恐ろしい脅迫のメッセージだった、世界の金融界を動かすウォール街を、全域にわたって焼き払うというのだ。

ウォール街襲撃のあと、盗まれた証券類20億ドル相当が世界のブラック・マーケットに流れた。

紀ノ国屋文左衛門vs. 奈良屋茂左衛門。 巨万の富を得た豪商が繰り広げる、プライドをかけた闘い……。

「忘れたくないんだ」「なにを?」「自分が男だってことをさ」「血だるまになるのがそうなのか?」「時にはな」…助けを求めて泣いている女のために、男はどこまで生命を賭けられるか。

1939年、謀略と排日運動が渦まく中国。

濃霧のはれあがった早朝、広大な北斗市中央公園内で、左腕を切断された中年女性の変死体が発見された。

母親殺しの容疑で逮捕され、無実を訴えつつ憤死した口の利けない少年の声なき叫び!ヒューマニズムに裏打ちされた初期の秀作。

暗殺された両親の復讐を果たすべく、テロ組織“スカイペル”に身を投じたドルー。

空気は暗く、つめたかった。凍てつくような風にはこばれた雪が烈しくたたきつけるように降ってきた。

疫病に飢饉、害獣、そしてにせ〈皇帝〉による反乱…マジプール全土を襲った災厄が、実はメタモルフによる陰謀であることをつきとめた〈皇帝〉ヴァレンタインは、〈島の聖母〉〈夢の王〉そしていまは〈城ケ岳〉で大公として活躍するヒスーンらとともに、手をたずさえ、一丸とな

鉄と煤煙の街、シカゴ。

「鮎川哲也さんは謎と論理の小説に優れた、ごく少数の作家の一人である。

みつめる土地の底から奇妙きてれつの手がでる足がでるくびがでしゃばる萩原朔太郎の詩そのままの異様な他殺死体が発見された。

真夜中に電話のベルが鳴る。「ずいぶん、ひどいことをしてくれましたね。

七夕の夜、坂井正夫が服毒してアパート4階の自室から転落死した。

胸を病み、ある事情から絵筆を捨てた絵描きの「私」は、結核で夫を亡くした寂しげな影をもつカフェの女給鈴子とめぐり会う。

京都の一流ホテルの回転式レストランで食事中の若い4人の男女が、暮れなずむビルから落ちていく人影を目撃した。

葵と弥生、不思議な縁の糸で結ばれた2人の孤児。そのいずれか一方が大企業の継承権を持つ娘だという。

ソ連から奪ったミグ31〈ファイアフォックス〉が北欧の湖に不時着。

ソ連から奪ったミグ31〈ファイアフォックス〉が北欧の湖に不時着。

30を過ぎた外野手ハーヴェイは突如レット・ソックスをおはらい箱になり、新設チーム、ジューエルズの支配下選手となった。

探偵稼業から遠ざかって2年、ネロ・ウルフがついに重い腰を上げた。

ドイツ人とミクロネシア人と大阪人の混血にして、ヨーガと奇術の達人ヨギ ガンジー。

ラテンの熱い血をみなぎらせ、男は帰ってきた。港町N市―妻を失った男には、闘うことしか残されていなかった。

夜の新宿、流しの世界を仕切るアベ芸能会の会長阿部丸三郎は音楽学校出の元歌手ながら、“義理と人情を秤にかけりゃ、義理が重たい流しの世界”が十八番の大親分。

窓際ジャーナリスト・可能克郎くんの『夕刊サン』にミステリーの連載が企画された―。

平凡な人妻、初子を突然襲った夜!!夫の出張中に起きたその出来事は、彼女を絶望の底に陥れた。

北の果ての網走刑務所で刑期を終えた元刑事・橋本豊は、刑務所内で死亡した仲間の遺品を、友人に届けるために、南の国、宮崎へ向かった。

国鉄K駅から、遠見町へ行くためのトンネルは、長さ210メートル。

長崎のおくんち祭を見物中のツアー客が突然起こった石段上の人なだれで転落死した。

山口地検の赤かぶ検事・柊茂は痩せて頼りなげな男である。しかし赤かぶ検事に不可能はない。

ヘミングウェイを初めとする〈失われた世代〉の作家たちに触発されて、一九二〇年代の推理小説界に忽然と登場したハメットは、俗にハードボイルドといわれる作風を確立して、推理小説に革命的な変革をもたらした。

