傷痕



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初公開日(参考)1989年06月
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長編小説

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傷痕 (集英社文庫―老犬シリーズ)

1992年08月31日 傷痕 (集英社文庫―老犬シリーズ)

孔雀城―無頼の少年たちは、自分たちの寝ぐらをそう呼んだ。戦争直後の東京、焼けくずれた工場の跡地である。隠匿物資を盗み出し、闇市で売りさばくことを覚えた良文とその仲間にとって、最大の敵は浮浪児狩りと暴力団だった。幼い良文は野獣のように生き抜いてゆく。「老いぼれ犬」高樹刑事の壮絶な小年時代。 (「BOOK」データベースより)




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傷痕の総合評価:9.22/10点レビュー 9件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

焼け跡・闇市を生き抜く13歳は、否応なく諦観、達観する

老いぼれ犬こと高樹良文刑事が主役の「老犬シリーズ」の第1作。13歳の高樹良文少年が暴力と悪意に支配された焼け跡・闇市を生き抜いていく、ノワール成長物語である。
浮浪児狩りを避けながら二人だけで生きていこうとする13歳の良文と幸太は、良文の知恵と幸太の腕力を頼りに闇市でタバコやウィスキーを売って日銭を稼ぎ、焼け跡を不法占拠した「城」で暮らしていた。関係するヤクザに脅され、騙されながらも、他の浮浪児を集めて買出しに手を広げ、仲間や手持ちの物資、金を増やしていった。しかし、大人たちの圧倒的な暴力や悪知恵、仲間の裏切りに遭い心をズタズタにされる。それでも自分の生き方を貫こうとする良文は命をかけた状況に向かって行く…。
シリーズ読者には、主人公の少年時代を知る作品として必読。シリーズ未読でも、戦後の混乱期を生きた少年たちの冒険・成長物語として楽しめる傑作としてオススメする。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.8:
(4pt)

良かった

ネットでしかみつけられず。購入できてよかった。
傷痕 (集英社文庫―老犬シリーズ)Amazon書評・レビュー:傷痕 (集英社文庫―老犬シリーズ)より
4087498476
No.7:
(5pt)

傑作シリーズの一つです

高樹刑事の幼少期からの物語です。
この様な世界を生き抜いた男だからこそ、恐れられる刑事が誕生したのだと思います。
何度読んでも面白く、そして大きな感動を与えてくれます。
傷痕 (集英社文庫―老犬シリーズ)Amazon書評・レビュー:傷痕 (集英社文庫―老犬シリーズ)より
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No.6:
(5pt)

戦後だからなのか、でも男の生き様は変わらないんだろうな。

せつない。老犬の始まり
傷痕 (集英社文庫―老犬シリーズ)Amazon書評・レビュー:傷痕 (集英社文庫―老犬シリーズ)より
4087498476
No.5:
(5pt)

胸を深く抉られました

13歳の少年たちの生きるための闘い。
子供であるからといって保護されてはいない。大人たちからさえも容赦なく強奪されながら、
少年たちが生き抜くさまはすさまじい。
老犬トレーの口笛がお互いの合言葉。
高樹警部の癖がここから端をほっしていたことがよくわかる。
いくら好きな曲でも何十年もの間の癖になるような曲というものはなさそうだが、
この生き様を考えると理解できる。
 
しかも北方謙三氏は高樹警部の癖を最初から考えながらこれまで書いてきてはいないのに、
本当に納得できる。

7歳の少年が"男”であろうとしたためにすさまじい死に方をし、
その復讐を13歳の少年がやり遂げる。
このラストの部分は読んでからもずっと心に残り、数日間、私は放心状態になるほどだった。

この「傷痕」と「眠りなき夜」は私の中で最も好きな北方ワールドです。
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No.4:
(5pt)

戦後の闇の世界に生きる闘いを描いてリアリティ十分な異色作

北方謙三は、別の小説に同じ人物を登場させるということをときどきやる。
ブラディ・ドールシリーズと、約束の街シリーズを合体させた離れ業などが一番目立った例だろうか。

そうした人物として印象深い一人が、通称「老いぼれ犬」の高樹警部である。
彼は、たとえば『檻』で準主役ともいうべき重要な脇役として、
挑戦シリーズではもうちょっと軽い脇役として登場する。
忘れがたい味を持つとはいえ、脇役と思われたこの高樹を、
意外にも主人公に据えてみせたのが「老犬シリーズ」だ。
中でも、その少年期を描いて異色作ともいえるこの『傷痕』は、目立たないが傑作だろう。

北方謙三はぎりぎりの人生を好んで描く。
手っ取り早いのは命のやり取りで、
現代ものだと、そこで犯罪、暴力が絡むようになる。
北方謙三の出発点であるハードボイルドである。
だがそれは、普通に考えれば(幸いなことに)一般人にはいささか縁遠い世界だ。
北方謙三はより普遍的な場を求めて歴史ものを書き始めた。
歴史ものは、より高次のリアリティを求めた結果だいう。

『傷痕』は、系列としてはハードボイルドだろう。
実際主人公は、他の小説ではいかにもハードボイルドの犯罪ものに登場する。
だが彼を主役に置いたこのシリーズ第一作は、むしろ一人の人間の歴史を描いたものだ。
むろん彼は現代人だから、たとえば南北朝ものとは色合いが異なるにしても、
戦後の戦後の闇の時代の厳しい生き様を描くことで、
物語は作者の歴史ものと同じリアリティを得ることになる。
生きる戦いが必然である状況なのである。

孤児といえば自動的に人権無視の悲惨な孤児院送りにされる時代、
自由と生存そのものを求めて戦う良文と幸太の戦災孤児コンビを軸に、
これにヤクザがからみ、必然的に暴力が描かれ、
他の孤児たちとの共同が生まれ、とにかく生きて行く戦いが語られる。

いつものダンディズムが見えないわけではないにせよ、
とにもかくにもまず生き抜くことという濃厚な前提があり、
それが全体を緊迫させ、躍動させ、そしてまだ少年である主人公らの傷が心に沁みる。
今までにない設定もあって、北方文学全体のなかでも特に印象的な一冊といっていいと思う。
これに近いのは、後の『望郷の道』だろうか。
こうした一面を持つというのもまたこの作者の豊かさであり、
読者にすれば嬉しい驚きである。
傷痕 (集英社文庫―老犬シリーズ)Amazon書評・レビュー:傷痕 (集英社文庫―老犬シリーズ)より
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