ノヴァーリスの引用/滝



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初公開日(参考)1993年03月
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長編小説

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ノヴァーリスの引用 (集英社文庫)

2003年05月01日 ノヴァーリスの引用 (集英社文庫)

十年前に起きた学友の不可解な死。深夜の大学図書館屋上からの墜落は事故か自殺か、それとも他殺だったのか?恩師の葬儀をきっかけに再会した当時の関係者たちの推理が、やがて不気味な謎を浮かび上がらせる。「犯人」はこの中にいるのか?死の真相をめぐり、物語ることによって歪み始める記憶の迷宮。第十五回野間文芸新人賞、瞠目反・文学賞をW受賞した傑作メタ・ミステリがついに復活。 (「BOOK」データベースより)




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ノヴァーリスの引用/滝の総合評価:8.75/10点レビュー 16件。Aランク


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No.16:
(4pt)

奥泉の現在に至る原点のような小説

著者の初期中編2本が収録されている。
ノヴァーリスというのはドイツロマン主義の詩人で、現代の量子力学で言えば極端な人間主義とも類比できるような、自己の精神の探究がそのまま現実世界の創造だという魔術的観念論者だったという。そのノヴァーリスの警句を修士論文にちりばめた院生が、卒業を前にしたある夜、図書館のテラスから転落死する。
彼を交えてマルクスの『資本制生産様式に先行する諸形態』の読書会を開いていた仲間が、彼の死から10年以上も経過した時点で、彼の死を振り返るという構成である。
他殺かもしれないという仮説が出され、彼が死んだ夜の一幕が細かに振りかえられる。
細かに振りかえられるのだが、その詳細は、否、大きな場面そのものの記憶さえ人によって異なっている。
何が真実か・・・、真実の外殻さえもが揺らいでいく小説である。
この中編の中では、初期マルクスや疎外革命論等の議論が、読書会の中で繰り広げられている。
著者は川越高校から国際基督教大学(ICU)に進んだ人なので、小説の舞台は間違いなくICUのキャンパスである。疎外革命論への言及は、当時、同大学にメンバーがいたとされる革マル派の影響かもしれない。卒業生に知り合いが10人程度いる身近な学校である川越高校だが、同校には居なかったそうだw

『滝』は、ある架空の宗教団体における少年信者たちの夏休みをかけた合宿と、その仕上げとしての山岳修練が描かれる。
こういった神道系の新興宗教の世界はよく分からないが、著者の『グランド・ミステリー』『虚史のリズム』には、皇祖神霊教なる神道系の新興宗教と山岳修練のエピソードが挿入されているので、著者にとっての十八番のようであり、その原点がこの小説だったのかもしれない。
どちらの小説も、奥泉らしい読後感を残した。
ノヴァーリスの引用/滝 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ノヴァーリスの引用/滝 (創元推理文庫)より
4488444113
No.15:
(4pt)

どなたかネタばれお願いします

担当教授の葬儀で数年ぶりに出会った同窓生たち。彼らは経済史の文献を読む研究会に参加し、まじめな討論もはめをはずしたバカ騒ぎも共に分かち合った仲間だった。葬儀の後に飲もうということになりしばし思い出話に花を咲かせるが、その後「石塚は自殺ではなく、殺害されたのではあるまいか」と、当時図書館の屋上から転落死した同窓生の死因について、謎解き遊びのような討論が始まった・・・という出だしです。

結論から言うと、何が言いたかったのかいまひとつよくわかりませんでした。奥泉氏の小説は「グランド・ミステリー」と「雪の階」が読み終わりたくないくらいその世界に入り込んでしまったのに対して、「”吾輩は猫である”殺人事件」は途中で退屈になって放り出し、「石の来歴」「神器 軍艦”橿原”殺人事件」はその迫力にあてられて読後茫然としてしまったもののやはり理解できず・・という今までの読書歴です。
まず雰囲気がものすごく好きなので読み続けているのですが、何が心に響いて何が響かないかは自分でもよくわかっていません。

石塚が死んだ当夜に主人公が時間を遡って居合わせるあたりまでは、いわゆるまっとうなミステリに見え引き込まれました。が、実際には時を遡れるはずはないので、この時点で”ああ、「石の来歴」と同じパターンだな”と。他のレビューアさんも書いていらっしゃいましたが「また話をずらして終わるのか」という感、確かにありです。
そういえばどの作品も、時が前後し、過去が現在に繋がり・・という話が多いですよね。著者はこうして時と人間と生死を描くことで何を訴えたいのか、そのあたりがいまひとつよくわかりません。
結局、主人公は酔っぱらって夢を見ていたのか?それは主人公が心の奥底に抱えていた罪悪感が元になっているのだろうか。
それとも迫真に満ちたその夢に、石塚の死のなんらかの真実があるのか?結局、実際に何が起きたのかは曖昧なままで終わります。そして最後の海泡石のパイプの意味は?どなたか理解力のない私にネタばれしてくださいませんか。
ノヴァーリスの引用 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ノヴァーリスの引用 (集英社文庫)より
4087475816
No.14:
(4pt)

普通のミステリではなくミステリ寄りの純文学で、固い哲学書を読むのが面白いような変人向き

商売っ気のないタイトルで、中身も哲学的。ミステリの体裁はとっているけど、結局謎は謎のまま解かれることはない。学生時代に議論を戦わせた仲間が、教授の葬式で中年になって再開し、昔の仲間の不審死について再び議論するのだけれど、文学好きのミステリーサークルみたいだと思った。わかったかどうか不明の固い哲学的議論が続くので、少し読んでみて難し過ぎると思ったら避けた方が賢明。個人的には嫌いではないけれど。
 本書のクライマックスで、事故の現場に酒を持ち込んで集まった時、酔っぱらった主人公が幻想を見るシーンが生々しくて素晴らしかった。特に気分が悪くなって嘔吐し、フラフラになりながら上階の仲間のもとへ酒を運ぼうとする主人公の醜態が目に見えるように、同様の経験が豊富な私には感じられた。きっと作者の実体験が生きてるんだろうと思うが、どうか。
 普通のミステリではなくミステリ寄りの純文学で、固い哲学書を読むのが面白いような変人に向くと思う。と、そうゆう変人が締め括ってレビューを終わりたい。
ノヴァーリスの引用 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ノヴァーリスの引用 (集英社文庫)より
4087475816
No.13:
(5pt)

”滝”は隠れた傑作である(内容説明に傑作とあるが、本当である)

奥泉ファンなので、未読の作品が文庫化されたので読んでみた。2編とも中編と言ったボリュームである。”ノヴァーリスの引用”は、この著者の作品に親しんでいる者なら、ある意味で予想された内容であるが、それでも不可思議な雰囲気と失われた青春時代への郷愁を漂わせた水準作と見た。”滝”は真の意味で傑作である(内容説明に傑作とあるが、本当である)。端正な文体で綴られたある少年たちに課せられたイニシエーションの儀式。一種の山岳でのオリエンテーリングであるが、読み進むに連れ、異様な雰囲気を醸し出し、結末へと至る。実にスリリングな内容で、凡百のエンタテインメント作品を遥かに凌駕する。
ノヴァーリスの引用/滝 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ノヴァーリスの引用/滝 (創元推理文庫)より
4488444113
No.12:
(5pt)

読めてよかったです。

お蔭様でタイミング良く読むことが出来ました。 ご縁があれば、また、宜しくお願い申し上げます。 本当にありがとうございます。
ノヴァーリスの引用 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ノヴァーリスの引用 (集英社文庫)より
4087475816



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