背筋が冷たくなる話
- ネパール (8)
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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山岳冒険小説、SF小説の旗手、谷甲州が手がけたホラー短編集。山岳小説をモチーフにしたもの、SFをモチーフにしたものもあるが、この作者には珍しく、日常を舞台にしたものが多かった。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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実は谷甲州氏の作品は初読です。山岳小説やSFを書いておられるということは漠然と知っていたのですが、ホラーも書いていらっしゃるとは知りませんでした。 本のタイトルにもなっている「背筋が冷たくなる話」は、いかにも氏らしい雪山が舞台の作品です。自分は、雪山をふもとから見上げたり、登山の関連番組を見たりするのは好きですが、山登りなどとてもできないというヘタレです。が、この作品はまるで自分が吹雪の山で遭難したような臨場感があり、また、恐怖の部分もありえない話ではなく、なかなかよかったです。次の「猿神」は一番気に入った話で、最初の作品とは逆に舞台となる低地ネパールの熱気がじっとりと感じられます。人里から遠く離れてさびれた村落の土着的な不気味さが迫ってきます。 他、「おとぎ話」は、昔、読んだフレデリック・ブラウンの人形の家の話を思い出しました。世界の外に何者かがいて、自分たちはそれに見下ろされて繰られているだけなのだという感覚。しかも、その者の気まぐれで運命が決まってしまうという理不尽さ。それから、最後の「雨夜子」は闇にひそんでいる魔の気味悪さが際立っていました。 あとは結構神経症的ともいえるような話が多く、よくできているのですが後味がいいとは言えず、精神状態があまりよくない時に読むと落ち込んでしまうかもしれません。けれど、それだけ作品が真に迫っているということなのだと思います。ホラー小説全般の好きな方にはおすすめです。 | ||||
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