「八人がわたしの手にかかって死ぬだろう。」こう告白する殺人者。

ユーレイが小説を書いた。もう若いとはいえない男女三人組が、大出版社に持ち込んだ謎の原稿。

あたしの名前はフライデイ。職業は戦闘伝書使―秘密文書を正確かつ迅速に運ぶのが任務。

ひょんなことから出生の秘密を洩らしたばかりに、あたしは懐かしいわが家から追い出されてしまった。

時は紀元前70年。ローマ警備隊を率いる若き貴族デキウスは、元剣闘士が殺された事件を捜査中、新たな任務を命ぜられた。

母なる星への永劫回帰の時はきたる。彷徨する乗組員を虚空蔵菩薩はどこへ導くのか。

地球から銀河の彼方へ、栄光への大脱出がはじまった。虚空蔵菩薩の謎を秘めて、乗組員はどこへ導かれて行くのか…。

第5回鮎川哲也賞受賞作 平穏な生活を送っていた女子大生に送り付けられた写真。

杉原爽香、二十一歳の冬。中学時代の恩師・河村布子の家を訪ねた爽香は、河村家に居候中の女の子・由季と劇的に出会った。

28歳、キャリアウーマン・坂巻里加。美人で仕事もできるが、“男嫌い”で通っている。

佐田教授を団長とする後鳥羽上皇の遺跡発掘調査団の様子をルポするため、浅見光彦は一員として隠岐・中ノ島を訪れた。

国文学を専攻する女子大学院生・佐治貴恵と担当教授の白倉が隠岐・中ノ島を訪れた。

東京下町の“義理と人情”に翻弄される浅見光彦の推理は。上野駅再開発計画をめぐる連続殺人。

天保十三年春。

北多摩署刑事・相馬の車で死体が発見された。新宿歌舞伎町で駐車中に運び込まれていたのだ。

見上げれば銀河、眼下には奈落。株のサーカスゲームを危うく生きる流星たち。

本格派巨匠高木彬光長編最新作。なにもない空から瀕死の女性が降って来た。

「クローズの晩に泊まると誰かが行方不明になる」という奇怪な噂が伝わるホテル精進湖。

若き原子力科学者雨村は世界的な発見を公表する矢先、飛行機事故に遭遇し、その遺体は杳として発見されなかった。

画期的濃縮ウランの製造法を知る科学者を乗せた飛行機が墜落。国家権力と軍事産業の癒着に一石を投じた、推理作家協会賞受賞作。

ミステリは、また一つ進化の階段を登った…。正常は異常。

夏の夜を乱舞する哀愁と情趣に満ちた郡上躍り。

キャサリン、浜口の名コンビが、アリバイトリックをはじめ数々の難事件に挑戦する傑作集第六弾。

スズキさんは40歳で、広告会社の副社長。妻と一人息子と暮らす、いまでは立派な中年だ。

ある町で、ある外科医が妻を殺し、バラバラにしたその体の一部を四人の子供の体内に埋めこんだ。

クリスチャンの父とチョクトー・インディアンの血を引く母とともにアメリカ南部に暮らす少年ビリー。

青年になったビリーは故郷をはなれ、サーカスのゴースト・ショーで働き、その後シカゴの超心理学研究所に向かう。

〈夢宮殿〉、それは帝国中の臣民が見た夢を集め、選別し、解釈する調査機関だった。

ワシントンの名門小学校に通う映画女優の娘マギーと財務長官の息子マイクル。

捜査を命じられたワシントン市警のアレックス・クロスは心理学の博士号を持つスター刑事だ。

この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。

常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。

鍋島藩に崩壊の兆しあり。藩主勝茂が孫の光茂を嫡子としたためだ。

慶国に、玉座に就きながらも、王たる己に逡巡し、忸怩たる思いに苦悩する陽子がいた。

濃い霧の夜、後輩に売春させていた女子高生がナイフで切り裂かれて殺されるという事件が起こった。

由利江は驚いた。気がついたら自分の心臓が止まっている。

惨殺、そして凌辱―。何ものかに憑き動かされるように次々と猟奇殺人を重ねていった男の名前は蒲生稔。

『11枚のとらんぷ』を筆頭に、『乱れからくり』等数々の名作でわが国推理文壇に不動の地位を築いた泡坂妻夫が、この一作をもってデビューを飾った記念すべき作品―それが本書冒頭に収めた「DL2号機事件」である。

「求む、バカな人」―この珍妙な求人広告に魅かれて涼子はある日、一宮探偵事務所の門を叩いた。

「小さかった頃にはまだ町ん中に原っぱがあって…」先輩の原口さんが、呑み屋で知り合った男と思い出話に意気投合しているのを、ぼくはぼんやりと聞いていた。

世界的巨大テロ組織「世界革命党」から警視庁に脅迫状がとどいた。

出世の道を絶たれ、漫然と日々を送る英国領事官員のルウェリンに殺人事件の調査が命じられた。

4ケ月前に夏の高原の無人駅で知り合った能戸耕平と立花来夢は、北アルプス山嶺に再建されたスコットランドの古城を訪れた。

“十二年前に九歳で失踪した金井和恵になりすまし、母親の智子が今は再婚している三浦家を訪ねよ”―これが役者の卵・戸張美里が、友人の代役で受けたオーディションでもらった最初の仕事だった。

