失われた世界

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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ

1996年08月01日 失われた世界 (ハヤカワ文庫SF)

新聞記者のぼく、マローンは取材で風変わりな動物学者のチャレンジャー教授と知りあった。この御仁、人跡未踏の南米秘境に今なお有史前の動物が棲息する台地があるなどと、とんでもないことをいう。だが思わぬいきさつから教授と共に南米に赴くことになったぼくは、いつしかジュラ紀そのままの驚異の世界に入りこんでいた…圧倒的な迫力で万人を魅了する“恐竜スペクタクル”の原点となった、SF冒険小説の古典的名作。(「BOOK」データベースより)

評判

失われた世界の評価:

7.00/10点 レビュー 1件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.00pt

失われた世界の総合評価:

9.35/10点 レビュー 26件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全1件 1〜1 1/1ページ
No.1
(7pt)

描いたのは未知の恐竜ワールドではなく…

シャーロック・ホームズに次ぐドイルのシリーズキャラ、ジョージ・チャレンジャー教授第1作目の本書は今なお読み継がれる冒険小説だ。

未開の地アマゾンの奥地に隆々と聳え立つ台地の上に独自に発展した生態系があり、そこには絶滅したとされた恐竜が生息していた。

この現代に蘇る恐竜というモチーフは現代でもなお様々な手法で描かれているが、今なお映画化されているクライトンの『ジュラシック・パーク』の原典が本書であると云えよう。

しかし本書ではイグアノドンやステゴサウルス、もはやおなじみといえるティラノサウルスなどの恐竜のみならずブドウ大ほどもある吸血ダニに、翼を広げると優に6mはあろうかと思える翼竜たち、魚竜のイクチオサウルスに巨大テンジクネズミのトクソドン、そして進化の過程に存在したと思われる猿人たちなど非常にヴァラエティに富んだ生物が数々登場して読者を飽きさせない。

しかし最も特筆すべきは冒険の舞台であるメイプル・ホワイト台地の精密な描写である。あたかもジュラ紀に舞い込んだジャングルの風景を詳細に描写する様はまさに目の前に映像が浮かび上がってくるようで、しかもそれらの映像は先に述べた映画『ジュラシック・パーク』シリーズの映像で補完されるがごとくである。
ジャングルの蒸し暑さと未知の世界を行く登場人物の緊張感の迫真性はとても1912年に発表された小説とは思えないくらい、リアリティを持っている。ドイルの想像力の凄さを改めて思い知らされた。

そして何より忘れてはいけないのは主人公チャレンジャー教授の特徴豊かなキャラクター性だろう。がっしりとした幅広い樽のような図体の上には語り手の新聞記者マローンが見たことのないほど巨大な頭が乗っており、ゲジゲジ眉毛を備えた雄牛そっくりの面構えは高慢な雰囲気を醸し出しており、とてもお近づきになりたい人物ではない。それを裏付けるように喧嘩っ早く、同業者や無知蒙昧な素人に対して口論ならびに毒舌を吐き、しまいには怪力で暴力を振るうという、とても主人公とは思えないほど性格の悪い人物だ。

しかし物語が進むにつれてこの傲岸不遜なチャレンジャー教授に好感を覚えてくるのが不思議だ。彼がたとえ英学会で干され、無視されようとも自分が正しいことを曲げずに主張するという一貫性に満ちているからだ。彼はどれだけ反論されようが決して諦めない、不屈のジョンブル魂を持った孤高の人物であるのが次第に解ってくる。

今やその原題“The Lost World”が全ての失われた秘境冒険物語の代名詞ともなっているまさに原型とも云える本書は現代の冒険スペクタクル小説に比べれば多少の見劣りはするが、上に述べたようにドイルの想像力が横溢して読者を退屈させない。

さて上にも述べたように本書は秘境冒険小説の原型とも云える記念碑的作品であるが、実は本書でドイルが最も語りたかったのは男の成長譚ではないだろうか?

特に語り手である弱冠23歳の新聞記者エドワード・マローンが野心だけが大きな実のない男から苦難の冒険を経て他者に認められる男として帰ってくるための物語、そんな気にしてならない。

そしてまた学会で異端児として扱われているチャレンジャー教授が自説を証明するための苦難の道のりを描いた物語でもある。
つまり権威として認められるには男は冒険をすべきだというのが本書の真のテーマではないだろうか?

