十六歳の女子高生片桐瑞穂が文通マニアの専門誌「月刊ペンパル」に気まぐれに出した伝言に応じてきたのは四人の男女。

仲秋八月一日は、吉原でも「八朔」と称して大紋日であった。またその日は、白無垢を着た花魁道中が行われるのが仕来りだ。

奇妙な城がたたずむ孤島に招かれた10人の男女。

人が月に住む近未来の日本に、独立を宣言し、鎖国状態の「江戸国」が出現した。

平家の落人伝説の五箇山、白川郷、高山、郡上八幡をまわる団体ツアー「合掌の里めぐり」に参加したキャサリンと浜口。

「わたしは欠陥品なのかもしれない。

語学留学から帰国した男子学生は死んでしまったペットのリスの死骸を持ち帰り、自宅の庭に埋めてやったが、その日から高熱を出した。

エラリー・クイーンのライヴァルが贈るデッドライン&スラップスティックの傑作登場! あと九日間で死刑となる男は冤罪かもしれない――。

スキー場に向かう中学生たちを乗せたバスが新潟県の山中で転落事故を起こした。

まるで神の魔法のような2つの「密室」事件。 アルコールが一滴もないはずの閉鎖病棟で泥酔を繰り返す、かつての人気作家。

鎌倉河岸で大工の留吉が殺された。

人間は空を飛べるはずだ、と日頃主張していた幻想画家が、四階にあるアトリエから奇声と共に姿を消した。

播磨林田藩士の新見文蔵は槍の遣い手で、料理上手が評判の若侍。

かつて花魁を務め、今は切見世に落ちた女郎の白川が斬殺された。

恐竜と蟻が、現代人類社会と変わらぬ高度な文明を築き、地球を支配していたもう一つの白亜紀。

その年、そしてその7年後、二つの殺人事件が起きた―。第一の事件の犠牲者は尾瀬路迂。

亡きあとも綴られる、書かれるはずのない母の日記。 向き合えなかった家族の物語が巻き戻っていくーー。

恋愛や結婚、進路やキャリア、挫折や別れ、病気や大切な人の喪失…。

「旅と歴史」の依頼で長野県中野市に向かったフリーカメラマンの小内美由紀は、自分と同じ姓に魅かれて、小内八幡神社を訪れる。

ピアニストの道を挫折した高校生の岬は、司法試験をトップの成績で合格して司法修生となった。

イギリスの田舎町の開業医ビグリー博士は妻のジュリアを殺そうと決意し、周到な計画のもとに犯行へと移った。

不注意から足を骨折してしまったジェーンは、松葉杖片手にガーデニング講習会の講師襲撃事件を親友シェリイと調べつつ、講習会にも参加することに。

水城澄音と韻子姉妹は、母に厳しいレッスンを強いられつつも、ピアノとヴァイオリンの天才少女と呼ばれていた。

賢い子どもに生まれたって、強く生きられるわけじゃない。 賢い子どもを産んだって、簡単には育てられない。

初井希美は婚約者の千住光一を待っていた。母と父代わりの伯父に会わせるためだ。

その物語はせつなく、時に可笑いくて、またある時はおぞましい―。

主役は井伏鱒二。 さよならだけが人生だ。

貴族の血を受け継いでいながら、ひとりスコットランドの山中で孤独な暮らしを続ける青年画家、アリグザンダー・キンロック。

ニュースを見ていた笹村慎介は息が止まるほどの衝撃を受けた。

きみの殺人を肯定する。圧倒的衝撃『ミルグラム』 小説シリーズ第2弾!! これは監獄への宣戦布告。

田舎町に住む高校生・聖司と駿介は春休みの学校で一人の少女と出会う。

ユーモアと恐怖が交錯するミステリー傑作集。親友の夏美が引越したばかりのアパートで殺されてしまった。

母さんはなぜ、僕を捨てたの? 答えはきっと、盤の上にある。母子家庭で育ち、幼いときに母に捨てられた少年・慶吾。

道州制による分権のもと、監視カメラのネットワークによって国民に絶えず順位を付ける制度(RANK)が施行される近未来の日本・関東州。

異端キリスト教、ドストエフスキー、ティラノサウルス、競馬、人工呼吸。

