北アルプス上空で、原子力科学者雨村の搭乗した旅客機が航空自衛隊機と衝突し、墜落した。

文壇の寵児ともてはやされる若きベストセラー作家の浅沼は、出版社から請われて新人文学賞の選考委員となった。

都心の一戸建てに住む津田正吾の許に、深夜、痴漢に襲われたという若い女が飛び込んできた。

大手ホテルの課長が客の女性と同衾中、刺殺された。女性の夫が現行犯とし逮捕されたものの不可解な事実が浮かび上がった。

新入社員のふとした言葉に課長は青ざめた。この青年はもしや俺を追ってきたのでは?青年の出身地で彼は昔、女を殺した。

高層アパートに住むOL・志賀邦枝のひそかな趣味は、双眼鏡で他人の生活を覗くことだった。

妻は、あの幻の女ではないのか。立山の宿で一夜熱く貪り合った謎の女…おぼろな残像を見合い相手に重ねた魚住は結婚した。

飛び込み自殺をはかった女が死の直前に人生を逆行しながら再体験する「環状彷徨者」や、善悪正邪の転倒した世界に踏み込む謎物語「もう一人の自分」ほかSF的掌篇集「異次元の夜」と、サラリーマン社会に潜む現代人の虚無感と不条理な衝動を乾いた目で描く初期短篇五篇を収録

一九八二年九月、著者は戦後三十七年にして初めて“悪魔の部隊”の痕跡を辿った…。

OLが旅先で拾った恋が地獄の入口とは。

「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」。西条八十の詩集を持った黒人が、ナイフで胸を刺されて殺害された。

新幹線の車内で起きた毒殺事件と、都内のホテルで起こった刺殺事件。

戦後第七三一部隊の研究成果は米陸軍細菌戦研究所に受け継がれ、朝鮮戦争にまで影響を与えた。

その不動産会社は、立川が入社した際から怪しかった。東北限定、買占め一本槍という奇妙な社である。

棟居刑事は出張先の四国霊場・遍路宿で元区役所吏員の野田と相部屋になる。

OLの細川澄枝は社員のボーナス二千万円をタクシーの中に置き忘れる。

遅いデビューながら人気作家となった宮越には、胸に畳んだ青春の思い出があった。

深夜の寝台車で起きた人気タレント刺殺事件。犯人はいつ乗車し、どこへ消えたのか。

東京の巨大ホテルの社長が堅牢な密室で刺殺された。

会社のエースとして飛ぶ鳥を落とす勢いだった山名功は、突然、関連企業末端のゴルフ場に異動となった。

女をチンピラから助けたことで交際が始まった。初対面のはずなのに、二人の心の奥底に愛の記憶が蘇る。

始まりは新宿発、松本方面行きの最終列車、急行「アルプス号」だった。

わが国最大の兵器メーカー国武重工業の本工場にある豪華接待館。接待嬢の麻利は、その“幸せの間”で消されたのか。

山村で起こった大量殺人事件の三日後、集落唯一の生存者の少女が発見された。

平凡なOL貴浦志鶴子には幼児期の記憶に空白がある。

山頂から愛の信号を送ると約束し、恋人を山麓に残してひとり山頂をめざした影山だが、送られてきたのは遭難信号だった。

アパートの一室で若い女性の絞殺死体が発見された。一方、新興宗教の元本部跡にも同様の手口で殺害された女性の死体が…。

住民の八十パーセントが歴史と伝統のある浦島重工業の関係者で占められる浦島市では正社員、工員といった身分差別がいまだに厳然とあった。

校内暴力で荒廃し、不良生徒に牛耳られる都内S区の公立中学校。ついに、女生徒が公園で殺害される事件が発生。

戦時中に北海道のダム建設工事で亡くなった強制労働犠牲者の遺骨発掘作業に参加した神沼公一郎は、腐乱死体を発見した。

警視庁捜査一課刑事・山科正人は殺人事件の捜査本部に参加しているが、仲間にもペアを組んだ新宿署の牛尾刑事にも「話したくない秘密」があった。

財閥・紀尾井グループ会長の令嬢姉妹が搭乗していた小型飛行機が、北アルプス後立山で消息を絶った。

クリスマスイブの夜、オープンを翌日に控えた地上62階の高層ホテルの壁面に、巨大な光の十字架が浮かび上がった。

種々雑多な人間が去来集散し、人生の破片を落としていく駅・新宿。

美貌と一枚の名刺だけを頼りに上京した若い女性。ツテも実力も無く、甘い野望を背負って来た若者たち。

庵志津子が銀座の一隅に開いたクラブ「庵」は、政財界のVIPが毎夜集うサロンになっていた。

新宿の超高層ホテルの一室で、男性の死体が発見された。被害者は女性と宿泊する予定だったらしいがその形跡はない。

極秘訓練中の自衛隊機が、南アル

霧の中、公園でデート中のカップルが、暴漢に襲われた。二人を助けようとした警察官は、逆にナイフで刺殺されてしまう。

片倉宏は結婚相談所のパーティで出会った仁科里美に求婚するが断られてしまう。

博多発東京行のひかり116号で、不動産ブローカーが刺殺された。

何一つ不自由のない家庭に育った子供が起こした「いたずら」。そこには恐ろしい意味が隠されていた―。

平汎は、総合商社唯物商事株式会社に入社し、社内で最も冷飯を喰わされている食品事業部即席ラーメン課に配属された。

性欲の処理を出来ず勉強が進まな

スキーバスのダム転落事故から生

金色のネックチェーンをつけた女が、新宿中央公園で殺された。被害者は、かつて歌手として一世を風靡した蓼科由里―。

過去を捨て、警備員として暮らす桐生。迷い猫が縁で、飼い主の少女・翔子と出合う。

駅のホームで突き落とされそうになる。見知らぬ車に乗せられて誘拐されそうになる―。

資産家の木部信夫が突然失踪、直後に彼が所有する6億円もの不動産が売買されたことが判明した。

人気作家・北村が迷い込んだ麻薬パーティに参加予定の政界黒幕が、ホテルで不審な突然死。

政財界に多大な影響力を誇っていた大物総会屋・税所重信の変死体が雑木林で発見された。

平凡な日常を捨て、新しい人生への切り替えを計画していた三人の男たちが遭遇した殺人事件。

ホームレス老人・通称「会長」、自ら起こした会社が倒産に憂き目に遭った元社長・藤村久、窓際に追いやられた会社人間・南雲良一、親の束縛から逃れるために家出した少女・宮坂かおりの四人が捜査陣の向こうを張って殺人犯を追う。

三家庭に襲いかかった災いは、あの夜と関わっているのか?家庭内暴力、援助交際、恍惚老人―それぞれに家族問題を抱えながら、ある夜、三人の男は偶然同じ路線バスに乗り合わせた。

神話伝説研究会に籍を置く女子大生、京子・圭子・雅江は、秩父の山深くに独居する古代異族の末裔という老女、土門りんの家を訪ねて一泊した。

図らずも三十二万石大藩の後継となった鹿之介は、身を守るために妖艶なくノ一・るいとともに落葉長屋に拠って、逆意方を迎え撃つ。