それが特に最終章に現れている。
南米で原始の時代から生息する生物のみならず独自の進化を遂げた生物の発表をするために舞台に立ったチャレンジャー教授、ジョン・ロクストン卿、サマリー教授、そしてエドワード・マローンのなんと晴れやかなことよ!困難に立ち向かい打ち勝った男の晴れ晴れとした姿こそドイルが書きたかったものではないだろうか。

あくの強い面々によってなされた冒険譚。失われた世界に生きる生物の神秘よりもこれら愛すべき男たちの成長にエッセンスが込められていることに気づいたのが本書を読んで得た大きな収穫だった。


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Amazonレビュー

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未読の方はご注意ください

No.25
(5pt)

小学生高学年向け版です。

なかなか自分から本を読まなかった息子が6年生の時に初めて夢中になった本です。

それまで読み聞かせや、自分で読んでも「怪傑ゾロリ」シリーズばかりでしたが、これは朝起きたら読み、学校から帰ってきたら遊ぶのも忘れて読み・・・。

中学生になった今もまた読みたいと本棚から出してきましたが、今度は同じ「失われた世界」でも違う訳本を読むよう勧めています。

冒険好きの小学生にはこのシリーズはなかなかよいと思われます。
失われた世界 痛快世界の冒険文学 (13) Amazon書評・レビュー: 失われた世界 痛快世界の冒険文学 (13)より
4062680130
No.24
(5pt)

綺麗な状態でした。

無事に届きました、有り難うございます!
失われた世界 (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 失われた世界 (創元SF文庫)より
4488608027
No.23
(4pt)

チャレンジャー・シリーズ第一弾

本作はシャーロック・ホームズものと並ぶ著者の代表シリーズと呼ばれるチャレンジャー教授ものの第一作。発表が1912年とドイルの作品としては遅い方で、そのせいか小説の書き方がずいぶんうまくなっている気がします。長編だですが、ホームズもののの長編と比べると読者を飽きさせない為の工夫がふんだんに織り込まれています。南米の秘境にある台地に恐竜や猿人などの太古の生物が生き残っており、チャレンジャー教授ら一行がイギリスからそこを探検に行くというストーリーです。
書き手は助手役のエドワード・マローン。ホームズもののワトソンと同様、ドイルは助手役による記録という設定が好きなようです。ワトソンがホームズを褒めちぎるのに対して、マローンはチャレンジャーと出会ったばかりで、最初は反感を感じていたのが徐々に信頼感が芽生えるという書き方になっており、その辺を読み進めていくのも楽しいです。旅に同行するサマリー教授とロクストン卿の人物像も魅力的です。
さすがに現在では南米に恐竜がいるという設定は通用しませんが、その辺の問題を解決した半リメイク作が『ジュラシック・パーク』ということなのかも知れません。
失われた世界 (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 失われた世界 (創元SF文庫)より
4488608027
No.22
(5pt)

純文学作家さん。この本を見習いましょう。

初めて読んだのはもう30年近く前の小学生時代だったが、その時感じた未知の大陸への探検、古代の生物を発見するスリリングな面白さは今再読してもまったく変わらない。未開の地へ未知なるものを探す全体のアイディアと各々のキャラクターが魅力的に造型されて、その過程を進んでゆくストーリーテリングが抜群の面白さだ。〜こういう作品に子供の頃に出会う事はけっこう重要な事だと思う。小説を読むか否かで人間の格が決まるわけではないが、活字で綴られたものの面白さはこういった小説に、小難しい理屈抜きで出会うか否かでかなり左右されると思う。〜昨今(相当前からか?)活字離れの傾向も多々見られ、その上最近の純文学は私小説に先祖返りしたかのように、日常を舞台として個人の自意識だけが描かれる傾向が多いが、-冷静になってみれば当たり前だが-そんなもの、ほとんどの人間が興味など持たないし、売れない事は言うまでもない。〜多くの純文学作家は本書のようなワクワク・ドキドキするような「小説の面白さの原点」を今一度見直すべきではないか。想像力を広げ、メタファーやモチーフをスリリングに設計し、面白い小説にする事は不可能ではないはずだ。そんな影響力を与える位「失われた世界」はめっぽう面白いのだ。
失われた世界 (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 失われた世界 (創元SF文庫)より
4488608027
No.21
(5pt)

おもしろい名作!

シャーロックホームズを書いたコナンドイル作ということで
読んでみたがホームズとはまったく違った冒険物語は
実におもしろかったです!

現実世界から一歩踏み込んだところに、
思わぬ非日常世界があるという物語設定がおもしろく、
「もしかしたら本当にいるのかも?」みたいな、
想像力をかきたたせてくれるからうれしい。
失われた世界 (創元SF文庫) Amazon書評・レビュー: 失われた世界 (創元SF文庫)より
4488608027

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