遍照の海
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著者のシリーズものをここしばらく読んでいたのですが、マンネリ化してしまい、ちょっと趣向を変えてこのような長編を読んでみました。テーマの選択は素晴らしい。ある意味ではsisyphusの話と酷似した設定には驚かされます。永遠に四国での遍路を続けるという刑罰を与えられたのがこの作品の主人公の女性の運命なのです。そういう意味では、話の始まの時点で結論が示唆されています。メインの話はいつもの京都の商家での婿取りに絡む話です。話自体のリアリティはどうなのでしょう。入り婿を取った女性のかなり一方的な立場から全体のストーリーラインが決定づけられており、その後の不義密通につながる話の展開はかなりあわただしく、どうも現実感と盛り上がりに欠落します。その中で話の緊張感を維持させているのは作品中に収められた膨大な数の俳句です。俳句の挿入の仕方はあたかもこの作品は事実に基づいているかのような印象を与えていますが、その印象も最後の場面では粉々に砕かれてしまいます。。 | ||||
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京都の裕福な紙屋の娘に生まれながら、運命の波にもまれて一旦は死罪を宣告され、結局は四国に追われ、死ぬまで遍路として歩きつづけた一人の女性を描いたものです。 私自身、連休を利用して気楽な遍路を楽しんでいますが、当時の四国遍路にはこのように、色々な理由で故郷を追われ、或いは自ら逃避して、遍路となって歩き続けた人々がたくさんいたということです。「木枯らしやわが身一つの棄てどころ」「月の夜やわらぢに痛し雪の道」など、主人公の詠んだ鮮烈な俳句に触れると、私のやっている趣味遍路が罪に思えて来ます。 こんな俳句が随所に挿入されているので、てっきり実話をベースにした歴史小説だと思って読んでいたら、最後になって、主人公の句帳が燃えてなくなってしまうので、意外でした。 あとがきと解説によれば、本作品はまったくのフィクションで、作者は構想5年、何度も四国に取材旅行をして執筆したとのことです。俳句はすべて作者の詠んだものです。小説家というのはまことに偉大ですね。 | ||||
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