「ブクブク茶会」のニュース番組を担当した琵琶湖テレビの湯本聡子は、沖縄から茶会に参加した美女・式香桜里から不思議な予言を受ける。

小函を抱えて今泉探偵事務所を訪れた奥田真波は「火夜が帰ってこないんです」と訴える。

『そろそろ時間切れです。

軽井沢の不開屋敷と呼ばれる別荘に東京からやって来た美女が地元の青年を誘い、駆け落ち同然に上京するが、その後二人は姿を消してしまう。

ハリウッドの丘陵地帯の奥深くで、人骨らしき遺物が発見される。

もと新聞記者クィラランのいま一番の関心は、昨年爆破され、ようやく新装オープンしたホテルと、そのスイートルームに宿泊する謎の宝石商のこと。

アメリカで超常現象研究チーム『セクションO』が忽然と姿を消し、日本では著名なUFOライターが殺された。

厳格な私立学校に進学したトムは、マジックに熱中する同級生デルと友達になった。

学年の終わりの夏休み、トムとデルは、デルの伯父に会うため田舎町へ列車の旅に出た。

「ぼくは一体、誰なんだ?」炎に包まれた夜、ぼくは記憶をなくした。失われた自分を取り戻すため、彼女と「心の旅」に出た…。

エイルフォードの小村で牧師の夫と幼い息子と三人で暮らすフェイス。

二十六年ぶりに母校で再会した同級生たち。校庭に埋めたタイムカプセルとともに、それぞれの胸の思いも封印を解かれる―。

連邦政府が戦闘マシンとして開発した遺伝子操作人間・マックス。

ある年、とつぜん地球にモロー彗星が接近し、そしてやがて地球に衝突するだろうということが分り、二十億年という永い歴史をもつ地球が、ここにかなしき崩壊をとげなければならぬことになりまして、世界は大さわぎを始めた。

探偵小説芸術論を提唱した木々高太郎の代表的長編。直木賞(第4回)受賞作。

私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ―。

ある日、目細の安吉一家に客分として現れた、時代がかった老侠客。

来島海峡大橋から飛び降りた母の死に疑問を持った少女。

前代未聞の誘拐小説！　事件は犯人の側からのみ描かれる。

秋山小兵衛の若き日の愛弟子が斬り殺された事件と、江戸市中の三か所で女が殺され、陰所と左の乳房が抉られていた事件。

二人そろって朴念仁(ぼくねんじん)ゆえ、らちがあかぬ……。

怪奇と推理と空想科学の三位一体を企図した「日本SFの父」海野十三の少年物の“まぼろし”の三大長篇を全て収録した、傑作集。

天保十一年、晩春の江戸で若い巫女が襲われた。

ロンドンの富豪マギル卿は、息子の経営するベルファストの紡績工場へ行くと称して邸を出たまま消息をたってしまった。