ブラジル人の「私」は、アルゼンチンで開催されるE・A・ポーの研究総会へ参加できることになった。

堀井香恵は、文具店でのアルバイトと音楽サークルの活動に勤しむ、ごく普通の大学生だ。

「現代版四谷怪談」を書き下ろす劇作家のもとに、お岩を名乗る女から執筆を中止せよと再三脅迫電話がかかる。

コピーライターの私は、江戸時代の戯作者・山東京伝の、現代にも通用する粋なセンスに心酔していた。

恐ろしい幽霊体験をしたという友達から、相談を受けた晴香は、死者の魂を見ることができる八雲のもとを再び訪れる。

幼少の頃から、人間に取り憑いた不吉な死の影が視える弦矢俊一郎。

押入で死んだように生きる木幡小平次は、天下随一の幽霊役者。

とざい東西、江戸は神田の橋本町、ものもらいや大道芸人ばかりが住んでいるおかしな長屋に、センセーと呼ばれる推理の特技をもった砂絵かきがいた。

手狭になったマンションを引き払い、思い切って一戸建てを購入することにした間庭夫婦は、郊外に中古物件を見つけた。

応化16年、爆弾テロが激発している内戦下の首都圏で、規律ある精鋭部隊として名を馳せる孤児部隊の司令官に、佐々木海人は20歳にして任命された。

月田椿子は亡くなった桜子を思って泣いたことは一度もなかった。

流刑の地スラックスで警士の任に就いていたセヴェリアンは、かつてネッソスを追放されたように、ある女性との問題から、ふたたびこの山岳都市を追われる身となってしまう。

文明開化の明治新世相のなかで、次々と起きる謎の奇怪な事件。

夫の不貞の決定的証拠を掴んでほしい。依頼人の女性マーリーンはスペンサーにこう懇願した。

民生委員の千加子は、「レインボーハイツ」をたびたび訪れる。その名が虚しく響く、くすんだ灰色のマンション。

東京・四谷のウィークリーマンションで、ひとりの男性の刺殺体が発見された。

東京新宿御苑の新緑が一夜にして枯れ果てた。

愛は祈りだ。僕は祈る。

父親の法曹資格回復申請を当人に拒否されて行き詰まるスティーヴは、事件の関係者に話を聞いてまわるうちに何者かに襲われ、甥のボビーのお蔭で九死に一生を得た。

二人きりのボートで環境保護局員が殺され、サンゴ礁に浮かぶリゾートホテルを構想する大物実業家ハル・グリフィンに容疑が。

離れて暮らす母に会うため、小学3年生の沖田大志はひとり、旅に出る。

重症の喘息に苦しむ患者が、心から信頼する女医に懇願した。「最期のときは早く楽にしてほしい」と。

金杉惣三郎（かなすぎそうざぶろう）に、突如襲いかかった不気味な具足（ぐそく）武者！　泰平（たいへい）の世にふさわしからぬ姿で暗躍する彼らの正体、そして惣三郎に下された新たな密命とは……。

