日本探偵作家論



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    初公開日(参考)1975年01月
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    日本探偵作家論 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)

    1996年05月01日 日本探偵作家論 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)

    作品や文献につぶさにあたって浮き彫りにしていく、戦前に活躍した個性的な探偵作家18人の創作活動。文芸評論としての作家論に新たな視点から挑む野心的冒険によって、過去を振りかえるだけでなく、新しい推理小説の展開をも示唆する、探偵小説ファン必携必読の貴重な論考集。(「BOOK」データベースより)




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    No.5:
    (4pt)

    往年の探偵小説の世界に浸ってみたくなる

    探偵小説というと、昭和初期のノスタルジックで、倒錯、淫靡、醜怪な空気感をイメージする。江戸川乱歩や横溝正史の諸作品からの影響が大きいのだろう。

    「・・・暗い時代の下に秘めやかに生み出された疎外者の夢であり、歴史の暗部に輝く蒼白き燐光のごときものではなかったか。」

    これは、権田萬治さんの『日本探偵作家論』序説にある戦前の探偵小説を評した一文だ。

    第29回日本推理作家協会賞 評論その他部門賞を受賞した本書は、戦前から大戦をまたいだ終戦直後ぐらいまでに活躍した探偵作家の評論である。作家別に章立てがなされており、作家の特色や、探偵小説の歴史における位置づけを、作品に論評を加えながら展望していく。

    蔵書家のコレクションを参照しながらとはいえ、膨大な作品を読み込まなければ著すことのできない評論であり、大変な労作なのだ。現存する資料の希少性からも、探偵小説を概観できる本書は、偉業といってもよいだろう。取り上げられているのは、江戸川乱歩、横溝正史という誰でも知っている作家から、夢野久作、小栗虫太郎らツウ(?)好みの作家、大下宇陀児、木々高太郎ら(おそらく)マニアしか知らない作家と幅広い。しかし、大半は長い年月の間に、風化し忘れ去れ、書籍として作品を手に取ることのできない作家たちだ。著者の評論を読むにつけ、失ったものの大きさに哀惜の念を覚える。

    権田萬治さんは、通俗性に対する批判的な態度が顕著だ(例えば、江戸川乱歩の声明を高めた長編)。探偵小説という文学を俯瞰した上でのことだろうが、個人的な嗜好が見えなくもない。しかし、作家の本質を射抜くような着眼点と、読者をそこに引き込んでいく美文には、学ぶべきところが大きい。例えば、小栗虫太郎論はこういう書き出しから始まる。

    「小栗虫太郎の悪夢の錬金術は、中世的な暗黒のレトルトの中で初めて純粋に結晶する。」

    本書を読むと往年の探偵小説の世界に浸ってみたくなる。名著!
    日本探偵作家論Amazon書評・レビュー:日本探偵作家論より
    4946424261
    No.4:
    (4pt)

    往年の探偵小説の世界に浸ってみたくなる

    探偵小説というと、昭和初期のノスタルジックで、倒錯、淫靡、醜怪な空気感をイメージする。江戸川乱歩や横溝正史の諸作品からの影響が大きいのだろう。

    「・・・暗い時代の下に秘めやかに生み出された疎外者の夢であり、歴史の暗部に輝く蒼白き燐光のごときものではなかったか。」

    これは、権田萬治さんの『日本探偵作家論』序説にある戦前の探偵小説を評した一文だ。

    第29回日本推理作家協会賞 評論その他部門賞を受賞した本書は、戦前から大戦をまたいだ終戦直後ぐらいまでに活躍した探偵作家の評論である。作家別に章立てがなされており、作家の特色や、探偵小説の歴史における位置づけを、作品に論評を加えながら展望していく。

    蔵書家のコレクションを参照しながらとはいえ、膨大な作品を読み込まなければ著すことのできない評論であり、大変な労作なのだ。現存する資料の希少性からも、探偵小説を概観できる本書は、偉業といってもよいだろう。取り上げられているのは、江戸川乱歩、横溝正史という誰でも知っている作家から、夢野久作、小栗虫太郎らツウ(?)好みの作家、大下宇陀児、木々高太郎ら(おそらく)マニアしか知らない作家と幅広い。しかし、大半は長い年月の間に、風化し忘れ去れ、書籍として作品を手に取ることのできない作家たちだ。著者の評論を読むにつけ、失ったものの大きさに哀惜の念を覚える。

