12年前の夏、“蔦屋敷”と呼ばれる熱海の洋館で、淳は白いドレスの少女百合に出会った。

獲物を追って、この街へやってきた。そいつの人生に幕を引いてやる、それが仕事のはずだった。

アメリカ南部の街で、時計の修理を生業に、もの静かな日日を生きる一人の日本人。

「生きすぎた」―短かい言葉を残して老画家が自殺した。

ダムができて、湖に沈んだ村――だが5年後、雨不足で再びその姿を現した。

“亜子、どうしていなくなっちゃったの。

江戸へ戻った黄金奉行の次なる出動地は、奉行不入の地とされてきた羽後であった。

世に存在を知られぬ黄金奉行は、金山の不正を正すため徳川家康が設けた極秘の職である。

後漢が衰微し、群雄が覇を競う乱世に、謹厳で慎重な、顔の長い青年が時を待っていた。

今回の調査は、この館で数知れない人間が姿を消しているという幽霊屋敷。

この本は、いろいろな「謎」を含んだ物語ばかりを十一編ほど集めたものです。それも、とびきりの謎ばかりです。

密かに日本に持ち込まれた南米産の猛毒クラーレ。巨人対阪神戦に沸く東京ドームで、この毒を塗った矢による殺人事件が発生した。

俺の女。俺が守る。

「新宿柏木署の署長の娘佐智子が家出、AV女優となったが、その後消息不明に。

能の宗家・水上流の後継者問題にからむ追善能「道成寺」の舞台で、不吉な面といい伝えのある〈雨降らしの面〉が使用された!?