新堂レイは有名ブランドHに就職したばかりの新人広報。彼女は、海で偶然再会した同級生の大路尚純と昨年夏から付き合っている。

筑豊の廃坑の村。

彩夏が戻ってきた。冬の事件の後遺症で、僕との過去をみんな忘れて―。

おとぎ話のようなお城のケーキにバラのケーキ―テーブルに並ぶのは、小学校の秋祭りで開催されるチャリティー・オークションに出品された豪華なケーキの数々。

中国国家警察の元締めである公安部をスキャンダルのために辞め、北京で探偵事務所を開業した王梅(ワン・メイ)。

これが最後の仕事と思い決めて、危険な犯罪に走った初老の男が辿ってきた人生(「トマト」)など、七本の短篇を収録。

ファミレスでバイトをしているフリーターの久里子。常連にはいつも同じ窓際の席で何時間も粘る国枝という名の老人がいた。

藤子がようやく手に入れた一戸建てのわが家。だが、思わぬ不幸が近所に潜んでいた。

月代和也、四十一歳、雑誌編集者。

日本列島の沈没は、単なる前触れにすぎなかった―。

京都府警本部捜査一課の音川音次郎は、正義感あり人情ありという、まれに見る腕利きの刑事。

泥鰌売りをして細々と独り身の生計を立てている岩三郎は、篠突く雨に打たれて長屋の木戸門にもたれかかる若い女を助ける。

海底に眠る「日本」の遺跡が慰霊祭で映し出される。日本列島が海の底に沈んでから二十五年がすぎていた―。

東京・神宮外苑と神奈川県・平塚で発生した二件の婦女暴行殺人事件の手がかりはB型の血液型と輸入車のスポーツカー。

東京・神宮外苑と神奈川県・平塚で発生した二件の婦女暴行殺人事件の手がかりはB型の血液型と輸入車のスポーツカー。

最も魅力的な信長像―戦後無頼派作家の代表格にして物語の名手・坂口安吾が描く戦国の英雄・信長の若き日々。

東京から南へ二百二十キロ。太平洋に浮かぶ厳倉島は、イルカの棲む島として知られている。

1944年6月、多くの民間人を抱えたままサイパン島は戦火に包まれた。

門限六時。家が厳しい女子大生ハコちゃんはやっとアメリカ行きの許しを得た。

年頃を迎えた水茶屋の娘・お初の前に、前触れもなく現れた若い男。

前指導者の遺志を継ぎ、共和政府を樹立した不正規隊の面々。

サリー・ロックハート、十六歳。父を船の事故で失い、天涯孤独の身。

大学院生の島岡大樹は、京都で起きた中国要人爆殺テロの実行犯を事前に見ていた。だが強烈な衝撃で記憶が飛んだ。

夜明けに鳴ったインターフォンが事件の始まりだった。訪問者は青山署の刑事たち。

情報屋に続き、警視庁公安部の山口が殺された。再び鳴沢に嫌疑がかかる状況で…。

古ぼけたアパートの一室で発見された、若く美しい女性の変死体。

誰もが憧れる高層マンション。そこに住む愛子は、幸せな結婚生活を送るはずだった。

現職の総理大臣が急逝し大混乱の世間をよそに、美人ニュースキャスターの姿に煩悶する木野塚氏。

木星から分離した小天体とのニアミスで、地球は地軸が傾き、大陸の形も変貌する大災厄に見舞われた。

いまだ変動がやまぬ地球。だが地上には生存者がいた。

愛する妻子らと平和に暮らすデッカー。目下の心配事は、ニューヨークにいる前妻との娘のこと。

クリスは謎めいた少年だった。魅力的な容姿、穏やかで抑制されたふるまい。

決して飲んではいけないペットボトルの水を妻に飲ませた男の運命―「この水は飲めません」。

尾木遼平、46歳、元刑事。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

あと43分で日本が滅亡する！

氷雨の浅草寺境内で若い女性の全裸死体が発見された。太腿には、上品な顔立ちとは不釣り合いなバラの刺青が彫られていた。

―死ぬのか、俺は―!?生命をかけた熾烈な死の遊戯。

10年前、炭鉱の閉山によって無人島となった“軍艦島”に明かりが灯った!翌朝、かつての住人たちのもとに招待状が届いた。

待望の文化祭が始まった。だが折木奉太郎が所属する古典部で大問題が発生。

貧しい椅子職人は、世にも醜い容貌のせいで、常に孤独だった。

大晦日深夜23:45、バラバラの場所で新年を迎える3人の少女が、事件に遭遇する。

ひかり66号のグリーン車で発見された刺殺体。被害者は関西の芸能プロダクションの実力者。

男は54年間、眠れぬ夜を過ごしてきた。森の中の一軒家、人形をパートナーにタンゴを踊る。

殺された元警察官、モリーンの住んでいた土地を訪ねたステファンは、独自に捜査を開始する。

元ミス・コン優勝者でヴィンテージファッション・マニアのライター、シシー。

神奈川県警の刑事・朝枝の高校生の息子が単独でバイクツーリングに出た後、変わり果てた姿で発見された。

漆黒の森、底知れぬ闇をたたえた深い山。光なき、黒い影に囲まれた山村「庫宇治村」。

季節が夏に向かうとある日、日永望は街中で高校時代のクラスメイト、勢田春人を偶然に見かけた。

フランス革命の嵐が吹き荒れる18世紀末のパリ。過激な革命勢力は、貴族を次々に捕らえ、死刑宣告を下す。

青い田園が広がる東北の農村の旧家槙村家にあの一族が訪れた。

霊長類研究センター。猿のバースディに言語習得実験を行っている。

金髪トサカ頭の竜二が飲んだくれの落語家・笑酔亭梅寿の内弟子となって、はや一年。

次々と起きる江戸の怪事件。

天明の飢饉に苦しんだ津軽藩からの石高上げ願いに、奥右筆組頭立花併右衛門はロシアとの密貿易を疑う。

人々に降りかかる災厄を打ち払う「祓いの楽人」オシアン。

大手銀行監査役を退職し、歴史研究会で活躍していた桜井信行が自宅で自殺した。

大手銀行監査役を退職し、歴史研究会で活躍していた桜井信行が自宅で自殺した。

北海道警察本部に警察庁から特別監察が入った。監察官は警察庁のキャリアである藤川警視正。

“辻海運”の社長令嬢・希世美は、S女子大の三年生。何不自由なく育ち、大学生活を楽しんでいたが、突然父親の会社が倒産。

「あのことに、気がついたやつがいる」。実業家として成功した男の元に届けられた旧友からの警告。

春嵐の夜に神田で起こった火事は多数の死傷者を出したが二年後に町は復興した。

なぜ「あんなもの」が飛ぶのか未だによく分からない。人間が存在していられないくらい高い高いところ。

大時化の海の遭難事故によって、信頼の強い絆で結ばれた六人の仲間。そのなかの一人、米村美月が、青酸カリを呷って自殺した。

東京で殺された男が遺したダイイングメッセージ「ヒガサ」。

東京で生まれ育った私は、結婚を機に福岡や名古屋に移り住んだ。

この世の終わりが来たようなある奇妙な夕焼けの晩、十九世紀ロンドンの一画サフラン・パークに、一人の詩人が姿をあらわした。

「あなたのご両親は、あなたを売ることにした」女子大生・川上春菜は、父親の使いで訪れた横浜のビルで、突然告げられた。

十和田湖畔に立つ乙女像の近くで、若い女性の死体が発見された。被害者は大学院生の田中春菜。

もし絵馬の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください―。きっかけは絵馬に書いた願い事だった。

本土から1500キロ離れた東硫黄島。火山の噴火から避難するため住民が東京に移住してしまった孤島である。

閉じこめられた(継続中)。まだ僕は、まーちゃんを取り戻してはいない。

紅茶とお菓子がいっぱいの美味しいミステリ エドガー・アラン・ポーの詩の朗読中に一発の銃声が! 可愛いころころマカロンに癒しのお茶。

ある女流画家の個展会場で、『汝、レクイエムを聴け』という作品を見た一人の女が、失踪した自分の夫の行方をこの画家が知っているはずだと主張する。