梟首の島
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また一つ、坂東さんの新境地を見るような作品です。 最初の時点では19世紀末に、10年ほどの年を隔てて、ロンドンと高知で一見あまり関係なく進む2つの物語。 ロンドンでは、現地在住の日本人貿易商光明が、土佐出身の優秀な留学生の割腹自殺にまつわる謎を、スコットランドヤードの刑事とは別に解明しようとします。 高知では兄とは好対照で、勉強嫌いな少年東吉が、さまざまな人との出会いを通じて、自由民権運動の渦中に身を投じていきます。 やがて、岩神という姓が明らかにされると、ロンドンで客死した青年は、東吉の兄であることがわかります。 ロンドンでは別に殺人事件も起きて、謎が謎を呼ぶミステリーに仕立てられています。ベネディクトの「菊と刀」のような、西洋と日本の文化の対比が背景にあります。 そして土佐では、人生最大の危機を乗り切った東吉が、いよいよ東京を目指します。 | ||||
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この本は、一つのテーマについて書かれた二つの小説から出来ていると言っていいと思います。従って、その構成は、日本での物語とイギリスでの物語が交互に語られるという形を取っています。 日本での物語は、岩神東吉を主人公に自由民権運動が盛り上がってゆき、やがて、自壊してゆく様を描いてゆきます。今まで、自由民権運動というと、事件を中心にした物語しか読んでいなかったので、底辺から徐々にその運動の中心に進み、やがて、その限界を知って決別してゆく物語は非常に新鮮で、この部分が最も楽しめました。又、運動の倒壊部分は、70年安保を中心とした学生運動の倒壊の模様と重なり、興味深いものがありました。 イギリスの物語は、東吉の兄の大洋の切腹による自殺という衝撃的な事件の動機を探ってゆくミステリーとして楽しめる作品になっています。 この本で作者が言おうとしたことは、端的に言えば、タイトルの「梟首の島」=日本の本性だろうと思います。付属的に語られる「女性」の問題の考え方も興味深く読むことが出来ました。 | ||||
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表紙絵とタイトルと作者で、久々の新作長編ホラー?と思ったが、内容は、自由民権運動の草の根の物語。舞台は主に土佐とロンドン。 主人公は土佐の下級武家出身の兄弟。兄は秀才、弟はやんちゃ坊主。 兄はロンドンで切腹し、弟は土佐や東京で自由民権運動にのめりこんでいく。彼らの母もまた、女性の地位向上のために細々と活動をする。 作者にとって新境地であると思うが、坂東ファンをがっかりさせない不気味なムード、エロティックな描写は健在。 男と女の根本的な違い、西洋に染まっていく日本というテーマは、現代にもぴったりあてはまり、説得力があった。 | ||||
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