    権田萬治さんは、通俗性に対する批判的な態度が顕著だ(例えば、江戸川乱歩の声明を高めた長編)。探偵小説という文学を俯瞰した上でのことだろうが、個人的な嗜好が見えなくもない。しかし、作家の本質を射抜くような着眼点と、読者をそこに引き込んでいく美文には、学ぶべきところが大きい。例えば、小栗虫太郎論はこういう書き出しから始まる。

    「小栗虫太郎の悪夢の錬金術は、中世的な暗黒のレトルトの中で初めて純粋に結晶する。」

    本書を読むと往年の探偵小説の世界に浸ってみたくなる。名著!
    日本探偵作家論 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)Amazon書評・レビュー:日本探偵作家論 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)より
    4575658243
    No.3:
    (5pt)

    ある程度「探偵小説」は読んでしまっておいたほうが吉

    この本は受賞作品なのではありますが
    非常に珍しいことに「評論形式」という
    形が取られている作品です。
    間違うことはないでしょうが、ミステリー小説ではありません。
    あしからず。

    それと、注意をしなければならないのは
    評論する都合上、
    作品のストーリーや、場合によっては
    一部のトリックなどが出てしまっている場合もあります。
    なので、紹介されている作家が未読が多い場合には
    あまり読むことはお勧めできないです。

    しかしながら、さすが評論家だなと感じるのは
    その作品紹介の「引き出し」の多さです。
    そして、読ませる側に読む意欲を与えてくれる
    その文章…
    ネタバレを嫌う人には決して薦めることはできないですが
    あまり知られていない作家も出ているので
    昔の小説の世界を味わいたい人には
    一読の価値はありそうです。
    日本探偵作家論 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)Amazon書評・レビュー:日本探偵作家論 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)より
    4575658243
    No.2:
    (5pt)

    探偵作家評論の名作

    長年、探偵小説を研究している著者の、探偵作家考察論ですが、著者の的を得た考察に納得しきりで読み応えがあり、大変面白く読ませていただきました。
    日本探偵作家論 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)Amazon書評・レビュー:日本探偵作家論 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)より
    4575658243
    No.1:
    (5pt)

    ミステリー文学資料館長の名著

    戦後の新世代による、日本探偵小説を作家別に丁寧に解析する本書は昭和50年『幻影城』誌に掲載され、同年上製本『幻影城評論研究叢書』として上梓された。ラインナップは次のとおり。

    ■深海魚の夢 序説=戦前の探偵小説の特質

    ■小酒井不木■江戸川乱歩■甲賀三郎■大下宇陀児■横溝正史■水谷準■葛山二郎■橘外男■山本禾太郎■夢野久作■海野十三■浜尾四郎■渡辺啓助■小栗虫太郎■木々高太郎■大阪圭吉■蒼井雄■蘭郁二郎■

    40年近くも前の執筆でありながら、現代の目からみても著者のカルテには殆どブレが無い。戦前乱歩と並び三羽烏と謳われた甲賀三郎・大下宇陀児の著書が何故衰退し横溝正史に取って代わられたのか?黎明期の日本探偵小説にはごく一部の秀作を除き本格長編が何故生まれなかったのか?小栗虫太郎は所詮ペダントリーに囚われすぎた作家だったのか?木々高太郎の文学芸術論にはその後どういう意味があったか?すべて本書の中に答を解く手掛りがある。

    各作家の長所・短所をしっかりと把握したその語り口にはミステリーへの深い愛情が感じ取れる。著者はつい先年まで専修大学にて教鞭を執っておられた。現在乱歩旧蔵書を管理する立教大学藤井淑禎氏の論述に首を傾げる所が多いのに対し、同じ教授でもさすがに長年蓄積されたキャリアの違いを見せる。

    盟友島崎博氏との友情により生まれた本書こそ、平成以後の再評価による探偵小説の多くの再発の源であり、氏の評論はもはや今日のそれの指標と言ってよい。書名で検索して頂ければ判るように本書は様々な形で長年読み継がれている必読の書。私が所有しているのは昭和52年の島崎博解説を付した講談社文庫版だがこの双葉文庫版では巻末に対談を収録しており各種微妙に内容が異なる。ミステリー文学資料館で権田氏にお目にかかった事があるが、こちらが恐縮する程優しいお人柄であった。氏のご健康と益々の活躍を祈る。
    日本探偵作家論 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)Amazon書評・レビュー:日本探偵作家論 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)より
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