仕事にでかける千吉は、髭剃りあとに化粧水のオイデルミンをつける。きつく褌を巻くと、最後の仕上げに、女の腰巻をつける。

とある晩、安倍晴明の師・賀茂忠行の息子保憲が訪れ、晴明に厄介な一件を頼み込んだ。それは―。

“いが茄子男”を探しているつもりが、岡山藩のお家騒動に利用されていた岡っ引半次。

織田信長、浅井長政らの屋敷に身分を偽って仕え、機をうかがう於蝶。

織田信長、浅井長政らの屋敷に身分を偽って仕え、機をうかがう於蝶。

尾張、清洲城下のはずれで、二十の於蝶は五月晴れのもとにのびやかな肢体をなげだしていた。

織田信長、浅井長政らの屋敷に侍して、機をうかがう於蝶の、六年前、どことなく少女めいた硬いふくらみに引きしまっていた肉体は、どこも成熟しつくしている。

大店の娘にしびれ薬を飲ませ、貞操を奪った「いが茄子男」を見つけ出せ――御奉行からの密命を受けた岡っ引半次は、岡山松平様お付きの足軽が犯人らしいとの情報から参勤交代に加わって、東海道を抜け備前岡山まで殿の荷を担ぐことに。

マリ―見かけは普通の少女だが、実は天国から地上へ「研修」にやってきた落ちこぼれ天使。

「ぼくの鼻は、イヌの鼻!?」殺人者の襲撃に遭い、頭部を強打された後遺症で“匂い”を失った「ぼく」こと片桐稔は、その代わりに凄まじい“嗅覚”の世界を獲得する。

自衛隊機とともに消えた軍事機密。男たちは夢のために泥を被る覚悟を決めた!気鋭の著者が放つ長編小説。

著名な女流作家・大原鳳月が死んだ。

「そう。

世界秩序の歪みが招いた災禍。

日本を底辺で支えてきた男たちの怨念、―そして最後の挑戦。渾身の問題作、書下ろし文芸ミステリー。

名前・正太郎(雄猫)、毛色・八割黒に二割白(長めの毛足)、飼い主・桜川ひとみ(ミステリー作家)、住まい・琵琶湖近郊、友犬・サスケ、特技・推理―。

待望久しい直木賞受賞第一長編がついに刊行される。物語は1986年アフガニスタン東部のパンジシール渓谷にはじまる。

待望久しい直木賞受賞第一長編がついに刊行される。物語は1986年アフガニスタン東部のパンジシール渓谷にはじまる。

聖遷暦1213年、偽りの平穏に満ちたカイロ。訪れる者を幻惑するイスラムの地に、迫りくるナポレオン艦隊。

事件は四年前、新潟県・水道町の日和山海水浴場に近い砂浜で起こった。忽然と消えた少女。

整体院を営む私に、私立探偵の能代が患者を紹介してくれた。黒岩豪。

人と犯罪の溢れる街、渋谷。その街を管轄とする警視庁神南署に張り込む新聞記者たちの間で、信じられない噂が流れた。

奈良国際文化大学の研究生・宇矢伸一郎が、法輪寺の三重塔に「鼠、穴に伏して生き、穴を失いて死す」という、聖徳太子の遺児・山背大兄皇子殺しにまつわる言葉を残して失踪した。

広告代理店に勤める坂巻里加。仕事のオニといわれているけれど、本当は見知らぬ男とホテルに行ったりもしている。

義母の富江は心の底から喜んだ。孝之介が文壇最高の権威「日本文芸大賞」の候補になったというのだ。

日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。

在野の妖怪研究家、「黒衣の男」に出会う。 河童に噛み殺された男。

最後の核爆弾一基が見つからない!スペイン上空で核を搭載中の米軍機が炎上、墜落した。事実をひた隠して懸命の捜索を行う米軍。

こいつが全ヨーロッパを破滅させるキーなのか。

愛憎、美と醜、正気と狂気…全ての境界をゆるがせにする著者渾身の傑作怪談 鶴屋南北「東海道四谷怪談」と実録小説「四谷雑談集」を下敷きに、伊右衛門とお岩夫婦の物語を怪しく美しく、新たによみがえらせた、京極版「四谷怪談」

