異型の白昼
- 拳銃 (222)
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古本なのいで書籍の状態はしかたないと思っています。たぶん大多数の日本人が抱いている鬱屈した気持ちを登場人物が代弁し、生き様を見せている素晴らしい作品。長編小説ですが、登場人物がすべて入れ替わる形で話が進んでいくので短編のように読めます。森村誠一さんのような素晴らしい作家に出会えてよかった。そう思える傑作です。 | ||||
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森村誠一氏は、これまでに社会派の硬質的な作品を多く書いてきました。しかし、本作品はこれまでのものとは少し趣が違い、実にユニークなものになっています。コルト45口径M1911A1と言う1丁の拳銃が主人公になっています。 この拳銃は、米国ブローニング社製の自動拳銃で、米軍を始め日本、韓国、フィリピンなどの軍隊で使用されているものです。それが何故か駅前のコインロッカーに隠され偶然にもそれを手に入れてしまうのです。無機的で鋭い殺傷力を持つ凶器を手に入れた人間が、はるかに強大な力を得たことで“変身”してゆく姿をユニークに捉えています。 さらに、コルトM1911A1は駅前のコインロッカーを中継地点にして所有者を転々と変えていくのです。森村氏が初めて週刊誌に連載した長編ですが、コルトM1911A1が所有者を替える度に人物も舞台も変わるので短編の連作、オムニバス形式となっています。 従ってコルトM1911A1は作品を通して一貫して登場しますが、人物、舞台、職業は次から次へと変わっていきます。面白いのは登場する人物の職業が、あまり知られていない業種にスポットを当てていることです。読んでいて非常に興味深いものです。 選挙立候補者、銀行員、証券会社、麻薬の密売人、市内で争うT自動車とN自動車の部品工場の従業員など他です。そして、それらの実情や内幕を如実に記述しています。ラストの章では小説家志望者が登場します。 文学中毒症の夫は家業の老舗旅館の経営を妻に任せて、売れない小説を書き同人誌を自費で出版していました。夫は誰も書き手がいない同人誌の空欄を埋めるために妻の佳子に短編を書かせました。妻の佳子は大学の文学部出身で、その時夫の文学論に魅かれて結婚したのです。多少なりとも手習いがある佳子の短編が同人誌に掲載されました。 どうなるかは読んでいて分かりやすいのですが、佳子の小説は出版社の編集者の目にとまります。もちろん夫は妬みます。その掛け合いのところは秀逸です。佳子の手元に有ったコルトM1911A1は必要なくなりました。佳子はコルトM1911A1を元あった駅前のコインロッカー入れて、鍵を見知らぬ通行人のバックの中に放り込みました。また転々と所有者を変えてゆくのです。 そして最後の最後はユーモア小説として仕上げられています。実に滑稽な結末なので詳しくは控えます。本作の後に「異型の深夜」「異型の街角」と異型シリーズは繋がっていきます。 | ||||
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森村誠一氏は、これまでに社会派の硬質的な作品を多く書いてきました。しかし、本作品はこれまでのものとは少し趣が違い、実にユニークなものになっています。コルト45口径M1911A1と言う1丁の拳銃が主人公になっています。 この拳銃は、米国ブローニング社製の自動拳銃で、米軍を始め日本、韓国、フィリピンなどの軍隊で使用されているものです。それが何故か駅前のコインロッカーに隠され偶然にもそれを手に入れてしまうのです。無機的で鋭い殺傷力を持つ凶器を手に入れた人間が、はるかに強大な力を得たことで“変身”してゆく姿をユニークに捉えています。 さらに、コルトM1911A1は駅前のコインロッカーを中継地点にして所有者を転々と変えていくのです。森村氏が初めて週刊誌に連載した長編ですが、コルトM1911A1が所有者を替える度に人物も舞台も変わるので短編の連作、オムニバス形式となっています。 従ってコルトM1911A1は作品を通して一貫して登場しますが、人物、舞台、職業は次から次へと変わっていきます。面白いのは登場する人物の職業が、あまり知られていない業種にスポットを当てていることです。読んでいて非常に興味深いものです。 選挙立候補者、銀行員、証券会社、麻薬の密売人、市内で争うT自動車とN自動車の部品工場の従業員など他です。そして、それらの実情や内幕を如実に記述しています。ラストの章では小説家志望者が登場します。 文学中毒症の夫は家業の老舗旅館の経営を妻に任せて、売れない小説を書き同人誌を自費で出版していました。夫は誰も書き手がいない同人誌の空欄を埋めるために妻の佳子に短編を書かせました。妻の佳子は大学の文学部出身で、その時夫の文学論に魅かれて結婚したのです。多少なりとも手習いがある佳子の短編が同人誌に掲載されました。 どうなるかは読んでいて分かりやすいのですが、佳子の小説は出版社の編集者の目にとまります。もちろん夫は妬みます。その掛け合いのところは秀逸です。佳子の手元に有ったコルトM1911A1は必要なくなりました。佳子はコルトM1911A1を元あった駅前のコインロッカー入れて、鍵を見知らぬ通行人のバックの中に放り込みました。また転々と所有者を変えてゆくのです。 そして最後の最後はユーモア小説として仕上げられています。実に滑稽な結末なので詳しくは控えます。本作の後に「異型の深夜」「異型の街角」と異型シリーズは繋がっていきます。 | ||||