「連続殺人犯はぼくなんだ」 心を病んだ青年から精神科医への告白――それは真実か妄想か。

裏社会専門の始末屋・多門剛は私鉄の踏切で女子学生の名取琴美を救い出す。

小説界初！　パワースポットミステリー！　各地に点在するパワースポット。

東京の女たちが、私に憑依する―― 青山霊園で白い彼岸花を見た奇譚蒐集家の私は、その暗示的な花言葉を引きずるようにして谷中に向かう。

過酷な過去をもつマプチェ族―その血を受け継ぐジャナは美大に入り、一族の悲劇を刻み込むように鬼気迫る姿で彫刻をする。

村に染まれず、江戸に欠け落ちた男たち。当時の江戸は一季奉公の彼らに支えられていた。

帰宅したマイホームに男女五人の全裸死体が。怖くて元気のでるミステリー選集。

梓川のほとりで、旅行作家茶屋次郎は怒りに震えていた。

幽霊が視えるようになったぼくは地縛霊の館川小梅さんと出会う。

ジョージ・ゲイツはかつては失踪事件が起きた場所を訪ね歩く旅行作家だった。

京都の旧家に嫁いだ榊原美津子は子供に恵まれない。

甲州街道で何者かに狙撃された重兵衛。実家の興津家では、重兵衛の葬儀が行われる。

男と女の間に流れる深い川。そこに広がる暗さは当事者にしかわからないという―。

物語はいつまでも終わらない―直木賞作家が綴る、切なくて心温まる連作短篇集。

広大な沼地と河口に面し、わずかに水上に出た土手道で村とつながるだけ。その館は冷たく光りながら堂々とそそり立っていた。

“G興産”で新しい高齢者用ケア付きマンションの準備計画に加わり、爽香は多忙な毎日。

世間様では、あたし“なんでも屋の大蔵”と呼ばれておりまして、ご用命さえあれば引っ越しのお手伝いから、留守中のペットの世話、雨漏りの修理までなんでも格安で承ります。

鎬を削るライバル企業の越後実業と甲州商事。

高校2年生の〝文学少女〟陸秋槎は自作の推理小説をきっかけに、孤高の天才〝数学少女〟韓采蘆と出逢う。

函館在住の推理作家を訪ねようとしていた編集者弘田の服毒死体が青森で発見された。

ウィーンから新しいミステリーの風!ドイツ・ミステリー大賞最優秀賞受賞作品。

大分県杵築市では幻想的な光に包まれる「観月祭」の開催を前に、街は活気に満ちていた。

ヤクザ、ホステス、不動産業者、町の出納室長。欲望と思惑は複雑に絡み合い、互いを取り返しのつかない地点へと追い詰める。

ささやかでありふれた日々の中で、たとえどんなに愛し合っていても、人は知らずにすれ違い、お互いを追いつめ、傷つけてしまうものなのか…。

「いっさい料金はいただきません」パリの真中に開業した奇妙なバーネット探偵社の主こそ、実はルパンにほかならない。

N大ワンダーフォーゲル部、秋のキャンプ。奥多摩の山中に白い雨が降った。

鯨井留可は完全犯罪を目指さない男。そんな彼がアリバイ工作のために声をかけたのは、白髪の美女。

アメリカ空軍USAF―『アナハイム』(四万五千トン)は、原子炉を搭載した米軍極秘の巨大飛行空母だ。

見届けよ、ミロの最後の闘いを。桐野夏生の傑作ノワール・エンタメ最終幕！　私の愛した男たちは皆行ってしまった。

アイドル好きの童貞オタク大学生・乙島侑平は、研究者の従兄から新製品のモニターを頼まれた。

京での修業先が決まった幹次郎と麻。その新生活は不穏な空気に包まれていた。

あの女を殺すっていうのはどうかしら―バーで知り合った美女ジェシカに「今夜はどうしようか?」とたずねたら、いきなりこんな答えが返ってきた。

伝説のコメディSF「銀河ヒッチハイク・ガイド」の故アダムスが遺した、もうひとつの傑作! 前代未聞のコミック・ミステリー。

スーパーマリオ、ぷよぷよ、スト2、ゼビウス、そしてドラクエ、ビデオゲーム史に燦然と輝く巨大タイトルを、さんざん遊び倒したプレーヤーの視点から描く、まっとうなゲーム小説って、ほんとうは、こういうことだ。