同僚を斬殺した主人公に討手がせまる。しかし、身を隠す暮しのうちに、人の情けと心意気があった。

名前が何となくおかしい。「田」。

高知行きのフェリーから転落死した男には巨額の保険金がかけられていた。2年後、東京のマンションで男が奇怪な自殺をとげる。

「黒ビルグループ」という一大企業王国の総帥黒河内慎平は、些細な口論から、かねて不仲であった息子にマンションの10階からつき落された。

アベックが集まるので有名な沼のほとりで、若い男女の死体が発見された。

カーラの資金を受けとる香港の大物実業家ドレイク・コウ。

“聖ルカの小さな夏”と呼ばれる小春日和の一日が終ろうとする頃、少年行方不明の報がキングズマーカム署に届いた。

欧米の探偵小説に造詣の深かった

昭和61年8月18日午後10時26分、上野駅19番線ホームに上越新幹線〈とき418号〉が入ってきた。

驚愕!新説「北斎は隠密だった」を実証する。

漫画家志望の大男・大日向陽は、元ソープランド嬢の影子殺しの犯人を追った。

古都金沢で消息を絶った親友の行方を追ったOLの身にふりかかる危険。

古都金沢で消息を絶った親友の行方を追ったOLの身にふりかかる危険。

E・クイーンは1941年いらい、四十余年の長きにわたって「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」(EQMM)を編集してきた。

