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葛橋

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あらすじ

2001年01月01日 葛橋 (角川文庫)

東京で、証券会社に勤務する青年・竜介。多忙を極める仕事と、半年前に妻を交通事故でなくした心の傷から逃れるがごとく、郷里、高知の寒村に帰省した。そこで後家の篤子と再会し、次第に心惹かれて行く。向こう岸の山の斜面に建つその家を訪ねるには葛橋を渡らねばならない。古事記の伝説に基づき、黄泉の国とこの世をつなぐといわれる葛。その葛で編まれた吊り橋が竜介にもたらしたものは…。男と女の心に潜む亀裂と官能が、深い闇から浮かび上がる表題作を含む、傑作中編小説集。(「BOOK」データベースより)

評判

葛橋の評価:

7.00/10点 レビュー 1件。 C ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.00pt

葛橋の総合評価:

8.90/10点 レビュー 10件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全1件 1〜1 1/1ページ
No.1
(7pt)

暗鬱な物語を求めるのでなく

坂東眞砂子氏の中編集。彼女お得意の土俗ホラーというものではなく、2編が怪奇物で1編が奇妙な味系か。

まず怪奇物2編は冒頭の「一本樒」と末尾の表題作。
前者は妹のやくざ紛いの情人が姉夫婦の家を付き纏うというお話。ネタ自体は特に目新しい物はないのだが、樒やまたたび酒などの小技が効いている。
後者は妻を亡くした男が仕事の忙しさに疲れ、故郷の徳島に帰った時に出くわす怪異譚。この作品のモチーフとなっている葛橋は私も祖谷にある物を渡った事があるだけに興味深かった。古事記の伊邪那岐命の話から葛橋はあの世とこの世を結ぶ橋という設定を生み出した(実際そう伝えられているのかもしれないが)坂東作品の王道であるが、処理の仕方がいまいちか。

残る1編は奇妙な味とも云うべき「恵比寿」。高知県の漁村に住む主婦、宮坂寿美が主人公で、サラリーマンから漁師へ転身した夫、3人の子供に舅姑の七人家族を支えて毎日慌しく過ごしていたある日、いつものように夫と子供らを送り出してパートに出かける道すがら、海岸に打ち上げられた奇妙な物体に気がつくことから物語は始まる。淡い灰色のその塊はぐにゃぐにゃと柔らかく泡を固めたような物だった。家に持ち帰ると舅はかつて自分が漁師だった頃に南方の島で異国の者に見せてもらった鯨の糞だという。恵比寿様の贈り物だといって神棚に奉納していたが、寿美は娘の個人面談の時に娘の担任教師にその物体について尋ねたところ、龍涎香という抹香鯨の結石で香料として使われ、非常に価値のあるものだという。宮坂一家はその知らせに大金獲得の夢に思いを馳せるのだが、というストーリー。
坂東作品の中では珍しくどこかコミカルであり、新機軸として面白く読んだ。皮肉なラストはちょっと余計かなとも思ったが、この作者らしからぬ処理の仕方に逆に好印象を持った。

各3編に共通するのはどれもがどこか片田舎を舞台にしているということで、それぞれが小市民ながらも一生懸命生きているという生活感が滲み出ているところ。坂東作品の持ち味である登場人物が抱える業が無いのも珍しいと思った。
『屍の聲』が短編であるのにもかかわらず、それぞれの登場人物が業を抱えているのにだ。しかしそれゆえにちょっとあっさりとした感じがするのも確か。
全く贅沢なものである。

Tetchy
WHOKS60S

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.9
(5pt)

大変満足です。

坂東眞砂子著の作品はコレクションして殆ど持ってますがこの作品のみまだ入手しておらず今回購入させて頂き凄く良い状態です満足です。
葛橋 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 葛橋 (角川文庫)より
404193205X
No.8
(5pt)

大変満足です。

坂東眞砂子著の作品はコレクションして殆ど持ってますがこの作品のみまだ入手しておらず今回購入させて頂き凄く良い状態です満足です。
葛橋 Amazon書評・レビュー: 葛橋より
4048731432
No.7
(4pt)

安定の読みやすさ

友達の家で怖い話を聞かされて、、
いつもの帰り道、エレベーターがあく瞬間や、風呂で1人シャワーを頭にかけて正面の鏡にうつる自分。人の視線を感じるようなザワザワした気持ちにさせる。湿度のある不穏な空気を書かせたら右に出るのはいない坂東女史。「一本樒」は、割とステレオタイプなキャラクターの出る話。妻側の視点だと妻が悲しすぎる、最後の樒酒を差し引いても。同じ話を夫の立場や妹の立場でリレー的にも追わせても面白かったかなと思う。というかちゃんとオチを最後まで読者にサービスして欲しい。「恵比寿」は、ある種、意味のないようなこんな話が物語として切りとり私はとても物語にはできないと感じたので著者の才能を感じた。表題「葛橋」著者らしい都会と田舎、男と女、この世とあの世の対峙と鮮やかに交錯させているが、もう一捻りというか消化不良。でも、相変わらずの安定の文体と読みやすさ。著者にはもっと生きて沢山書いて欲しかった。
葛橋 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 葛橋 (角川文庫)より
404193205X
No.6
(4pt)

安定の読みやすさ

友達の家で怖い話を聞かされて、、
いつもの帰り道、エレベーターがあく瞬間や、風呂で1人シャワーを頭にかけて正面の鏡にうつる自分。人の視線を感じるようなザワザワした気持ちにさせる。湿度のある不穏な空気を書かせたら右に出るのはいない坂東女史。「一本樒」は、割とステレオタイプなキャラクターの出る話。妻側の視点だと妻が悲しすぎる、最後の樒酒を差し引いても。同じ話を夫の立場や妹の立場でリレー的にも追わせても面白かったかなと思う。というかちゃんとオチを最後まで読者にサービスして欲しい。「恵比寿」は、ある種、意味のないようなこんな話が物語として切りとり私はとても物語にはできないと感じたので著者の才能を感じた。表題「葛橋」著者らしい都会と田舎、男と女、この世とあの世の対峙と鮮やかに交錯させているが、もう一捻りというか消化不良。でも、相変わらずの安定の文体と読みやすさ。著者にはもっと生きて沢山書いて欲しかった。
葛橋 Amazon書評・レビュー: 葛橋より
4048731432
No.5
(5pt)

何度も読み返しています

この本は、図書館で借りて、よかったので、購入しました。
三編の中編が収められていますが、時々読み返しており、坂東眞砂子さんの作品では、
多分(全部は読んでいないので)一番のお気に入りです。
初めて読んだ時は、まだ主人公と同世代又は若っかった自分が、年を経てまた読み返すと
当時とは違った読後感が味わえました。
葛橋 Amazon書評・レビュー: 葛橋より
4048731432

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