1985年8月12日、長野県でスイミング・キャンプの最中、西の空を見上げてたたずむ少女の無邪気な言葉、その意味に気づいたコーチが深く戦慄する「西の空」。

『爆弾』『スワン』の気鋭が放つ、超弩級のミステリ短編集 「ぴったりくる隙間」を追い求める広美は、ひとりの男に目を奪われた。

寂れた商店街の片隅に佇む、「おもいでの時修理します」という不思議なプレートを飾った飯田時計店。

人攫いと噂される謎の男が世上を騒がせていた折も折、居酒屋「尾張屋」は、篠山藩士とおぼしき侍たちが毎夜詰めかけ、不穏な空気に包まれていた。

忍者の末裔にして、片時も眠らない〈梟〉の一族。里を失った〈梟〉の元に、超アウトロー競技への出場依頼が。

アイダホの核施設セキュリティ技師エアリアル・ベーンは、従兄サムの事故死により謎の古文書を相続したが、身辺に不可解な出来事が相次ぎ、周囲に対して不信をつのらせていく。

公家武者・松平信平を主人公とする人気シリーズ、躍進の第11弾!

教え子の殺害は本当に熊によるものなのか?生物情報学者のクレイは偽装を見破り、背後にいる恐るべき殺人鬼の存在に迫るが……。

一九三三年。次なる旗艦の建造計画をめぐり、海軍上層部は対立していた。

品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。

累計40万部突破の大人気〈ハラマキ〉シリーズ、最新刊！ 警視庁捜査一課の原麻希が、極右組織のボス、椿聖一郎の捜査を続けるなか、脅迫を受けた左派の論客のフォロワー4人が殺害される事件が発生。

今川義元の嫡男 今川彦五郎氏真はなぜ名家を没落させたのか 蹴鞠と歌を何より好んだ戦国武将が天下人に見せた正しき矜持とは? 直木賞作家 今村翔吾の凄みあふれる驚愕の歴史短編集 桶狭間での父義元の急死を受け、 彦五郎氏真は駿河今川氏の当主となった。

江の島海岸の岩場で二人の若い女性がハンカチで手を結んで倒れていた。睡眠薬による心中らしい。

きみを、あなたを、 ずっと探していた。

黒人少年ばかりを狙う連続誘拐事件がヒューストンで発生、被害者はみな惨殺死体で発見されていた。

累計15万部突破の人気シリーズ、最新刊! 相手のしぐさから嘘を見破る美人取調官・楯岡絵麻が後輩の西野とともに、新たな敵に挑みます。

兄、波之進の四十九日が来た。どんなに賑やかな法要でも、魚之進の心には虚しさばかりが募った。

第二次大戦中のドイツで携帯電話とインターネットが発展し、高度な監視システムが構築されたら? 20世紀初頭にほぼ現代同様のコンピュータが開発されたこの改変歴史世界のドイツで、国家保安局NSAはすべてのデータを監視し、保存していた。

ホテル戦争が生んだ冷血。人柱に決まった花嫁の危機。

作家・宮内悠介が誕生する前。 誰に向けてでもなく、一人虚空に吼えるように書き連ねた大量の日記、詩、散文の数々。

遊女屋の愛娘ゆうと旅役者の福之助が結ばれて十年の歳月が流れ、関西を巡業して廻る一座に様々な苦難がふりかかる。

男性が死の間際に「御羊」に変身する一族に仕える「わたくし」はその肉を捌き血族に食べさせることを生業とするアンドロイド。

「そもそものはじまりは間違い電話だった」。

「きみをぼくのものにするよ、ヴィクトリア。

誰にだって負けたくない人がいる! ともに働きたい人がいる! 夢と希望。情熱とプライド。