広島に出張していた詩織の父,大輔は「トランプの本」を見つけたというダイイング・メッセージを残して非業の死を遂げた。

花城佐紀子の姉・由記子が、遺言を残し恋人の本多昭一と失踪した。

美しいけれど愛されない女優、男装の幼女を連れた謎の女、怯えている詩人の男等が、好人物風の添乗員に連れられて出発した。

東京・飛島山公園の展望台で平凡な主婦・井上典子が、売店のアルバイト学生・矢部富美子に刺殺された。

父の自殺、妻の不貞の原因になった巨大商社に挑む戦見。航空機疑獄も発覚して…。

父の自殺、妻の不貞の原因になった巨大商社に挑む戦見。航空機疑獄も発覚して…。

巨大暴力団組長殺害後に、兄貴分の身代わりで敵の組長の首を狙う若きヒットマン。

野々村省吾はワンマン社長とその三女である奔放な妻に隷従を強いられる屈辱的な日々を送っていたが、ある夜ひろみという魅力的な少女と出会いホテルで関係を持つ。

琵琶湖畔に建つ白亜の別荘を格安で手に入れたキャサリンは、近隣の友人を招いてホームパーティーを開いた。

198X年11月22日、東京銀座で開催された「虹のパレード」の最中、アイドル歌手の加瀬葉子が殺された。

中学1年、春休みのことだった。

六十人を越す死者が出たバスの転落事故で、たった一人生き残った男…宝くじを買えば、その賞金の十倍という袋くじの特賞に当たる。

旅行雑誌の編集者が殴殺された。物盗りでもなく、人に恨まれることもない。

会社の金1億円を持ち出して北海道に逃走した古谷は、寝台急行の車中で愛人と合流するが、そのときすでに愛人は何者かに殺されていた。

鳥の狩猟をはじめたばかりの中年男が、東京近郊の山中で密猟の天才少年と出会う。

「週刊アロー」の記者高坂昭吾は、台風の夜、子供がマンホールに落ちて死亡する事件に遭遇し、その時知り合った高校生稲村慎司からふしぎな話を聞いた。

「おれは無実だ!」戦争下の昭和十七年、久世圭介は何者かに恋人を惨殺された。だが、西青梅署は圭介を殺人犯として逮捕した。

科学者にして幻想家である海野十三の出発を示す傑作群。

満席で飛び立ったジェット機内から、一人の女が消えた。

コンビニで積極的に地上研修に励む“落ちこぼれ天使”マリの所に、突然、大天使様がやってきた。

紅葉があでやかに燃える平家物語ゆかりの光明寺。その境内で、すすきの穂を手に製薬会社幹部が毒死していた。

南紀・白浜で女性が毒殺され、その所持品から呼び出しの手紙が発見された。差出人はT・H。

音楽教師・杉山博之が変死した。杉山が勤務する音楽教室の主宰者・高川伸男は、事件の真相追及を探偵・浅見光彦に依頼する。

名探偵・浅見光彦の母・雪江が四国霊場巡りの途中、交通事故で記憶を喪失した。

フリーライター浅見光彦は雑誌の取材で名門「菊池一族」発祥の地、熊本県菊池市に向かう。

東京の北への玄関口、上野駅に再開発計画があるという。地上300mの超高層駅ビル、不忍池地下の大駐車場。

「新宿歌舞伎町で男が死んでいます。頭部の外傷からすると他殺の疑いが…。

M化学工業の財務次長・宇田康雄に、妻優子には話せない秘密ができた。

クラブを開業して以来、貝塚幸子は愛人・宇田康雄に対してよそよそしくなった。

姉の妊娠を知った日に、妹の抱いたある“秘め事”―ひんやりとなまめく感性の空間。芥川賞受賞。

死霊、生霊、鬼などが人々の身近で跋扈した平安時代、妖しのものを相手に陰陽師安倍清明が親友の源博雅と挑むこの世ならぬ難事件

東京郊外のS大学学生久保山良二は、同級生の若林知香と恋におち、二人はデートをくり返す。

16歳アブナイ恋にご用心!元気少女あかねとピアノ少女「黒鍵」こと真音。スリリングな初恋と友情の青春ミステリー。

あの男は殺さなければならない。胡桃沢は、恨みをこめて国本多計彦の首を絞めた。

60人を越す死者が出たバスの転落事故で、たった一人生き残った男…宝くじを買えば、その賞金の十倍という袋くじの特賞に当たる。

バリ島をオートバイで駆ける拓也、21歳。ちょっと不器用で、ひとりで生きることを習い性にしている青年。

縫箔の職人田毎はパーティでかつ

紀州一の大富豪柳川家。その門前を今、鋭く見つめる三対の眼があった。

上野発の急行「妙高」に乗りこんだ奇妙な男女。

私立探偵・真木は、実業家・磯村の依頼で19歳の娘・乃里子の行方を捜すことになった。

今日、私は死ぬ。私を殺したいと思っている人間が七人いて、その中の誰かに殺されることになるのだ…。

脳移植手術を受けた青年にしのびよる灰色の恐怖。君を愛したいのに、愛する気持が消えてゆく…。

