海賊丸漂着異聞
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文久三年(1863年)、伊豆七島の御蔵島にアメリカの商船バイキング号が漂着する。島民たちはやむなく船の乗員20名と、アメリカの鉱山で働くために渡海中だった清国人400名の上陸を許可したところ、失踪事件や怪死が相次いで起こる。船の漂着と時を同じくして島内で起こった事件の始末もつかぬまま、その処遇に頭を悩ます若き島役人 市左衛門の前に現れたのは、若いころ海を漂流中にアメリカの捕鯨船に助けられ、そのままアメリカで数年暮らしたことがあるというジョン・マンこと中浜万次郎。その経験と語学力を頼みに、市左衛門と二人、事件の謎を追い始める。 実際にあった、アメリカ商船漂着事件を題材にした時代ミステリです。 トリックやプロットは、似たようなものを他の作品で読んだことがあるようなものでしたが、まあ合格点。無難にまとまっているといった印象。ただ、探偵役を万次郎と市左衛門の二人が務めているのですが、両者とも魅力ある人物に描かれていて好感は持てるものの、ミステリとしては、探偵役をどちらか一人にして事件の謎を解かせたほうが、インパクトが強かったのでは。 時代小説として読むと、幕末期、罪人を流した伊豆七島のひとつの島の様子や島民の暮らしぶり、外国船の漂着という一大事件に対する幕府の煮え切らない対応ぶりなど、とてもおもしろく読めました。 ミステリ好き、時代小説好き、どちらにもおすすめできる一冊です。 | ||||
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1996年に出た単行本の文庫化。 第7回鮎川哲也賞の受賞作。著者はシナリオライターとして文筆業に携わっていた人物のようで、文章もしっかりしているし、構成もうまい。 1863年にアメリカの商船バイキング号が、伊豆七島のひとつである御蔵島に漂着した事件を題材とした歴史ミステリ。事件の詳細はもちろん、島の文化や地形なども良く調べられており、足腰のしっかりした時代物に仕上がっている。主人公の成長物語としても面白い。 ただ、ミステリとしては物足りない。トリック、探偵ともにいまいちだし、解決のカタルシスにも欠ける。このひとは時代小説に転向した方が良いのではないかと思った。ちょっと検索してみると、本作以降は『榎本武揚―幕末・明治、二度輝いた男』PHP研究所,1997年や『真説 仕立屋銀次』光文社,2001年、を手がけているようだ。賢明な選択だろう。 | ||||
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