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森村誠一氏は、これまでに社会派の硬質的な作品を多く書いてきました。しかし、本作品はこれまでのものとは少し趣が違い、実にユニークなものになっています。コルト45口径M1911A1と言う1丁の拳銃が主人公になっています。 この拳銃は、米国ブローニング社製の自動拳銃で、米軍を始め日本、韓国、フィリピンなどの軍隊で使用されているものです。それが何故か駅前のコインロッカーに隠され偶然にもそれを手に入れてしまうのです。無機的で鋭い殺傷力を持つ凶器を手に入れた人間が、はるかに強大な力を得たことで“変身”してゆく姿をユニークに捉えています。 さらに、コルトM1911A1は駅前のコインロッカーを中継地点にして所有者を転々と変えていくのです。森村氏が初めて週刊誌に連載した長編ですが、コルトM1911A1が所有者を替える度に人物も舞台も変わるので短編の連作、オムニバス形式となっています。 従ってコルトM1911A1は作品を通して一貫して登場しますが、人物、舞台、職業は次から次へと変わっていきます。面白いのは登場する人物の職業が、あまり知られていない業種にスポットを当てていることです。読んでいて非常に興味深いものです。 選挙立候補者、銀行員、証券会社、麻薬の密売人、市内で争うT自動車とN自動車の部品工場の従業員など他です。そして、それらの実情や内幕を如実に記述しています。ラストの章では小説家志望者が登場します。 文学中毒症の夫は家業の老舗旅館の経営を妻に任せて、売れない小説を書き同人誌を自費で出版していました。夫は誰も書き手がいない同人誌の空欄を埋めるために妻の佳子に短編を書かせました。妻の佳子は大学の文学部出身で、その時夫の文学論に魅かれて結婚したのです。多少なりとも手習いがある佳子の短編が同人誌に掲載されました。 どうなるかは読んでいて分かりやすいのですが、佳子の小説は出版社の編集者の目にとまります。もちろん夫は妬みます。その掛け合いのところは秀逸です。佳子の手元に有ったコルトM1911A1は必要なくなりました。佳子はコルトM1911A1を元あった駅前のコインロッカー入れて、鍵を見知らぬ通行人のバックの中に放り込みました。また転々と所有者を変えてゆくのです。 そして最後の最後はユーモア小説として仕上げられています。実に滑稽な結末なので詳しくは控えます。本作の後に「異型の深夜」「異型の街角」と異型シリーズは繋がっていきます。 | ||||
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森村誠一氏は、これまでに社会派の硬質的な作品を多く書いてきました。しかし、本作品はこれまでのものとは少し趣が違い、実にユニークなものになっています。コルト45口径M1911A1と言う1丁の拳銃が主人公になっています。 この拳銃は、米国ブローニング社製の自動拳銃で、米軍を始め日本、韓国、フィリピンなどの軍隊で使用されているものです。それが何故か駅前のコインロッカーに隠され偶然にもそれを手に入れてしまうのです。無機的で鋭い殺傷力を持つ凶器を手に入れた人間が、はるかに強大な力を得たことで“変身”してゆく姿をユニークに捉えています。 さらに、コルトM1911A1は駅前のコインロッカーを中継地点にして所有者を転々と変えていくのです。森村氏が初めて週刊誌に連載した長編ですが、コルトM1911A1が所有者を替える度に人物も舞台も変わるので短編の連作、オムニバス形式となっています。 従ってコルトM1911A1は作品を通して一貫して登場しますが、人物、舞台、職業は次から次へと変わっていきます。面白いのは登場する人物の職業が、あまり知られていない業種にスポットを当てていることです。読んでいて非常に興味深いものです。 選挙立候補者、銀行員、証券会社、麻薬の密売人、市内で争うT自動車とN自動車の部品工場の従業員など他です。そして、それらの実情や内幕を如実に記述しています。ラストの章では小説家志望者が登場します。 文学中毒症の夫は家業の老舗旅館の経営を妻に任せて、売れない小説を書き同人誌を自費で出版していました。夫は誰も書き手がいない同人誌の空欄を埋めるために妻の佳子に短編を書かせました。妻の佳子は大学の文学部出身で、その時夫の文学論に魅かれて結婚したのです。多少なりとも手習いがある佳子の短編が同人誌に掲載されました。 どうなるかは読んでいて分かりやすいのですが、佳子の小説は出版社の編集者の目にとまります。もちろん夫は妬みます。その掛け合いのところは秀逸です。佳子の手元に有ったコルトM1911A1は必要なくなりました。佳子はコルトM1911A1を元あった駅前のコインロッカー入れて、鍵を見知らぬ通行人のバックの中に放り込みました。また転々と所有者を変えてゆくのです。 そして最後の最後はユーモア小説として仕上げられています。実に滑稽な結末なので詳しくは控えます。本作の後に「異型の深夜」「異型の街角」と異型シリーズは繋がっていきます。 | ||||
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