皸(ひび)・別れの稼業
- ハードボイルド (137)
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若い方々は北方謙三と言えば、中国史のやったら長---い小説書く人と思っているのじゃないかしら。最近の北方は多分ライフワークとして“大水滸”シリーズをはじめとした中国史小説を書いていますが、これは2000年以降のこと、その前は日本の南北朝時代の小説を書いていたし、デビュー当時は「ハードボイルドの新星」として探偵小説・冒険小説などをやったら多作していたのです。本作もいわゆるハードボイルド探偵小説と言えるでしょう。 北方謙三は58年「眠りなき夜」で第1回日本冒険小説協会大賞・第4回吉川英治文学新人賞を獲得以来、「渇きの海」で日本推理作家協会賞を受賞するなど、探偵小説家としてデビューしているのです。北方の偉いのはせっかく築いた探偵・冒険小説家としての地位をあっさり脱却し、歴史小説として新境地を求めるところです。これも大成功をおさめ、1989年、初の南北朝時代を舞台とした『武王の門』を発表以来、「破軍の星」で第4回柴田錬三郎賞、「楊家将」で吉川英治文学賞、「水滸伝」で司馬遼太郎賞、「独り群せず」で舟橋聖一文学賞、「楊令伝」で第毎日出版文化賞受賞。2017年 には 『大水滸伝』シリーズで第6回歴史時代作家クラブ特別功労賞受賞。2016に 第64回菊池寛賞受賞と名だたる文学賞を総なめにしています。さらに2013年には紫綬褒章受章、2020年 -には旭日小綬章受賞と、まさに文壇の巨星として上り詰めました ところが、直木賞には三度候補になったのですが、受賞していません。一方で2000年に同賞の選考委員に就任しており、以後現在まで40回の選考委員を続けています。現在の直木賞選考委員で唯一の非受賞者というのもすごいことです。しかし塩味に言わせると北方が選考員になってからというもの直木賞受賞作に面白いものがほとんどなく、強いて言えば2000年(上)虹の谷の五月(船戸与一)、2003年(上)星々の舟(村山由佳)、2005年(下)容疑者Xの献身(東野圭吾)、2011(下)蜩ノ記(葉室麟)くらいのものです。 横山秀夫の『半落ち』を直木賞落選させるに至った論拠無き北方の酷評に対し、横山が「直木賞決別宣言」をするという騒動は有名で、評論家・選考委員としては、大いに問題があったと思えます。そもそも直木賞なんて言うものは大衆小説に与えるものなのにその辺の感覚が北方にはわかっていないのじゃないかと思われる節があります。これらの一連の騒動で、伊坂幸太郎もキレたし、湊かなえも当惑を隠せない直木賞のトンデモ選考は20年も選考委員を続ける大御所北方に原因があるのではないかと睨んでおります(林真理子のおバカぶりもあんまりだけど)。 というわけで書評も少し。「作家を憎んで、作品を憎まず」「名作家、名選考者にあらず」の格言を用いるまでもなく、北方作品は評価されています。本作「皸(ひび)」は実は「罅(ひび)」の続編です。このあたりのネーミングはイケてますね。 そもそも現代日本で犯罪解決のために探偵が活躍する場面があるのかしら?浮気調査とか、素行調査、せいぜいボディーガードくらいが現実的な仕事内容と思われます。そして本小説はこのあたりの日本の探偵の実情をリアリティー満点に描き、かつハートウォーミングな展開にもっていくのに成功しています。私立探偵・浅生は32歳で、どうやら商社マンを脱サラして開業したようです。繁盛しているわけでは無い探偵業ですが、仕事を選びつつ誠実に顧客の要望に応えるべく、時には身体を張って調査をします。仕事の内容は表題通り、社会の皹(ひび)から生じるトラブルの調査や解決。浅生の恋人はそんな浅生が街に詩を書いていると言いいます。暴力と哀愁を内に秘め喧嘩アクションもリアリティーがあります。探偵小説がかつての輝きを失いっつある昨今においては、主人公のキャラが立っており、なかなか味のある佳作です。 | ||||
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野崎通を主人公にした「野崎」シリーズ(全3巻)も探偵ものですが、 同じ探偵ものでも、この「浅生」シリーズ(全2巻)は、戦う相手が巨悪ではなく小物ばっかなんで、 ちょっと見劣りします。 いや、勿論面白いんですけどね。 「浅生」シリーズは、 この「別れの稼業」で完結するんですが、最終話で出てきた最後の敵が凄かった。 最初、北方作品最強の悪役か・・・!と思わせといて、 (えぇぇぇ!!)という凄い設定が終盤に判明してズッコケました。 まぁ、こんな敵役もたまには良いのかな? 面白いことは面白いので、それなりにオススメです。 | ||||
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北方謙三さんのハードボイルド作品が好きで、ほとんど読みましたが、この作品は全然物足りなく、あまり印象に残りませんでした。 | ||||
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これが北方謙三ハードボイルド作品なのだ!媚びずに、ぶれずに、オトコの生き様を描き上げていく。 | ||||
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探偵浅生を主人公にしたシリーズ第2作目で、7つの短編が収められている。ブラディドールシリーズの川中や約束の街シリーズの若月のように金銭面で不自由しない事が多い北方作品の主人公の中ではやや異色の存在で、依頼人と報酬をめぐって駆け引きしたりと人間臭さが強い。しかし、誇り高くそのためならいつでも自分を投げ出す、金の事を口にはしても最後は金などどうでも良いといった生き方は、他の北方作品の主人公と共通で、北方フアンは安心して読める。ただ、この作品は、主人公のそうした格好良さだけではなく、男と女の哀しみ、関係の奥深さなどが主人公の行動を通じて浮き彫りにされていくところに特徴があり、他とは違った味わいもある。筆者の年輪を感じさせる。 | ||||
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