ニュースキャスターもする推理作家沢木麻沙子のもとに、深夜1本の電話が入った。

大阪―札幌間を走る豪華寝台特急トワイライトエクスプレス―その最後尾に設けられた夢の特別スイートは『動くホテル』とも称され、チケットの入手は絶対不可能との伝説さえある。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

上野下町界隈から、児童三十名が忽然と姿を消した。翌日、未曾有の激しい雨と雷が帝都を襲った。

無認可保育園の園長にして、ヤバイ仕事も引きうける私立探偵。

両親が同時に家出をして「子子家庭」になってしまった坂部家の大黒柱は、小学六年生にして主婦役をつとめる律子。

ラザロとは、イエスによって、死から甦った人物。彼はなんのために還ってきたのか。

一流ゲームソフト企業リューエイに就職が内定した大学生隅野はこの際、遊び相手の女子大生規子を友人に下げ渡すことにした。

中学時代憧れていた山岡が、医師として村に帰ってきた。久しぶりの再会をした真紀だったが…。

電話の通じなくなった嵐の別荘地で起きた密室殺人。二つの隣り合わせの密室で、別々に死んでいた双子のごとき美人姉妹。

六十七歳の女性が欠陥洗濯機により感電死し、製造元のK電機工業は、世間の非難を浴びるが、強硬な姿勢を崩さなかった。

みんなに愛されていたオカマのマサコちゃんが、全身をめった打ちにされて殺された。

義兄の伸太から父危篤の報せを受け、由佳は13年ぶりに大阪へ帰郷する。

’90‐’98未収録短編集。初期短編から最新ショートショートまで全12編、雑誌未掲載の結末も収録。

白い「霧」が人間を襲い(「霧の恐怖」)、妖しい仮面が女たちを死へと誘う…(「鴇色の仮面」)。

卒業論文を仕上げ、巣立ちの時を迎えた『私』。

パソコン通信が生んだバーチャル・アイドル〈姫〉。その正体を巡りパソ通仲間は大騒ぎを繰り広げている。

一夜にしてスターの座についた竜崎晶を祝う伊集院大介のもとに、ニューヨーク市警の捜査官が訪れた。

阿佐ヶ谷のマンションで商社の若手社員が殺された。

新宿・アンダーグラウンドを克明に描いた気鋭のデビュー作!おれは誰も信じない。女も、同胞も、親さえも…。

時計を捜して森をさまよう翠の前に現れた穏やかで柔らかい声の主、瞳に温かい光を宿すそのひとは手触りの粗い「事実」という糸から美しい「真実」を織りあげる名人だった―。

鼓作りの男が想い焦がれた女性へ、嫁ぐ時に贈った自作の鼓。その音色は尋常とは違い、皆を驚かせた。

春の午後、ひとりの主婦が惨殺された。難航する犯人捜査があらわにする人々の心の奥底にひそむ哀しみと、悦び。

伊豆の名門ホテルに政界の実力者三人が集まった。

静岡県の寸又峡で男が二人あいついで殺された。被害者のテレビ記者が残した言葉は「面白い人」。

仙台西署に配属されたばかりの女刑事・呉竹緑は、仙台の奥座敷といわれる秋保温泉での殺人事件に遭遇した。

昭和十七年、日本軍はシンガポールを占領し、昭南島と改名した。

作家の鳥越裕奈と白石淳弥が電撃結婚!オレの同居人、桜川ひとみはド田舎にある柚木野山荘に呼ばれた…。

名探偵・墨野隴人が帰ってきた!陽気な未亡人・村田和子は、親友・春日アヤメから怪事件の相談を受けた。

鳥取・米子の奥座敷皆生温泉のホテルで女の絞殺体。大阪・伊丹空港ターミナルビルの職員通路で男の刺殺体。

御殿場での放火殺人。女声の密告電話で、犯人と名指しされた女には完璧なアリバイがあった。

日本陸軍参謀本部で孤独に綴られていた稀有の戦中日記『彼方より』と、待望していた敗戦の日に立ち会うことなくいきなり戦後に放りだされ、小説とひとの愛をひたすらに求め続けた苦い彷徨の記録『黒鳥館戦後日記』『続・黒鳥館戦後日記』、全三冊を収録。

夏休みを利用して与論島へ行ったきり、帰ってこようとしない娘を連れ戻してほしい―大学で民族学を講じる若杉徹は、教え子の父親で不動産会社社長の大河内専造から奇妙な依頼をうけた。

