神学校の死
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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2001年に発表されたダルグリッシュ警視シリーズの第11作。サフォーク州の人里離れた海岸沿いに建つ神学校を舞台にした殺人事件をきっかけに、限られた人物間の歴史的かつ複雑な関係を紐解いて真犯人に到達するという、徹頭徹尾、P.D.ジェイムズ・ワールド全開の本格ミステリー。英国国教会の歴史と現状を背景にした物語なので、読み通すには少し骨が折れるが、その労苦に十分に応えてくれる読み応えたっぷりの大作だ。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ミステリー小説を読んでいると大体70%ぐらい読み終える頃にはページをめくる手が止まらなくなって最後まで一気に読んでしまうのですが、残念ながらこの作品に関してはそういった楽しい体験はできませんでした。独特の静かな雰囲気は良かったのですが、ミステリー小説としての面白さを期待しすぎたのが悪かったのかもしれません。とにかくダルいと感じたのは田舎が舞台なのと宗教的要素が私には合わなかったからかなと思います。あとは何人も人が亡くなっている割には殺人の動機が弱くてイマイチ釈然としなかった点でしょうか。 登場人物にもイマイチ魅力が感じられず、主人公ダルグリッシュのロマンスなんかもどうでもよくて、なんで大した会話もしてないのにそうなるんだよと若干白けてしまったり。シリーズもののようなので他の作品を読んだらまた印象は変わるのかもしれませんが、今のところ読みたいという気持ちにはなれなさそうです。とにかく最後まで読むのが辛かったという感想だけが残りました。 | ||||
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辺境の神学校で連続殺人事件が起きます。 殺人の話を読んで心が落ち着くと言うとびっくりされるかと思いますが、登場人物が知的な神学生、厳格な神父など、言動が落ち着いた人物が多いので、安心して読めます。ヒステリーや暴力の直接描写はありません。 ダルグリッシュ警視シリーズは10冊以上出ているようですが、Kindle版は少ないのですね、他の作品もKindle化して頂きたいものです。 | ||||
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mmm 。悪くはないのですが、father を神父と訳しているのに違和感あり。 ハイチャーチというのを踏まえてのことでしょうが、「司祭さま」でいいんじゃないののいうのが正直な感想です。 | ||||
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本来ならイギリス女性推理作家・PDジェイムズを読むことはなかったかもしれないのだが、この『神学校の死』だけは興味を持った。つまり、イギリス国教会についても小説を使って勉強することができるかもしれないと思ったからである。 イギリス聖公会について、殆どの人は何も知らない。知っているのはヘンリー8世が離婚をするためにローマンカトリックから分離した、という表面的なものではないだろうか。 この小説を読むと、イギリス国教会についていろいろと勉強できた、確かに。 high church, broad church, low church, Richard Hooker, nonconformism, Anselm of Canterbury などなどといった小説に散りばめられている事項を、ひとつひとつウィキペディア(無料で利用できるネット百科事典)で調べていった。 イギリス国教会について知る以上の収穫が、しかし、あった。それはこの女性作家の小説が読む価値があるということを発見したことである。推理小説としては推理は全く必要ない。ミステリーとしても、行き詰るようなサスペンスは全く無い。しかし、全編を通じて流れている『死にいたる存在としての人間』というタイトルの通奏低音が、なんとも心地良い。 著者は44歳で夫に死別している。この死別(bereavement)が通奏低音、あるいはメインメロディーになっている。これを軸として、犯罪を起こす人間のエゴイズム、人間の醜悪さ、それと対比される愛と友情と敬愛、更にそれに対比する欲情と堕落、またまたそれに対比する信仰……。人間の美しさと醜さを大きなキャンバスに、落ち着いた揺るぎのない筆致で描ききり、壮大な人間コメディー(喜劇ではない)、バルザックと同じことをやっている、それがこのジェイムズというイギリス女性作家である。 | ||||
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閉鎖的社会という神学校内での物語を、独特の人物描写や情景描写で、とても上手く表現されていた。実は、最初はカーのような展開を想像したのだが、非常にシンプルですっきりしていて、ミステリーというよりは英米文学のようだった。ダルグリッシュ警視の悲哀がこの物語を一層引き立てている。長いけれども一読の価値は大ありです。 | ||||
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