無情の世界
- 快楽殺人 (13)
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トライアングルズについては、確か芥川賞の選考会でここに書いてあるのはロボットであって人間じゃないとか、ボロクソに言われたんだよなあ。でも、それこそ作者の狙いでは?と思ったが。 ストーカーである先生の教え子である語り手もまたストーカーと化してしまうところとか、色々あるが、基本的には神話的な枠組みで進んでいく小説だと思う だから、近代文学的な意味での心や人間は描かれない。 それがロボットに見える、ということだろう。まあ、ロボットではないのだが。 人間のロボット性みたいなものだろう。 人間とは理知的で、優しく、真心があって、少し愚かだけれど、憎めないんだよなあ、なんて価値観の人からすれば、 この作品集に描かれた人間たちのなんと不気味なことか。 それを思うと笑ってしまう。 それと、やはりこの文学性の剥ぎ取られた完璧な文体、作者の大きな魅力の一つだと思う。 いわゆる文学臭さがない。 日本近代文学臭さ、というやつが。 ポップとも違うのだが、当時はJ文学などと言われていた。 20年程度経つが、再読しても、古びていないし、物語の見事さは十分に感じられた。 | ||||
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テイストは、好きなipの形式に近いです。 結局はなにやらかにやらわからない、ドグラマグラなとこも、かなり計算されていて、好きです。シンセミアは、その、表裏のか細い世界が、完全に、在りもの、と、なってしまい、この頃の、寄る辺無さの方が、なんか切なくて好きです。 短編で成り立っていて、最初の割に長い話が、主客がはっきりせず、 どういうことか分からないままに展開するのですが、 細部まで、そのやり方を計算し、効果を出そうとしているのは、小説ならではで、 どうも映像化しようもなく(ただの共感不能なヒステリック犯罪映画にしかならない)とても、文章の力を感じました。 | ||||
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彼の作品で、ピストルズを著んだのが、最初だった。これがまた、すごい長編で、どうなるものかと思いましたが、彼の筆力に引かれ、ついつい読んでいるうちに最後まで読み通した。内容は、時に過激な発言もあり、バイオレンスのにおいが紙面からも伝わってくる。読者によっては、好みがはっきりと二分するのでは、と思えわせる。独特の世界が広がる、移植作家のひとりとして注目している。 | ||||
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巻頭編が印象的ながら、語り手と語り口における妙、そして微妙なリアリティの暴力が三様に展開。 | ||||
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阿部和重さんの初期の頃の作品は、とっても饒舌である。この饒舌さは、深さとともに広がりをともなってがいるゆえに、ストーリーを追うのが難しくししまっているように思う。 『無情の世界』は、そんな中でもわかりやすい短編集である。『インディヴィジュアル・プロジェクション』や、『アメリカの夜』、『ニッポニア・ニッポン』のようにアイデンティティーの問題といった明確なテーマを見出すことはできない。収録されている三作品に通底しているものを探し出すとするなら、鬱屈した暴力の発露となるだろうか(無理やりの解釈だけれども)。 ■トライアングルズ 父親の不倫相手へ宛てた小学六年生の少年の手紙という体裁の作品である。彼女へ恋をした少年の家庭教師の行状がつづられていく(彼女へ恋をしたがゆえに、少年の家庭教師にもぐりこんだわけだが)。少年の家庭教師への同情的な視線から、家庭教師のストーカー行動が明らかになっていくのだが、家庭教師のへ理屈とも言うべき饒舌さが少年というフィルターを通して可笑しみに変換される。ラストの修羅場はなかなか衝撃的である。 ■無情の世界 高校生が深夜の公園で見かけた露出マニアの女性。欲情をもよおし近寄ってみると、なんと、死体だった というお話し。高校生の内省的な世界に油断していたら、ちゃんととオチがついていた。 ■鏖 不倫関係を楽しむオオタツユキが、ファミレスで同席した中年男。男が見ていたテレビモニタには、不倫中の妻が写し出されていた。不甲斐ない男に、噛み付くオオタ。男はオオタに自身のテレビモニタを預けて、姿を消してしまう。やがて、男が不倫をはたらく妻を間男を撲殺する姿がモニタに ・・・ これに、盗みで窮地に陥っているオオタとオオタの不倫相手とのゴタゴタが絡み合って、奇妙な物語が展開される。錯綜していながらスピート感がありすっきりとまとまっている。本短編集ではいちばん読み応えがある作品だ。 | ||||
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