刑事である「私」は、矢萩利幸という男の名前を三度聞くことになった。最初は首のないバラバラ死体の主として。

編集者の私は、知り合った金谷という老人から、推理小説になるかも知れないと日記を預かる。

虹色に輝く絹織物、謎の野蚕を養殖する男と女―。あまりにも無惨な愛の代償とは何だったのか。

いつ崩れるかほからない、危うい均衡の上に成り立つ現代世界。

学生時代から仲の良い京都のOL三人組が、NTT株で儲けたのをきっかけに株を始めた。

証券マン岩木和彦の前で新しい顧客が次々と殺されていく…。第1の殺人は、顧客の一人・住田かよ子が絞殺されたこと。

女優の卵―中川亜矢子の恋人が、取材旅行へ行ったきり消息を断ち、その後、惨殺死体で発見された。

虫売りを生活の足しにしている浪人の妻・紀乃は、いつしか我が身をもひさぐ運命に(表題作)。

美しい三河湾の砂浜に老人の死体が打ち上げられた。しかし被害者の身体には崖から突き落とされたような傷が…。

「男」が、飛び降りた。目撃者が駆けつけてみると、そこには「女」の死体が転がっていた。

雨の海辺で、何者かに追われる人妻を救った池内峻介は、彼女を自宅にかくまう。

今村まどかの母、朝代とピアノ教師、角田は不倫関係にあったが、争いの末、朝代は角田の首を切り落として殺害。

恐怖は人間の最も古くからの感情だと言われている。真っ暗闇の中で野獣に襲われる恐ろしさを想像してみれば、容易に納得がいく。

縫箔の職人田毎はパーティでかつての恋人だった鶴子と再会した。この出逢いが悲劇へとつながる表題作「折鶴」。

立山連峰と後立山連峰と槍穂高連峰がY字型にぶつかる要所にあるM岳。

東北出身のホステスが、都心のラブ・ホテルで、農薬が混入されたジュースを飲んで死んだ。

降伏はせぬ!硝煙の五稜郭を脱け出した隊士2人。自由と、誇りを守るために奥蝦夷へ。

逃した魚は泳いでる。石の中でも十月十日。

新宿角筈村に剣術道場を構える老剣客・日影一念は、臨終の床で、なぜか二人の内弟子、白根岩蔵と成子雪丸に、自分の遺体と共に秘伝の書を土中に埋めよと言い残す。

道場を出奔し、名を変えて諸国を巡っていた白根岩蔵は、江戸に戻って金貸しの食客となる。

富豪の若き一人娘が不審な事故で死亡して三カ月、彼女の遊び仲間だった男女四人が、遺族の手で地下シェルターに閉じ込められた。

失恋と借金、失意の風見ゆう子は、自殺を決意して雪の北海道へ旅立った。

アルプスの観光地・ユングフラウヨッホを訪れた三毛猫ホームズ一行。

悪と対決すべき人間が悪の手に身をゆだねたとすれば―。絶大な権力をもつ警察組織は、つねに腐敗の危険をはらんでいる。

被害者はトラベル・ミステリーの第一人者。

樫間高之との結婚を控えた森崎朋美は、式場での打合せの帰途、不慮の事故死をとげた。

50口径ライフルの赤外線スコープが捉えた日本人少女の顔―ジャパンバッシングかまびすしいワシントンDCで起った不幸な交通事故を清算させるべく、元女性警官の指が引き金にかかった。

札幌のホテルで、小樽の美人画家が殴打殺害された。しかし“犯人”は、その時刻函館から青森へ向かう車中にいた。

ライバルの死と引換えに得たノーベル賞。先端医学の独走がもたらした闇を暴く。

抜け殻だった。欠くした過去が蘇るはずはなかった。

映画界に異彩を放つワンマン監督、大柳登志蔵が謎の失踪をとげた。しかも『探偵映画』という野心作の撮影中に。

最初は、単なる酒に酔った喧嘩での致死事件と思われた。だが、そうではなかった。

室町時代に真宗王国を築き、権勢を振るった本願寺の法主、蓮如は5人の妻に、27人の子を産ませた。

都内のホテルで謎の男・神谷の死に直面した探偵・冴木涼介と隆親子。

ただ一文字「願」と書かれた奇妙な葉書が四通配達された後、彩子の父・駒津が殺害された。

美少女棋士今井香子は新幹線の中で、見知らぬ男から一通の封書を預かった。

彫像という名を刻まれた男がいた。新坂五郎。

不審な飛び下り自殺の巻き添えになった妹・静乃の死の際の心像を感受した兄・秋谷修一は、連鎖する殺人事件の鍵を握る記憶喪失の女・中川詩織に愛を感じつつ、人間の業の悲しさが生んだ惨劇の終末をみた。

いま一歩で幸福を掴みかけたのに恐怖を運んできた男に邪摩されて運命は逆転した!!名手がその絶妙な筆致で描く、恐怖心理サスペンスの最新傑作六編収録。

「その夏、私たちは、ある事情から巨額の金をつくることに熱中していた」―大友克洋をアメリカに売り飛ばし一攫千金をたくらむ矢作一味は、この天才マンガ家のスランプ解消作戦に着手。

17年前、オーストラリアで目撃した老人の集団飛び降り自殺。