大都市の欲望を呑みつくす東京湾。ゴミ、汚物、夢、憎悪…あらゆる残骸が堆積する埋立地。

いつでも車がそばにあった。この短篇集のかげの登場人物は様々な名車たち―自動車と若い男女が織り成す物語十二篇。

人が生まれながらに持つ純粋な哀しみ、生きることそのものの哀しみを心の奥から引き出すことが小説の役割りではないだろうか。

いったいなにが起こったというのだろう。まわりの人々の目から正気の輝きが急速に消えていく。

新宿署管内の公園で中年のホームレスが撲殺された。犯人は三人の少年だった。

第48回日本推理作家協会賞受賞！

超有名進学校「灘校」に八番で入学。

神秘恐怖の世界を狂熱で描く。

その男、羽生丈二。伝説の単独登攀者にして、死なせたパートナーへの罪障感に苦しむ男。

カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。

―人間って、本当に馬鹿だわ。見当外れのことでわざわざ、私たちを駆り立てて…。

事業に失敗して莫大な借金を抱え、一家心中を決意した白浜家の人々の前に、見知らぬ男から奇妙な申し出があった。

テニス同好会の合宿中に、妻子ある顧問の先生との火遊びのあと、何者かに殺された“彼女”―6年後、テニスウェア姿のまま後輩たちの前に現れて、「私を殺した犯人を探して!」と(「幽霊はテニスがお好き」)。

