遠き雪嶺



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初公開日(参考)2002年09月
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長編小説

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遠き雪嶺(上) (角川文庫)

2005年10月25日 遠き雪嶺(上) (角川文庫)

世界の屋根たるヒマラヤは東洋の盟主・日本人が征服する―。昭和11年、ヒマラヤ処女峰ナンダ・コート初登頂に夢を賭けた日本遠征隊。立教大学山岳部の堀田弥一隊長率いる総勢5名。だが、遠征準備は苦難に満ちた。資金集め、装備、ベースキャンプへの物資輸送、シェルパの雇用などすべて手探りであった。そして、栄光の頂上を目指し、ヒマラヤの麓へ出発…。日本山岳小説に燦然と輝く、渾身の超大作900枚。 (「BOOK」データベースより)




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遠き雪嶺の総合評価:8.50/10点レビュー 8件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

余りに淡白なドキュメンタリー

数々の山岳小説を物してきた谷氏が今回取り組んだテーマは戦前の立教大学山岳部を扱ったドキュメンタリー小説。日本人で初めてヒマラヤ登頂を成功したチームの物語である。
これは当時TVで流行っていた『プロジェクトX』を髣髴とさせる内容だ。しかし決定的に違うのはこれは小説であるという事だ。したがってあのTVの手法をそのまま小説に持ち込めばなんとも味気ないものになる。そしてこの作品はそれをやってしまって、全体的に淡白な印象を受けるのだ。

事実を扱ったドキュメンタリーであっても、小説家のフィルターを通れば自然、物語に熱を帯びてくるものだが、本作においてはそれが見られない。
立教大学山岳部の成り立ちと初のヒマラヤ登攀挑戦に向けての数々の苦難、ようやくヒマラヤに着いてからの未知の世界・習慣に対する戸惑い、そしてやはり世界の屋根ヒマラヤが持つ、他の山々の追随を許さない過酷な環境。これら一通りの事は語られるのだが、非常に淡々としており、苦労が真に迫ってこないのだ。

物語を面白く材料は多々ある。やはり立教大学山岳部の個性豊かな面々、特に本作の主人公ともいえる最年少登頂者浜野の親友であった「雷鳥」こと中島雷二のエピソード、そして部外者ながらもヒマラヤ登攀グループの一員に加わる事になった毎日新聞社の竹節記者、金持ちの出の奥平。彼らがヒマラヤ登攀の選抜隊に加わるか否かのやり取りなど、もっと色濃く描写できたはずである。
しかしこれが素っ気無い。例えば、竹節の参加を巡っての諍いとか、財政面でどうしても参加できなかったメンバーが「いっそ子供と女房と別れてまでも参加しようと思った」とか「参加できるお前が正直憎い」といった人間の内面をむき出しにするドラマがここにはない。みな紳士で、優しく、お行儀がいいのだ。つまり読者の心にあまり振幅をもたらさない。これが物語としての熱がないという意味だ。

そして通り一辺倒に立教大学山岳部が発足からヒマラヤ登攀に至るまでのストーリーを語るがために、全てが平板に語られている印象があり、物語の焦点が見えない。谷氏がこの物語でどこに重きを置いたのかが解らないのだ。
冒頭のプロローグではヒマラヤ登攀シーンで失敗をするところが描かれている。ここからもこの物語の焦点はヒマラヤ登攀シーンなのだろう。しかしこれが今までの谷氏の山岳冒険小説とどう違うのかが解らなかった。むしろ作り物である諸作品の方が、もっと人間の限界ギリギリの苦闘を描いていたように思える。ドキュメンタリーだから嘘は書けないだろうが、資料のない部分は作者の想像力で補っていいはずである。そこに本作の詰めの甘さがあるように思う。

もしこの作品が谷氏の山岳小説の第1作であったならば、立教大学山岳部の成り立ちからヒマラヤ登攀までの一連の出来事を綴ったこの内容で十分満足できただろう。
しかし、既に何作か山岳冒険小説を出している作者が今頃になってこういう作品を著すのならば、そこにはやはり物語作家としての+αを求めるのが読者の性だし、それに応えるのが作者の力量であろう。
きつい苦言になるが、遅きに失した作品、もしくは内容不十分の作品と云わざるを得ない。

Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.7:
(5pt)

海外遠征の黎明期

日本人登山家が、海外の山を登り始めた頃の話です 日本国内での資金集め、準備段階の話が半分 ベースキャンプまでの行軍が 1/4 登山の話が 1/4で構成されています 日本国内の、資金集めの精神的なつらい話も、楽しく読める内容でした 高度順応とか、難しい登山用品が無い頃の話なので、登山の素人な人でも、 首をかしげること無く読むことが出来ます
遠き雪嶺(上) (角川文庫)Amazon書評・レビュー:遠き雪嶺(上) (角川文庫)より
4041701023
No.6:
(5pt)

ナンダ これ!

ナンダコートを戦前登攀した日本人の物語。
新刊で入手できないのが残念!
谷甲州の山岳小説は本当にリアルだ!
遠き雪嶺(上) (角川文庫)Amazon書評・レビュー:遠き雪嶺(上) (角川文庫)より
4041701023
No.5:
(5pt)

何ゆえ廃刊?

日本人初のヒマラヤ登頂の物語
作者自身が登山の経験が豊富なので描写が実に生き生き書かれていて
読むものをその場に連れて行ってくれる。
谷節炸裂の山岳小説だ。
何故、これが新刊で入手できないのか分からない。
遠き雪嶺(下) (角川文庫)Amazon書評・レビュー:遠き雪嶺(下) (角川文庫)より
4041701031
No.4:
(4pt)

ダイナミックな、まるでノンフィクションのような大作

今から70年前、昭和11年、立教大学山岳部は日本で初めてヒマラヤに遠征して、ナンダ・コットの世界初登頂に成功した。 遠征隊派遣にいたるまでの数々の準備と関門、インド到着からヒマラヤ、ナンダ・コット麓に至る道のり、ベースキャンプ設営から頂上アタックへの苦難の登山、キャラバン隊編成の苦労、シェルパとの親交や隊員同士の軋轢…。夢を抱いた男たちの壮絶な人間ドラマが、浜野正雄という一隊員の目を通して描かれている。 読んでいるうちに自分が浜野その人になったかのように物語に引き込まれてゆく。 著者谷甲州は海外協力隊の経験もあり、’96年には『白き嶺の男』という短編集で「第15回新田次郎文学賞」を受賞したほどの本格的な山岳小説の書き手である。と同時にスケールの大きなSF小説や架空戦記ものなども得意としている。 本書はそんな著者の作品の中でも、構想10年、執筆開始から脱稿まで6年という、綿密な取材に基づいたノンフィクションといってもよいほどの性格を持ったダイナミックな本格山岳大作となっている。
遠き雪嶺(上) (角川文庫)Amazon書評・レビュー:遠き雪嶺(上) (角川文庫)より
4041701023
No.3:
(5pt)

これは美味しい

文句なしに、近年の山岳小説のなかで、一番です。この遠征の時代背景がワタシには、いまひとつ認識できていなかったのですが、これでよくわかりました。小説としての出来不出来についてはいろいろの意見はありましょうが、題材の良さが光っております。考えてみると山岳小説は、フィクションでは成り立たない世界なのかもしれません。だから、フィクションでやろうと思えば『惑星CB‐8越冬隊』のようにするしかないのかもしれません。
遠き雪嶺(上) (角川文庫)Amazon書評・レビュー:遠き雪嶺(上) (角川文庫)より
4041701023



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