不自然な死体
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
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両手首を切断された男の死体がボートの中で見つかり、たまたま休暇を利用してその場所を訪れていたダルグリッシュが捜査に当たるというのが大筋。題名はこの両手首を切られた死体を指しており、わざわざその状態に焦点を当てているならば、作品の謎は犯人は誰かに加えて「なぜ死体は両手首を切断されたのか?」という謎が言及されるわけだが、あまりこの理由について目が開くようなロジックが展開されるのではないというのが正直なところ。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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1967年に刊行された第三長編。 北海に面したイングランド、サフォーク地方の荒涼かつ美しい風景描写が素晴らしく、ジェイムズの愛読者としては、それだけで満足といっても良いが、一種の文化人村に集った奇人や俗物たちを辛辣に描く筆致も既に見事なものであり、ミステリとしても何故死体の両腕を切断したかという、後年の作品には見られない強烈なホワイダニットの面白さがある。中盤、ダルグリッシュがロンドンに赴く辺り、構成が緩むのが惜しいが、押し寄せる嵐の中、グロテスクな犯人の内面が明らかになるクライマックスは息もつかせない迫力だ。 | ||||
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気分転換にまたまた在庫の中から古いミステリ本を一冊選んで読むことにした。 ランダムで選んだのがP・D・ジェイムス著『不自然な死』であった。 読み始めて主人公がダルグリッシュ警視であり、昔このシリーズものを二三冊読んだ記憶が蘇ってきた。 どうもこの物語にすんなり入り込むことができず、発行年を奥付で調べたら1989年である。 それにしても内容がなんだか古臭いので本書原作の発行年を調べたら1967年の作品であった。(’30年代の作品のように感じてしまったのです。) 著者が女流現代本格ミステリー作家の代表格の一人であることは知っているが、かって何冊か読んでみて評者の好みの作家ではないことも本書を読みながら思い出してしまった。 何故なのだろうと思いながら著者のプロット構成や登場人物の性格描写や現場となったイギリス東部サホークの情景描写など流麗な文章で描かれた物語を冷めた目で読み進んだのです。 このようなフーダニットものでは、物語前半に読者に一つか二つ犯人あてのヒントを布石するのが定石なのです。 が、本書ではこのようなヒントなどほとんどなく、ただ残された遺産を誰が受け取るかで犯人を想像することができるだけでした。 ましてその人物に強固なアリバイがあればなおさら手練れの読み手は、この人物が犯人だろうと探偵してしまうだろう。 結末も不自然な構成であり、ネタバレになってしまうが、あの男を、あの女が手足のごとく使いこなすことができるだろうかとの違和感は免れない。 読み進みながら、なぜ面白くないのかをよく考えてみたら、評者が主人公であるアダム・ダルグリッシュ警視に感情移入できないからだと気がついたのです。 どうも著者が人物造形するこの警視の性格などが評者にとって好きになれないタイプなのです。 休暇で訪れる叔母のジェイン・ダルグリッシュも類型的にストイックな性格として著者が描写することにも違和感を覚えてしまった。 大御所を貶すようなので気が引けるのだが、とにかく評者には好きになれない作風なのである。 そういえば半年ほど前に読み始めて途中で止めた本が著者の『女には向かない職業』であったのではないかと思いだし、在庫を調べたら見つけることができたので納得してしまいました。 評者は、再読する本でもほとんど読み終える主義だからよほど面白くなかっのだろうと思う。 他のレビュアーが書いていましたが、「障害者に対するあからさまな嫌悪感が書かれていて非常に不快です。」とのご指摘は評者も同じように感じていたから同感してしまいました。 著者は、アダム・ダルグリッシュ警視という人物を使って上から目線でこの物語を書いているように感じるのだが、これは評者だけが感じたことなのだろうか。 | ||||
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ジェイムズらしさにおいて 発展途上な作品だと思います。 後期の作品を読んだあとに 読み残しをひろうために読んだので よけいにそう感じます。 途中で読むのが苦痛になったジェイムズ作品は はじめてです。 プロットもごちゃごちゃしているというか、 複雑すぎるし、 なにより、障害者に対するあからさまな嫌悪感が書かれていて 非常に不快です。 読後感の悪い作品です。 | ||||
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まだ、「女の顔を覆え」や「ある殺意」では、 ダルグリッシュの持ち味が、十分に描き出されているとはいえない感じですが、 本作から彼の個性が、はっきり現れるようになっており、興味深く読み始められるように なっていく巻だと思います。 また、狭い海辺の田舎町での閉鎖的な人間関係、そこで起きる殺人という、設定自体も、 良いと思います。 強烈でいかにも芸術家といった、ボヘミアンな人々の、描写も、面白いです。 猫バカのブライスとか。 また、この巻では、ダルグリッシュが敬愛し、また深い愛情を 抱いている叔母さんジェイン・ダルグリッシュが登場し、 また幼い頃に慣れ親しんだ周辺の自然の中を、楽しそうに散策する 彼の姿など、彼の人間味ある姿も、見えるようになっています。 また、この叔母さんというのが、物静かな中にも、 何か強い存在感と重みを感じさせる、甥のダルグリッシュ から尊敬されているのも、納得というような感じの人物になっています。 話の内容自体も、これ以降のダルグリッシュシリーズの特色の萌芽が、見られるようになっていく 内容となっています。 とにかく、ジェイムズ作品は、分量が多い上に、内容が濃い作品が多いので、 ダルグリッシュシリーズ取っ掛かりとしては、良いのではないかと思います。 | ||||
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