七月の終わり、いつもの四人組タック、タカチ、ボアン先輩、ウサコら仲間七人は、大学の白井教授宅に招かれた。

会津藩と薩長との戦いで、女性部隊である会津娘子隊を率いた中野竹子は、凛とした風情を湛える絶世の美女としても有名だった。

元KGBの殺し屋・ヴィクトルが日本に潜入した!標的は赤坂で勢力を伸ばすヤクザ組長。

遊廓でお針子として働きはじめた町家の女房が出会った、哀しくもやさしい恋。

出所して間もない手許不如意のひだるさに、島津亮彦は身なりを繕って花見客さざめく多武の山公園へ。

下関から東京へ向かう新幹線の中で、男が「あの女にやられた」と叫びながら、突然死亡した。

国境てなもんは、地形や民族で決まるもんやない。その時々の喧嘩の強さで、右にも左にもずれるんや。

今もっとも闇が熱い街、ヴァンクーヴァー。地に堕ちた男たち宿命の三重奏。

江戸の講談「天保六花撰」の6人の悪党をそれぞれ主人公とした連作6篇。

かつては神宮球場のヒーロー、プロ野球の世界ではノーヒットノーランを達成。

一般職OL兼名探偵・陶子さんの周りで起こる、不思議な“事件”の数々。月曜から日曜まで、丸の内の一週間は謎だらけ。

木戸野亜紀の部屋に送られてきた一枚のファックス。奇怪な文字と紋様で埋め尽くされたそれは、実はとんでもない代物だった。

体から芳香を発する体質の薫大将と、香を焚く天才・匂の宮。

ある日突然、素直な息子が悪魔に豹変した。家庭とは、これほど簡単に崩壊するものか。

嵯峨敏也は謎の女からの電話を受けた。

美濃大垣藩の京屋敷に仕える天江吉兵衛は練達の剣の使い手だが、絵師になる夢を捨て切れず、夜な夜な屋敷を抜け出しては、絵の修業に励んでいた…。

文明開花に沸く明治5年(1872)。突然の再会が若い男女の運命を揺るがした―英語通詞を目標に函館の商社で働く雨竜千吉。

最初に人を好きになったときから、わたしは失う予感におびえている。どんなに言葉と約束を重ねても、その予感はなくならない。

警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。

偶然の事故か、それとも確率の犯罪か?―大学内で連続する奇妙な死。記憶を塗り替えられた蘇生屍、あるいは土人形。

まるで宇宙船のようにも見える、不思議な形をした星の投影機。

四十五光年の彼方に発見されたカペラ系第二惑星は、移民に適した地球型惑星だった。

昭和十年、九月。上野下町界隈から、児童三十名が忽然と姿を消した。

阿部看護婦長、またの名を“血まみれのマリア”は心に決めた。温泉に行こう。

一陣の風が吹いたとき、嫁入り前の娘が次々と神隠しに―。

奉行所検屍役・美馬正哲。身投げや殺し、首縊り…。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。

美香、小百合、さとみ、淳子の女子大生四人は、自らの罪を隠蔽するため、無実の西川勇吉をレイプ犯に仕立て上げ、自殺に追い込んだ。

首のない怪物、密室殺人、移動する死体。本格ミステリの醍醐味が凝縮された傑作。

首のない怪物、密室殺人、移動する死体。本格ミステリの醍醐味が凝縮された傑作。

自分にかけられた呪いを解くため少女が帰った先は、その一族だけが住む孤島。

夫を突然の事故で失ったサヤは残された赤ちゃんのユウ坊とふたり「佐々良」という街へ移住する。

5年前、組の幹部を殺害して大阪を後にした橋爪優作は、北陸の海辺の町で所帯を持ち、一見かたぎのような生活を送っていた。

人工授精をテーマに、動機のない殺人事件の謎を扱った『不安な産声』。

人狼城殺人事件の怪異に満ちた謎のすべてが、名探偵・二階堂蘭子の冷徹な論理によってついに解き明かされる。

希代の怪盗・日本左衛門。その二代目が諸処に出没！？　十兵衛は彼の行方を追いかける。

「一度だけ」と身を投げ出したおすずを信太郎はやさしく諭した。そのおすずが襲われ、自害して果てた。

北海道・利尻島でエリートビジネスマンが変死した。

死体を鬼に見立てた連続殺人―。新聞各紙に“鬼”の署名がある犯行声明文が送られてきた。

1937年7月、北京郊外で軍事衝突が発生。戦火はたちまち広がり、日中両国は全面的な戦争に突入した。

旬の素材を扱う小粋な小料理屋「ばんざい屋」。

二年三カ月ばかり食らい込んで出所したおれは、保護司の娘に一目惚れ。

塀の向こうでの5年間、藤堂は燃えるような信念を抱いてシャバに戻った。やるべきことがある。

21年前、岐阜県美濃加茂地方で、運送会社を経営する一家が襲われた。

夢水名(迷)探偵は、雑誌の謎解き紀行の取材で毬音村へ。

同期会が催された山荘で三日三晩に三人のメンバーが絞殺された。

香港で謎の男・伯爵の誘いをうけ、ロンドンへやってきたネロと5人の電子探偵団。

気がやさしい鋳掛け屋・伊助が、息子・浅吉にせがまれ背中に入れた髑髏の刺青。刺青を入れるには大金がかかる。

箱根ロープウェイの搬器内で、室伏ナオミの刺殺体が発見された。

合計二十人もの死者を数える人狼城殺人事件解決のため、名探偵・二階堂蘭子は欧州へ飛んだ。

20年の時を経て再び甦る恐怖！！ 時代を現代に移した上に、オカルト的な黒い雰囲気と小道具を大胆に導入している点に特色がある。

無実の死刑因を救い出せ。期限は3ヵ月、報酬は1000万円。

北町奉行所の同心、為後勘八郎は見廻りの道すがら、見なれぬ路地に通う近くの少女、おみちを目にする。

今ぼくは第二の人生を送っています。つまりぼくには前世があるのです。

史上最悪の大地震と火山噴火で、練の恐怖の針は振り切れた。

LAPD(ロスアンジェルス市警)重要犯罪課に持ち込まれたヴィデオ・テープ。

山上潔は焦っていた。35歳、独身である。

骨太の書下ろし傑作エンターテインメント!鬼気迫る、新田次郎賞作家の新境地。死を覗く女あり。

二十一歳の知的障害者・永遠は、同じハンディキャップをもつ青年たちが働く工場で住み込みで働くことになる。

花沢支配人は青ざめた。

白子屋残党との息づまる闘いの日々 鍼医師として人を救い、仕掛人として命をうばう。

江戸のピカレスク梅安シリーズ最終話 白子屋残党の執拗な攻め。

人は皆、警察までもが、河辺遼吉は浮気の果てに心中したと断定した。

姪の病気の報に、失踪した義弟を探す並木。その男は昔、同じ女を愛した親友でもあった。

幽玄なる山岳地帯、独仏国境の深い渓谷を挟んで対峙する双子の古城・人狼城。

電車の中で突然、高価な花束を渡してきた、見知らぬ年下の男の真意は? からみあう愛と憎悪、そして物語はめくるめく結末へ…。

美術品に秘められた魔性と、人間の飽くなき欲望―。