1941年4月、ダッハウのナチ強制収容所に囚われの身だったパウル・ファッケンハイムは、密かにその生き地獄から連れ出された。

ロボレー城―サーカス団の女座長ドロテが興行先で出くわしたその名前は、彼女の脳裏に深く刻み込まれたものだった。

桐生傀。25、6歳、長身。

若きインテリ総会屋・井田有生のもとに、1通の封書が届けられた。

荒れ模様の夜更け、メイスンの自宅の電話が鳴った。聞き慣れぬ声が、至急依頼したいことがあると言う。

戦炎に引き裂かれたスペイン国内の様相は混乱を極めていた。

先祖代々敵対する家の息子と結婚した妹。

マンションの密室状態の中で血を吸いとられた男の死が、奇怪な連続殺人を呼ぶ。

“天才ジャズ・ピアニスト”と賞讃されながら、麻薬の揉めごとからヤクザに左手首を切断された男、風間四郎。

華道・東流の小川麻衣子が毒殺された!京流の久条麗子とともに、華道界をになうホープだった彼女こそ、名探偵・キャサリンが華道を習うはずの人であった。

カナダ沿岸部の美しい村を舞台に、殺人事件の裏に潜む人間の愛と哀しみを繊細な筆致で浮彫りにする逸品!アメリカ探偵作家クラブ最優秀長篇賞受賞作。

集中豪雨がもたらした土砂崩れで、列車は駅と駅とのド真中で完全にストップ。

S重工企画総務課長・朝倉達也は、役員会議へ新企画報告のため、名古屋を発ち東京へ向った。

全ヨーロッパが異例の上天気を共有したかのような、大戦前のある最後の夏。

クリスマス間近のニューヨーク・チャイナタウンに4発の銃声が響きわたった。

かつて植民化が企てられ、その後4半世紀にわたって放置されたままのアルファ系衛星には、いまだに地球人が生存していた。

平凡なサラリーマンが、ねごとで妻にもらした見知らぬ男への殺意。ねごとでの殺人計画はしだいに具体化していく。

半七捕物帳は、著者綺堂が、江戸

郊外団地の住民同士のもめ事での不幸な＂殺人＂を目撃したばかりに、女子高校生・香織は数々の出来事に巻き込まれる。

シティ感覚の連続サスペンスドラマ『黒のエチュード』は、農村的じいさんばあさん的大テレビ局CHKの看板番組である。

プロ野球の若きエース梶は、八百長容疑で球界から追放された。

インドネシアから独立した人口百万余の島国スマリ。

ピーター・ヒューストンは妻ジャニスをともなって、墓参のためにフランスへ渡った。

人びとの愛と祈り、ついには運命そのものを担って走りぬける名馬オラシオン。

片山刑事と晴美、ホームズが、ドイツ旅行に招待された。

半七捕物帳は、著者綺堂が、江戸末期の切絵図をはじめ、古今東西にわたる広汎な資料を渉猟する中から生まれた。

事業に失敗し、心中した両親。

「10日後の葬儀の日まで、遺産相続人は屋敷を立ち去ってはならぬ」奇妙な遺言をして老女山師が死んだ。

社会主義国ソビエト日本が世界に誇る古典女流作家紫式部―その否定は国家に対する裏切りと反逆を意味した。2073年の京都。

河合は十年ほど勤めた二流の商社を辞め、“サラリーマン問題評論家”として一本だちした。

48歳の未亡人ロレインに突然舞い込んだ遅咲きのロマンス―彼女の投書を雑誌で見たという男から、ラヴレターが届けられたのだ。

名探偵エルキュール・ポワロは実在し、名作『オリエント急行の殺人』事件は、それが書かれる前年の1933年、南インドで実際に起こった事件だった!45年後の1978年、作家・高田晨一はインド政府の招待旅行で、老人のポワロと出会う。

東西の接点ベルリンに暗躍する国際スパイ・ミステリー。

張英蘭―中国残留孤児。来日したが肉親に会えず、切々たる思いを胸に離日した。

ドイツ軍の空襲で両親を失った、英国の名門プラドロマン家の8歳の若き公爵ロビー・バーンズは、ニューヨークにいるという叔父のもとへ疎開させられることになった。

英国国防省の諜報機関で中東情勢分析を担当するオードリーにある夜、本部から指令が入る。

鑑定のミスから1億2000万もの人を殺してしまった元惑星鑑定士のセイタロ。

江戸中期の尊王論者、山県大弐と出会ったことから藩の内紛にまきこまれた二人の青年武士の、友情の破綻と和解までを描いた初期の中編「夜明けの辻」。

強烈な太陽。薄暗い路地。

羽が舞うように、ふわりとスツールに腰かけた女。黒いドレスに流れるような髪。

看板間際、雨に濡れて男はやってきた。マスターを訪ねてきたのだ。

「彼女…ぼくと一緒に死にたいなんて…そんなことまで言いだしました」修学旅行先で、高校生の男女が心中する!?二階堂日美子が、姉のように尊敬している女性の一人息子から打ち明けられた、G・Fとの危険な関係!悪い予感を抱きつつ、日美子は奈良、京都へ…。

東京大空襲を生きのびたのは、娘・唐子の霊感のおかげと母親は思っていたが、実は半身不随の父を猛火の中に残した母親に反発して、わざと母の指示に逆らっただけだったのだ。

暗闇で彼はスクリーンを見つめていた。画面には、彼とヌード・モデルの情事が次々と映しだされていく。

この物語のヒロイン、塚川亜由美。私立大の文学部に通う二年生、少々あわてんぼうの19歳の娘である。

日本映画界の巨匠・都築昭彦の助監督・宮地晃が大船駅でのロケ中、赤い上衣を着た謎の男に突き落とされ轢殺された。

越前大野の旧家の令嬢・野路真利子は、死の恐怖に怯えていた。

弁護士・猫尾恭介は出張先の浜松で、不思議な魅力を持つ柏木品子と知り合った。

昭和7年、横浜真金町遊廓で起きた連続殺人事件。

本当はこの事件に首をつっこみたくなかった。株券偽造の疑いをかけられたおばは昔わたしの母に冷酷な仕打ちをした張本人なのだ。