高瀬川女船歌
※タグの編集はログイン後行えます
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
高瀬川女船歌の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
時々時代小説が読みたくなります。それも女流作家のものを。平岩弓枝さんの新八シリーズは御愛嬌でしたが、杉本章子さんのシリーズは楽しませていただきました。いろいろ物色していて、なかなかこれとくるものがなく、これまで知らなかったこの著者のこの作品を見つけました。 これはその後も続くことになる「高瀬川」シリーズの第一巻です。舞台が京都ということで私にはイメージもわかず高瀬川という川も知らないのですが、この交通の要所である京都の高瀬川沿いの「旅籠」という場を作品の背景に設定した点に興味が惹かれ手に取ったというところです。 時代は18世紀の後半に取られています。もともと雑誌に連載された7編の作品が収録くされています。作品の展開はこの7編が有機的に関連しており、7篇目の最後で一応の大上段を迎えるというつくりになっているので、最初から読んでいくことが必要でしょう。旅籠に関わるいろいろな職業や役を背負って多数登場する登場人物(お鶴、宗因、平太、お時等)も徐々に紹介されていき、その人物たちの一筋縄ではいかない関わりも徐々に明かされていくというスタイルが取られています。 このそれぞれのストリーの骨格を彩るのが四季の移り変わりであり、それぞれの篇に収められている「ささいで日常的なストーリー」です。けっして大がかりな謎やトリックが提示されるものではなく、かつ本作品には中心となる登場人物もおらず、それぞれの人物が狂言回しとしての役を演ずるだけで、この日常的なストーリーがこの作品の肝のようです。この種の時代小説の常で、どれもたわいもない出来事ですが、それぞれが川沿いの旅籠という独特の場を彩る人物たちの人間関係の中に見事にはめ込められており、それぞれが余韻を残した結語を迎えていきます。「冬の蛍」やその逆説めいたエンディング、そして「鴉桜」は残酷な結末を感じさせないエンディングで印象に残る作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
京を舞台に繰り広げられる、刀を捨てた居酒屋の主人と高瀬川の人々の人生。 京都舞台となると、多くが幕末ですが、本来、鴨川内は江戸城内と同様に刀を抜くことが許されません。 つまり、剣術でお話を締めることができません。 剣でおさめない話筋の鮮やかさは感動です。シリーズ物で毎回どのようにおさめるのか、楽しみになります。 剣でなければどうおさめるのか・・・、それは情です。それも江戸とは微妙に違う京の情。 そのために描かれる、人々の心の機微が巧みで、江戸時代の間思考をとてもよく表した作品です。 「時代小説と言えば剣術」と思っている方には特にオススメです。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 2件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|