■スポンサードリンク


人間の条件



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

人間の条件の評価: 3.20/5点 レビュー 10件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.20pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(4pt)

特撮ヒーローものと共通の疑問

森村誠一の「棟居弘一良(むねすえ・こういちろう)」シリーズの一作品です。この作品では、棟居の同僚の牛尾正直刑事、上司の那須英三警部、そして恋人であり相談相手でもある本宮桐子が登場します。
 物語の筋は、他のレビューにもあります通り、某カルト宗教団体の犯罪をほぼなぞったものになっており、それにもう一つの某宗教団体の要素も加味されています。その点で独創性に欠ける面があることは否めません。しかし、そのカルト宗教団体の恐ろしさを表現する手法はやはり流石であり、読む者に緊迫感を与えます。
 ただこの作品の場合、敵の強大さを強調しようとする余り、『ウルトラマン』や『仮面ライダー』に代表される子供向け特撮ヒーローものに共通する疑問が感じられます。それは、「なぜ日本ばかり狙うのか」という疑問です。この作品でのカルト宗教団体は全世界に多数の拠点と信者を擁しているとされているのに、なぜ教祖が日本にとどまり日本国内だけで犯罪や破壊活動を繰り返すのでしょうか? 世界にはもっと広くて資源も豊富な国が幾つもあるのに、なぜそれも警察が優秀とされる日本のような島国にこだわるのでしょうか? 日本にこだわらなければ、ISISのような世界的にもとてつもなく厄介な勢力を築き上げることもできるでしょうに。
 そうでなければ、話がまとまらなくなるのかも知れませんが、私にはこのカルト宗教団体の設定を広げ過ぎているように思われてなりません。
 この点が残念でしたので星1つ減としました。
人間の条件〈上〉Amazon書評・レビュー:人間の条件〈上〉より
4344003071
No.9:
(1pt)

鬱展開でカタルシスにも欠ける

某カルト宗教団体による凶悪犯罪の解決編です。
 上巻でもそうでしたが、この下巻ではご都合主義的な要素がさらにひどくなっています。棟居刑事の妻・娘が殺害された事件の犯人が最後の敵となるのですが、そこにつながる経緯があり得ないほどの偶然の連続で成り立っており、しかも個人の何年もの前の目撃証言(それも逆光で相手の顔がよく見えていない)が決め手になっていて不自然と言う他にありません。
 それでも、結末がすっきりしていれば高評価もできるのですが、この下巻で示される内容はそれにはほど遠いものでした。
 他の森村誠一の作品でも、主人公が最後に悲惨な目に遭うことは多々あるのですが、それでも「自業自得」とか「残当(残念だが当然)」と思わせる要素があることが多いのであまり気になりません。ですが、この作品の結末はあまりにも鬱展開で、読む者に拭いがたい不快感を残します。結局、警察は某カルト宗教団体の犯罪を阻止することができるのですが、棟居刑事にとってあまりにも尊いものが犠牲になってしまいます。しかもそれほどの犠牲を払ったにもかかわらず、悪を完全には滅ぼせないまま終わるのです。
 これでは読者をいたずらに鬱にさせるばかりで、カタルシスもありません。ノンフィクションならともかく、エンターテインメント小説でこの終わり方はつら過ぎます。
 ミステリーを読むのは、「途中でどんなにひどい状況になっても、最後にはスッキリと解決する」そのカタルシスを得たいがためではないでしょうか? 私はこの点で、著者がこのような作品を発表した真意は何なのか知りたい気持ちでいっぱいです。
 もし、このような救いのない話を書きたかったのであれば、せめて棟居刑事でなく他の(この作品だけの)刑事でも登場させてそれで終わりにして欲しかったと強く思う次第です。
人間の条件〈下〉Amazon書評・レビュー:人間の条件〈下〉より
434400308X
No.8:
(3pt)

「人間の条件」の意味

次第に、一連の不可解な事件に犯人たちの形が与えられていく。市民の証言により思いもよらない展開を警察は目の当たりにする。そして犯人たちと警察の攻防、だが法により守られている犯人たちは犯罪を犯しながらのらりくらりと逃げつつ、警察に挑発的な仕掛けを行う。クライマックスで本書のタイトル「人間の条件」の意味が語られる。
低評価なのは、時代のせいであろうが、同性愛者を倒錯と決め込んだり、ホームレスを自己責任と断じているからである。また、落丁もあったことが読んでいて残念だった。
人間の条件〈下〉Amazon書評・レビュー:人間の条件〈下〉より
434400308X
No.7:
(5pt)

