灰色の魂
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登場人物は年齢性別職業体格性格みんな異なるけれど どの人物も作者の一部を反映しているのだろうなあと思った。 だからといって、この物語全体を包む閉塞感が作者のなかに ある、というわけではないとも思う。 作者は、自分のもつ「灰色の魂」とうまくつきあい、 現実世界ではなく小説の世界に「灰色の魂」を解き放している ような気がする。 もしかしたらだれもが心の一部として持っているのかもしれない 「灰色の魂」。 作者は、それとうまく付き合っている感じがした。 | ||||
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こういう作品がイイ! って言うとカッコいいんだろうけど、正直そんなに心動かされなかった。 高尚で深いミステリーという範疇なんだろうが、テンポと明快さをミステリーの優先順位にあげる自分としては受け付けられなかった。 無駄に思われるエピソード、いかにも翻訳調のだらだらした文章、読者の判断に任せたようなはっきりしないエンディング。 と、感じてしまいました。 ま、どんな作品でも好き嫌いはあるということです。 | ||||
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独善的な言い方になりますが、21世紀の最高傑作としか言いようがありません。 人間の心理をこれほどまでに深く洞察した小説があったでしょうか。 生きるとはどういうことか。 よりよく生きるとはどういうことか。 私のベスト1が、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」なら、ベスト2は、このフィリップ・クローデルの「灰色の魂」です。 ミステリーのような体裁を取りながら、人間に肉薄していく、迫力ある心理劇。 ピエール・アンジュ・デスティナというひとりの男に、人のすべてを見てしまう思いです。 2004年に『エル』の女性読者賞を獲得したことも言い添えておきます。 | ||||
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この作品がどのくらい長く人に読みつがれるのか、 また読みつがれるべき作品なのか、私には分かりません。 心を添わせることのできる登場人物を見出すことなく、 作品を読み進めることは、あるにしても、 私にはちょっと不安でした。 題名が示すように、ここに書かれる人の魂の色は灰色です。 語り手たる主人公も含めて。 冒頭に書かれる少女の死をめぐって、犯人が誰なのかという謎が、 最後まで読み手を引っ張り、その糸のまわりに他のいくつもの死が纏わりつく。 詳しくは書けませんが、なかでは、逃亡兵の死が重く心に残りました。 また、第一次大戦時、戦地に送られ、あるいは棺となって、あるいは心身に重い傷を 追って戻ってくる兵士たちの無残な姿を描くことで、 作者はおそらく、戦争が、その状況を生きるすべての人の魂を、 多少の差はあれ灰色に覆いつくし、癒されることのない穴に追い込んでいく事実を示したかったのだろうかと想像します。 それ自体大きなテーマであり、心に深く沈んでいくものを感じます。 ただ、正直にいえば、翻訳のスタイルにはなかなかなじめませんでした。 解説を読むと、原文は俗語なども混じったむずかしい文体であったようですが、 読む間も、翻訳のスタイルが気になって、作品に没頭できないことが多かったと思います。 | ||||
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ストーリーの骨組みだけを取り上げれば、 単なるミステリーの域を出ないが、 それを重厚な「物語」に仕立て上げる 作者クローデルの筆致は賞賛に値するだろう。 舞台として選ばれている第一次世界大戦時のロレーヌ地方を (その寒々しさも含め)生き生きと描く描写力、 多くの登場人物を的確に書き分ける人間観察の鋭さ、 なにより作中描かれる女性たちの美しさが際立ち やや退廃的な匂いも漂わせ、この上なく魅力的である。 無駄のない、パズルのような構成や 絶えず雲の低く垂れ込めたような閉塞感が あまりフランスらしくない佳品である。 | ||||
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