吹き飛ぶ常識、舞う論理。だから物ごとは予想もしない方向へと転がっていくのだ。

ただ独りで音もなく犯罪者に食いつく―。「新宿鮫」と怖れられる新宿署刑事・鮫島。

法務大臣の娘・佐伯英子を相手に、ベッドで引き金を絞った英国破壊工作員・伊達邦彦に連絡が入った。

あの夏、軽井沢で、ジョンは幽霊と便秘に襲われた!注目の新人が描く愛と感動のファンタジー。

チンパンジーの言語能力を研究する科学者・井手元のもとで飼育されている天才チンパンジー、カエデ。

芸大教授・七裂鉄人が研究室で殺害され、江戸の絵師、画狂人・北斎に関する未発表の新資料が盗まれた。

太政官弾正台(役人の汚職を調べ糾弾する役所)の大巡察、香月経四郎と川路利良がフランス人美女エスメラルダの力を借りて次々とおこる謎の事件を解明する。

弾正台(役人の汚職を調べ糾弾する役所)の大巡察が美女・エスメラルダの力を借り、新生政府の黒い霧を暴く本格探偵小説。

クラスメートの将太に脅され、泣く泣く、アニメのコミックやキャラクターグッズの万引きをくり返す慎治。

様々な職場で“運命”に弄ばれる女性たち。哀しき現実と向かい合い、追いつめられた彼女たちは、ついに…。

疫病の流行する山村に閉じこめられた非行少年たちの愛と友情にみちた共生感とその挫折。

立派な軍人とは如何なるものであったのか―。熾烈な太平洋戦争を生き抜いた軍人たちの実体験を描く戦記小説集。

津田は小さな雑貨の卸売会社に勤める28歳の独身男性。今日は、15人の社員のうち5人が休みで、目のまわるような忙しさだ。

K工業グループのオーナー・北中茂也が後頭部を重いもので殴られ殺された。発見者はお手伝いの足立みち子。

浅見陽一郎刑事局長が苦境に立たされた。越前大観音堂に絡む不正を揉み消して欲しいと、地元有力者に圧力をかけられたのだ。

ターン、ターン、その繰り返し。でもいつかはリターンしたい。

仕事と恋の同時進行。私の前に現れる被疑者たち、みんなちょっと不思議。

関わった者たちを破滅へ導くという未完の原稿「聖域」。

季節外れの大雪に見舞われた盛岡で、夜間、7歳の少女がひき逃げに遭った。

資産家老女の架空名義の銀行預金一億円を横領した男女銀行員。

「私を消して下さい。しかも、むごく静かに…」“事故処理屋”を自称する殺しのエキスパート・星名五郎の許を訪れた奇妙な客。

商社に勤めるOL・貴浦志鶴子はいつのころからか自分は両親と血が繋がらないのでは、との疑問を抱くようになった。

キャサリンのペット、九官鳥が脱走。捜査を頼んだペット探偵から、数日後、発見の報が入った。

社員旅行の下見で田沢湖・角館方面へ出張扱いで出かけた経理部員の児玉千晶は、同行した営業課長に森閑とした渓谷で乱暴された。

普通のサラリーマンとして人生を過ごしてきた男が最後の賭けに出た。

「わが艦隊は東洋一の無敵艦隊だ。

犯人の足跡は、壁の中に消えていた!?養老院「天幕荘」を舞台とした恐るべき事件は、奇妙な密室殺人から始まった。

諸君はアッシャー家の崩壊を見いだすだろう―予告の電話は真実を告げていた。

幽霊坂の下にある桜林公園に、夜光怪人が出没するといううわさが広がっていた。

製作スタッフすら、その攻略には

作詞家が中毒死。彼の紅茶から青酸カリが検出された。

死んだ取引相手の男が渡したのは籠に入った赤ん坊だった!?依頼人も行方不明となり事件の謎を調べ始めたアルバイト探偵隆クンは二人組の男にら致されてしまう。

絶滅したはずの天然痘を使って黒人社会を滅亡させようとする非人間的な白人支配層に立ち向かう若き日本人医師。

「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」。

そのゲームには「日本」が封印されている!?人気沸騰のゲームソフト「蓬莱」を開発したソフトハウスは、パソコン版に続きスーパーファミコン版を計画した。

帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に隠したという時価200兆円の財宝。

鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。

大学のミステリィ研究会が「ミステリィツアー」を企画した。

自分の体を成功報酬として、“便利屋”に実の姉捜しを依頼する「美鳩」。

駅のホームで、突然見知らぬ男たちに囲まれたクロロックとエリカ。

高校一年生の沢柳有貴は、母・智春と二人暮らし。二代目社長になった父・伸男とは別居している。

京都で探偵事務所を開設した私に、依頼人が二名。

ミステリー界に薫風を吹き込みつづける“本格推理”シリーズ。

小さな呟きが頭蓋の芯で反響しあい、叫び声が心底で、恐怖と歓喜に充ち百のシンバルのように激しく轟きわたる。

雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。

ホラーを知り尽くした著者が、自信をもっておくる本格的怪奇小説の決定版!とにかく怖い!怪奇実話作家のもとに持ちこまれた一冊の日記帳。

三島由紀夫邸を寸分違わずコピイした変奇な館の落成パーティが、四人の運命を手繰り寄せた。

乱歩賞受賞の処女長編でありながら、中国人名探偵陶展文の活躍を、清新かつ簡潔で乾いた文体、独得のユーモア、優しく成熟した人間認識で描き、大人の風格を漂わせる『枯草の根』。

乱歩賞受賞の処女長編でありながら、中国人名探偵陶展文の活躍を、清新かつ簡潔で乾いた文体、独得のユーモア、優しく成熟した人間認識で描き、大人の風格を漂わせる『枯草の根』。

満員の後楽園球場。

架空の世田谷区議の名刺を持った男の毒殺体が上野公園で発見された。

秋深まる地獄谷温泉で、観光客が発見したのは同じ拳銃で殺された人と猿の死体だった。

浅草6区の映画館で、若い女の死体が発見された。女の身元を刑事たちが洗っていくうちに、彼女の意外な素顔が明かされていく。

家庭内殺人。ストーカー。

都内のマンションでOL殺される。死者の胃から現われたメッセージ。

モーツァルトの子守唄が世に出た時、“魔笛”作家が幽閉され、楽譜屋は奇怪な死を遂げる―。

ともに恋人を失った友人同士、夏子と冬子は退社して、京都でスナックを開店することに決めた。

最新テクノロジーの中に、新しいトリックの可能性を探り、取り入れ続けた山村美紗。

フェザーンを占領し、宇宙統一の野望を一歩前進させたラインハルトは、同盟へ向けて進攻を開始した。

42歳の並木響子は、復讐を遂げた。名前も年齢も偽り、掃除婦として潜り込んだ会社の副社長室で、男を刺し殺したのだ。

真面目な教師が下着泥棒となり(「手首の問題」)、愛する女性が殺人犯を匿っていることがわかり(「天使の通り道」)、自殺を決意してホテルに来たが(「断崖」)、愛人と入水心中をしたが(「みれん」)…。

長身で二枚目、行動は些か心許ないが、虫や雲を撮ることにかけては右に出る者のない実力派カメラマン、亜愛一郎。

帝国海軍の象徴・東郷元帥の短剣を探し出してほしい―兄・陽一郎の知人の依頼で、ルポライター浅見光彦は短剣が盗まれた広島県江田島の海軍兵学校跡へ。

浅見光彦が淡路島の寺で出会った製薬会社の営業マンが刺殺された。

百物語とは、同好の士が集まり、それぞれが持ちよった怪談を披露しあい、百の怪談を話し終わると、異変が起きるというものだ。

ドライブに連れてって。

時はバブル期。

名探偵・浦上伸介が不可能殺人の謎に挑む。

夫に恋人がいると知った時、不幸を背負いきれなくなった時、絶望の迷路の中から彼女たちが仕掛けた繊細で大胆なトリック―切実な女たちをめぐる、愛のミステリー短編集。

いちばんの快感は、他人の意思、あるいは意志をねじ曲げることである。

「私」中里雄一は、コンビニエンス・ストアの店員である。

妻の不貞が原因で離婚し、三十数年勤めた会社も辞めた北尾俊也は旅に出た。

家出人捜し屋の片山は、米国人ハサウェイの依頼で5人の男を捜していた。

老舗のデパート・都屋百貨店の営業企画室に勤務するエリート社員・有馬正一が中心になって推進した支店系列化計画は大成功を収めたかにみえた。

巨大企業・紀尾井グループの総帥の令嬢姉妹が搭乗していた小型飛行機が、北アルプス後立山の「幻の谷」で消息を絶ったという報告が入った。

今、人気上昇中の女優、小月さゆりが殺された。そのニュースは村岡智子に衝撃を与えた。

明治19年、薩摩出身の有馬四郎助は、北海道月形の樺戸集治監の看守に着任した。

樺戸、空知の北海道二つの監獄を舞台に有馬四郎助をはじめ石川県令・岩村高俊、若き日の幸田露伴、山本五十六の兄・高野襄、監獄教誨師原胤昭、酔っぱらい医者・独休庵、そして加波山事件、秩父困民党の関係者たちが繰り広げる奇想天外な物語。

この死体は硬い。が、それはたんに乾燥しきっているからにほかならない。

早川明子は、京都・大野原の十輪寺で京南大学文学部助教授の細川和也と知り合う。

金閣寺で、顔を金色に塗った女が死んでいる―思い出の古都を訪れた朝比奈耕作を、衝撃の事件が待ち受けていた。

男は録音スタジオの中で頭を銃弾で撃ち抜き自殺した、と信じられていた。