人間臭さ

この小説の中で新宿の歌舞伎町のことを、管轄の刑事は「人間臭く、人間の体臭のしみついた」と表現しているが、私はこの小説を開いたときから感じた感想と一致した。生身の人間の体温を感じさせる文章だと思った。環境問題、戦前からの軍隊の残滓、カルト教団など社会問題が満載されている。基本的にはサスペンスであり、謎解きであるが、下巻でどのような新事実が現れるのか、又はどんでん返しがあるのか、楽しみである。
人間の条件〈上〉Amazon書評・レビュー:人間の条件〈上〉より
4344003071
No.6:
(3pt)

プロの作家として、現実の事件を元にして小説を書くというのは

明らかに某宗教団体の起こした事件をベースとした作品である。
それだけでは芸が無いと思ったのか、合同結婚式まで取り込ん
でいる。プロの作家として、現実の事件を元にして小説を書くと
いうのは如何な物だろうか。

しかし、本作に限らず、他の多くの作家もこの事件をベースにし
た作品を書いている。小説の世界でも荒唐無稽と思われるよう
な事が、現実に起こってしまったのだ。それだけ社会的にイン
パクトのあった事件と言えるのだろう。

本作の主役は『人間の証明』にも登場した棟居刑事である。
事件が大きくなってくると、殺人事件で捜査一課が捜査するより、
公安警察が捜査の主導権を握るのでは無いかと思った。
タイトルとなっている『人間の条件』に関する部分は、作品の終
盤になってから登場するのだが、いささか設定が強引と言うか、
都合良過ぎる気がした。

所々に目端の利いた描写があり、様々な事件がやがて一点に
収束して行く所など、エンターテイメント作品として、それなりに
楽しめる作品にはなっている。
人間の条件〈上〉Amazon書評・レビュー:人間の条件〈上〉より
4344003071
No.5:
(4pt)

シリーズの続きと読むか

単品で読むよりシリーズの続きとして、前の作品を読んだ後にこの本を手に取った方が、面白く読めるかも知れないです

主人公の過去・現在に転機が訪れるので、個人的には興味深く、面白く読みました
人間の条件〈上〉Amazon書評・レビュー:人間の条件〈上〉より
4344003071
No.4:
(4pt)

森村ワールド

好みはあるだろうが、エンターテイメントとして十分楽しめると思う。
棟居刑事の家族・実際の新興宗教事件が複雑に絡み合い、風化されつつある社会問題を考え直す機会にもなるのではないだろうか。
人間の条件〈下〉Amazon書評・レビュー:人間の条件〈下〉より
434400308X
No.3:
(3pt)

10年前なら・・・

森村作品は社会を見る視点の意外性や人間っぽさ
知的さが魅力、というファンが多いと思う。
しかし本作品は「10年前なら星5つ」というテーマ(視点)で
随所にある状況説明も「今更そこまで・・」と知的な印象も弱く
構想10年は長すぎたのではという感じがしてならない。
帯にある「森村ミステリーワールドの最高傑作」という文字がかわいそうに思えてしまうのは私だけでは無いと思う。
人間の条件〈上〉Amazon書評・レビュー:人間の条件〈上〉より
4344003071
No.2:
(3pt)

あまり考えずに読める小説

「人間の条件」というタイトルを見て本を買いました.
どうしても25年前の「人間の証明」を期待して買ってしまったという感じです.
内容自体は、ほとんど頭を使わずに気楽に読める小説と言った感じです.まあ、実際に起こった事件をモチーフにしているいる訳だから、大体先が読めるないようです.ただ難しい本を読んだ後の息抜きに気軽に読める内容ではないでしょうか.
私自身は十分に楽しめました.
人間の条件〈下〉Amazon書評・レビュー:人間の条件〈下〉より
434400308X
No.1:
(2pt)

ある意味、期待を裏切りません

タイトルと、幻冬社の巧みな宣伝に誘われ、上下購入して一気に読みました。
内容は、既に記憶から遠ざかっている某カルト教団の丸写しで、呆れを通り越して白けを感じます。筆者の作品を昔から数多く読んできましたが、特に男女関係を巡る人物描写や、複雑に散ばった点を紡ぐ、強引なまでの偶然さ等は、全く同一路線です。小説に無関係な雑学が随所に散りばめられているのも同様。「人間の条件」というタイトルや「集大成」という謳い文句は、全く重みはなく、ただ刑事が自分の家族を奪った犯人に対する感情との戦い、という極めて限定的なテーマに過ぎません。決して駄作とは言いません、著者の愛読者にとっては既定路線を安心して楽しめるメリットはありますが、結論としてはカットノベルスの一冊と同じレベルで、上下巻の作品に値するとは言えません。まぁ、幻冬社の本はそういう本が非常に多いのですが。
人間の条件〈上〉Amazon書評・レビュー:人間の条件〈上〉より
4344003071

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!