人間の条件
- 劇場型犯罪 (21)
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森村誠一の「棟居弘一良(むねすえ・こういちろう)」シリーズの一作品です。この作品では、棟居の同僚の牛尾正直刑事、上司の那須英三警部、そして恋人であり相談相手でもある本宮桐子が登場します。 物語の筋は、他のレビューにもあります通り、某カルト宗教団体の犯罪をほぼなぞったものになっており、それにもう一つの某宗教団体の要素も加味されています。その点で独創性に欠ける面があることは否めません。しかし、そのカルト宗教団体の恐ろしさを表現する手法はやはり流石であり、読む者に緊迫感を与えます。 ただこの作品の場合、敵の強大さを強調しようとする余り、『ウルトラマン』や『仮面ライダー』に代表される子供向け特撮ヒーローものに共通する疑問が感じられます。それは、「なぜ日本ばかり狙うのか」という疑問です。この作品でのカルト宗教団体は全世界に多数の拠点と信者を擁しているとされているのに、なぜ教祖が日本にとどまり日本国内だけで犯罪や破壊活動を繰り返すのでしょうか? 世界にはもっと広くて資源も豊富な国が幾つもあるのに、なぜそれも警察が優秀とされる日本のような島国にこだわるのでしょうか? 日本にこだわらなければ、ISISのような世界的にもとてつもなく厄介な勢力を築き上げることもできるでしょうに。 そうでなければ、話がまとまらなくなるのかも知れませんが、私にはこのカルト宗教団体の設定を広げ過ぎているように思われてなりません。 この点が残念でしたので星1つ減としました。 | ||||
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某カルト宗教団体による凶悪犯罪の解決編です。 上巻でもそうでしたが、この下巻ではご都合主義的な要素がさらにひどくなっています。棟居刑事の妻・娘が殺害された事件の犯人が最後の敵となるのですが、そこにつながる経緯があり得ないほどの偶然の連続で成り立っており、しかも個人の何年もの前の目撃証言(それも逆光で相手の顔がよく見えていない)が決め手になっていて不自然と言う他にありません。 それでも、結末がすっきりしていれば高評価もできるのですが、この下巻で示される内容はそれにはほど遠いものでした。 他の森村誠一の作品でも、主人公が最後に悲惨な目に遭うことは多々あるのですが、それでも「自業自得」とか「残当(残念だが当然)」と思わせる要素があることが多いのであまり気になりません。ですが、この作品の結末はあまりにも鬱展開で、読む者に拭いがたい不快感を残します。結局、警察は某カルト宗教団体の犯罪を阻止することができるのですが、棟居刑事にとってあまりにも尊いものが犠牲になってしまいます。しかもそれほどの犠牲を払ったにもかかわらず、悪を完全には滅ぼせないまま終わるのです。 これでは読者をいたずらに鬱にさせるばかりで、カタルシスもありません。ノンフィクションならともかく、エンターテインメント小説でこの終わり方はつら過ぎます。 ミステリーを読むのは、「途中でどんなにひどい状況になっても、最後にはスッキリと解決する」そのカタルシスを得たいがためではないでしょうか? 私はこの点で、著者がこのような作品を発表した真意は何なのか知りたい気持ちでいっぱいです。 もし、このような救いのない話を書きたかったのであれば、せめて棟居刑事でなく他の(この作品だけの)刑事でも登場させてそれで終わりにして欲しかったと強く思う次第です。 | ||||
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次第に、一連の不可解な事件に犯人たちの形が与えられていく。市民の証言により思いもよらない展開を警察は目の当たりにする。そして犯人たちと警察の攻防、だが法により守られている犯人たちは犯罪を犯しながらのらりくらりと逃げつつ、警察に挑発的な仕掛けを行う。クライマックスで本書のタイトル「人間の条件」の意味が語られる。 低評価なのは、時代のせいであろうが、同性愛者を倒錯と決め込んだり、ホームレスを自己責任と断じているからである。また、落丁もあったことが読んでいて残念だった。 | ||||
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この小説の中で新宿の歌舞伎町のことを、管轄の刑事は「人間臭く、人間の体臭のしみついた」と表現しているが、私はこの小説を開いたときから感じた感想と一致した。生身の人間の体温を感じさせる文章だと思った。環境問題、戦前からの軍隊の残滓、カルト教団など社会問題が満載されている。基本的にはサスペンスであり、謎解きであるが、下巻でどのような新事実が現れるのか、又はどんでん返しがあるのか、楽しみである。 | ||||
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明らかに某宗教団体の起こした事件をベースとした作品である。 それだけでは芸が無いと思ったのか、合同結婚式まで取り込ん でいる。プロの作家として、現実の事件を元にして小説を書くと いうのは如何な物だろうか。 しかし、本作に限らず、他の多くの作家もこの事件をベースにし た作品を書いている。小説の世界でも荒唐無稽と思われるよう な事が、現実に起こってしまったのだ。それだけ社会的にイン パクトのあった事件と言えるのだろう。 本作の主役は『人間の証明』にも登場した棟居刑事である。 事件が大きくなってくると、殺人事件で捜査一課が捜査するより、 公安警察が捜査の主導権を握るのでは無いかと思った。 タイトルとなっている『人間の条件』に関する部分は、作品の終 盤になってから登場するのだが、いささか設定が強引と言うか、 都合良過ぎる気がした。 所々に目端の利いた描写があり、様々な事件がやがて一点に 収束して行く所など、エンターテイメント作品として、それなりに 楽しめる作品にはなっている。 | ||||
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