火と善行の神・プロメテウス。

“人妻”がミス・コンテストに。これって、やっぱり「ミス」。

陰謀うずまくミス・コンテスト。“人妻”の真由美、真相へ肉薄。

旅行雑誌編集部に勤務する若手女性記者、中村典子のもとに、一通の「不幸の手紙」が届いた。

向う岸に歩み去ろうとするあの人。一瞬ふり返って交す視線と視線。

資産家老女の一億円預金を横領した男女銀行員。

西麻布のマンションで女が殺されているとの通報が所轄の麻布署に入った。被害者は銀座のバー「やしろ」の経営者である。

北アルプス・槍ケ岳の観光開発をめぐり、鎬を削る若手エリート―国井、村越、弓場。

赤松と名のる怪しい男に誘われて、現金強奪に加わった北沢勝平。

大坂城落城前夜、救出された千姫とその侍女たち。智将真田幸村はその中に秀頼の胤を身篭る五人の女忍者を潜ませていた。

女陰をのぞいておのれの一瞬先の運命を知る「忍法破倭兵状」。斬った首を他人の胴につないで生きかえらせる「忍法小塚ッ原」。

…ぼくは消える。決して探さないでくれ。

一日じゅうヴィデオの貸出しなんてうんざり―レンタル・ヴィデオ店で働くルーンは、おとぎ話と冒険が大好きな二十歳。

探検家リメジーことルパンは、パリの街角で緑の目の女性に心惹かれる。

そいつは中古CDについてきた。そして、そいつは何と我らがマドンナを殺してしまったのだ…。

極道温泉へようこそ。実力派が笑いと哀愁で紡ぐ愛と涙の傑作・極道ファンタジー巨篇。

スウェインズヘッド丘陵の懐深い懸谷で、ある日、腐敗し相好の区別もつかなくなった死体が発見された。

「新宿鮫」―新宿署刑事・鮫島を犯罪者たちは恐れをこめてこう呼ぶ。覚せい剤、人間を蝕む戦慄の薬。

18歳の売れないタレント、石川ひかりの今後の仕事はTV番組のレポーター。

野田達夫、35歳。17年働き続けてきた平凡な人生に、何が起ったのか。

次々と興信所を訪れては、およそ事件とは思われない奇妙な依頼をしていく謎の女・平林貴子。

映画界の鬼才・大柳登志蔵が映画の撮影中に謎の失踪をとげた。すでにラッシュも完成し、予告篇も流れている。

円城寺実矢と麻堵―それが妖精のように美しい兄弟の名だった。

発病して十年、ベッドの上で半身になって書き上げた―。心臓の鼓動が聞こえるハードボイルド少年の「夢」が覗ける大人の童話。

失踪したAV女優・一色リナの捜索依頼を私立探偵・村野ミロに持ち込んだのは、フェミニズム系の出版社を経営する渡辺房江。

二十二世紀。木星太陽化計画の調査主任本田英二は宇宙考古学者バーナード博士の突然の訪問を受けた。

木星太陽化計画の停滞に疲弊する調査主任・本田英二。

奇妙に妖しい女だ。

スターを夢見る二人の男、修吉と一矢。それを見守る一人の女、倫子。

「胃と腸が、体の中で切断されている」―高松病院院長・高松良一が腹部に激痛を訴え急死。

チベットの少年僧ミグマは、くりかえし不思議な夢を見た。雪山の頂で死を待つ夢だ。

エリツィンに代わりタカ派の大統領が就任したロシアは、ドニェストル地域の独立をめぐってモルドヴァとの対立が深まり、それに関連してウクライナとも緊張状態が続いていた。

湾岸戦争でいわくつきの極秘任務に携わったメイス中佐が、米軍初の女性戦闘機パイロットであるファーネス少佐のいる予備役部隊に赴任してきた。

十八世紀の昔、村人を殺して目をえぐり出し、魔術的儀式を行なったとして火あぶりになった女性エヴァンジェリン―新作の題材を探していた歴史作家のわたしは、彼女のたどった数奇な運命に興味を惹かれた。

傭兵艦隊提督マイルズが回想する冒険の数々。機知と勇気だけを頼りに戦いを挑むマイルズの本領が発揮される。

“黄金奉行”とは、金山の不正を正すために徳川家康が設けた極秘の職である。

浅見光彦と名乗る男の、妙に手慣れた110番通報で始まった新宿歌舞伎町の殺人事件。

都内のホデルで謎の男に死の直前、赤ん坊の入った篭を渡された私立探偵・冴木涼介と隆の親子は、男と赤ん坊の身許を探る。

犠牲者の耳は切り取られ、別の男から切断された小指が差し込まれていた。

もう戻れないの。愛しあう女と男の小さなすれ違いが、蜜月の時間を思い出にさせる。

失恋の痛手を癒すために、ヨーロッパ・ツアーに参加した穂積裕希子。

下北半島の付け根にある町で、新婚間もない若妻が刺殺された。

殿中での吉良への刃傷沙汰により浅野家は断絶、赤穂浪士は仇討の機を窺う。

信玄は言い遺した。我の死後三年は喪を秘せ、と。

坂本龍馬の命日十一月十五日、その墓前で切腹事件が起きた。

祇園まつりの夜、三条通りの宝石店に二人組の強盗が押し入り、店長を殺害したうえ、多額の宝石を奪って逃走。

不動産会社社長が別荘の浴槽で溺死。第一発見者は、その愛人。

嵐の夜、悪魔は18歳の美少女スター松永栞に襲いかかった。毒殺、絞殺、撲殺、刺殺、溺殺。

ストレスによる過食症から、愛らしいアイドルのイメージを崩し、心の支えだったカメラマンからもひどい裏切りを受け、ボロボロに傷つき華やかな表舞台から去っていった久世礼子。

ウィーンの英国大使館に勤務する情報部員ピムが、忽然と姿を消した。父リックの死を告げる電話を受けた直後の出来事だった。

ピムは希代の詐欺師だった父のもとで、幼いころから二重生活を送り、しだいにスパイの適性を身につけていった。