北アルプス・槍ケ岳の観光開発をめぐり、鎬を削る若手エリート―国井、村越、弓場。

恋と仕事に燃えつきた武林無想庵の妻・宮田文子。

’95年1月17日、未曾有の関西大震災発生。

彼女は生後わずか一ヵ月のとき、殺人現場にいた。

平和で安全な世界でなければ生きる価値はない、と思う人間があまりに多すぎやしないか。

杉林で発見された二体の白骨。その片方は行方不明の姉だった。

13歳の天才棋士に敗れ、挫折した男が16年後、将棋の表舞台に現れた。

三十年前の十二月、彼がなにをしていたか、調べてほしい…。興信所調査員の私が依頼されたのは、無名の男の行動調査だった。

二十年前の忌まわしい事件が彼らの運命を翻弄する―。現役の医師が、人間の心に潜む闇を描く衝撃の医学ミステリー。

一年前、誰かが私の人生に魔法をかけた。鳥山敏治。

21世紀はこの小説で始まる。点状出血、内臓溶解、骨格筋の爆発的なケイレン。

昭和二十八年春。小説家、関口巽の許に奇怪な取材依頼が齎された。

失われた過去の記憶が浮かびあがり男は戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺したのか。

親友の恋人を手に入れるために、俺はいったい何をしたのだろうか。

教会を離れた私が性の遍歴から帰還すると、襲撃を受け障害者となったギー兄さんは、遙かに大きな存在となっていた。

本書は、『悪夢、買います』、『隅の少女』、『呪いの花園』、『幻のタイトロープ』、『失われた恋人』、『幻のプロポーズ』の6編を収録した。

探そうとしても、見つからない。いつかどこかに現れる、「ふしぎな名画座」。

血塗られた時計塔の惨劇は序章にすぎなかった。

薬物中毒者の相互更正補助施設「セイル・オフ」に、あらゆる感情が「死んで」いる男が入所してきた。

ヴァンパイア事件に揺れる東京に現れた、もうひとりの殺人狂。謎のバンド「ゾディアック」のライブに潜入を試みる滝沢稔…。

不当な疑惑を理由に夫から突然、離婚を迫られる北条由紀。

深夜の新宿二丁目、次々とオカマを襲いその小指を切り落とす謎の殺人者。

美しすぎて。だからあなたが殺される!あのタカチの同性の恋人は、二年前に殺されていた…。

静岡県石廊崎海岸で看護婦・佐藤道子がスキュバダイビング中に溺死した。静岡県警は事故死として処理した。

血液型はB型。外国製スポーツカーに乗った若い男。

血液型はB型。外国製スポーツカーに乗った若い男。

肉親もろとも家も工場も焼失し、仮設住宅にも恵まれず、ローンに苦しむ市民をよそに、不正融資、損失補填を摘発された銀行や証券会社を次々に脅迫、巨額の金を要求し、強奪する一味が出現した。

自分の職場から大金を盗み、その嫌疑を同僚に着せてしまおうと、サラリーマンが計画を練った!計画は周到な準備ののちに実行され、首尾よく大金を手にしたのだが…。

自分の職場から大金を盗み、その嫌疑を同僚に着せてしまおうと、サラリーマンが計画を練った!計画は周到な準備ののちに実行され、首尾よく大金を手にしたのだが…。

「真梨子が緊急入院したのよ、自殺未遂かもしれないって…」 原田は呼んでも一向に応えない娘に強く語りかけた。

警視庁人事二課の環敬吾が率いる影の特殊工作チーム。

「物書き」とは?「音楽」とは?「表現」とは?etc…奇才・万月があなたのすべての「問」に答える!作家花村万月の集大成。

鉄壁の防犯システムを誇る金融会社「あかつき商会」の社長・川俣徳一郎が殺害された!なぜ防犯システムは作動しなかったのか?休暇中だった川俣が社内にいた理由とは!?―東京・蒲田署の若手警部・左保田は、DNA鑑定を駆使して証拠をつかんだが…重要証人が転落死する事件

雑誌の特集で邪馬台国を取り上げることになった津野田のもとに親友・乃木の自殺が知らされる。

寛容なベテラン同心と厳正な青年同心の衝突を軸に、市井の人々の運命の転変をつづる端然として豊饒な人情捕物帳の白眉。

奥様は料理名人の台所探偵。

宮野叢子が旧家の連続殺人を禍々しく描き、乱歩から『一種の気魄を持つ特異の力作』と賞された「鯉沼家の悲劇」。

作家、評論家をはじめミステリーマニアの集まる下宿屋・時鐘館。編集者の催促を前に「原稿は一枚も書けていない。

作家・内田康夫のもとへ名探偵浅見光彦宛ての手紙が届いた。

唯一の肉親である姉とその夫の失踪、残された幼い姪の“イズミ”という記憶―郡山・猫啼温泉、佐賀・有明町、宮津・天の橋立と、歌人・和泉式部の縁が交錯する殺人事件の行方は…。

はにかんだ表情にありあまる好奇心を隠し、悪にはめっぽう強いが女性にはからっきし弱い。

昭和十六年十二月八日、真珠湾攻撃、日本軍が歴史的勝利を収めた直後、空母「蒼龍」に着艦した九九艦爆搭乗員、榊原大尉が操縦席で不可解な服毒死を遂げた。

無茶苦茶な誘拐事件だった。身代金が金塊二トン(時価32億)。

お水取りの行われる奈良・東大寺の二月堂裏で若い女性が全身びしょ濡れの死体で発見される。

真鶴の海岸近くの崖から男が突き落とされ墜落死する。

一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。

都内に高級クラブ等を所有する伊勢商事社長、36歳の伊勢孝昭は暴力団に会社の経営を任されていた。

「わたしはお岩、お岩の幽霊よ。今度の芝居の脚本だけはおことわんなさいよ。

北アルプス上空で、原子力科学者雨村の搭乗した旅客機が航空自衛隊機と衝突し、墜落した。

北アルプス上空で、原子力科学者雨村の搭乗した旅客機が航空自衛隊機と衝突し、墜落した。

消息を絶った高校の同級生・藤代瑛子を探す三尾健治は、銀座のバーのマダムを訪ねるが、マダムは何者かに殺されていた。

新進作家・有坂信が手配した中元の依頼書に、他人のものが紛れていた。

多様化する現代犯罪に対応するため設置された「警視庁科学特捜班」、略称ST。

自立できない夫との生活に疲れた女は逃げ場を求めた。しかしそれが彼女の「脱線」の始まりだった…。

敦賀半島水晶浜、午前四時。誰一人その惨劇を予測することはできなかった-。

たった数十人の兵士のゲリラ戦に対して、日本の国家は、政府はどう動くのか。そして悪夢のような光景が目前に広がる…。