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不自然な死体



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不自然な死体の評価: 6.00/10点 レビュー 1件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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No.1:
(6pt)

死体は不自然なのだが…

両手首を切断された男の死体がボートの中で見つかり、たまたま休暇を利用してその場所を訪れていたダルグリッシュが捜査に当たるというのが大筋。題名はこの両手首を切られた死体を指しており、わざわざその状態に焦点を当てているならば、作品の謎は犯人は誰かに加えて「なぜ死体は両手首を切断されたのか?」という謎が言及されるわけだが、あまりこの理由について目が開くようなロジックが展開されるのではないというのが正直なところ。

本作はこのダルグリッシュシリーズ、いやジェイムズ作品全般において、私にとって1,2を争う印象に残らない作品である(もう1つは『ある殺意』)。もう漠然とした印象しか残っていないのだが、なんだか文章が上滑りしたような感じがし、珍しくすいすい読め、さらにジェイムズ作品の中でもページ数の少ない作品であることもその原因だと云えるだろう。
あとこれは後にセイヤーズのピーター卿シリーズを読んでから気づくのだが、ジェイムズはセイヤーズをリスペクトしており、本書の題名もセイヤーズの『不自然な死』に由来して(あやかって?)いるらしい。そして最後のクライマックスシーンはセイヤーズの某傑作でのシーンをそのまま拝借したとのことで、これは云われてみて気づいたことである。

ちなみにセイヤーズの『不自然な死』は私にとっては非常に満足する作品だったが、そのオマージュのような本作の評価は上の通り。古今英国女流ミステリ作家の対決は本家が上だったといえよう(まあ、まだこの頃は駆け出しだったんだけどね)。

Tetchy
WHOKS60S

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