紫苑の絆



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    初公開日(参考)2003年08月
    分類

    長編小説

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    紫苑の絆〈上〉 (幻冬舎文庫)

    2006年09月30日 紫苑の絆〈上〉 (幻冬舎文庫)

    シベリア出兵からの帰国以来、無頼の徒となっていた松涛禎は、かつての恋人・綾乃から鍬形正吾の捜索を頼まれる。鍬形は同郷の戦友であり、松涛から綾乃を奪った男だった。依頼を受けた松涛はある時、大陸に消えた父を探す娘・小田桐千佳に出会う。鍬形が小田桐を追っていたという情報を得た二人は厳寒のウラジオストクに渡る決意をする…。 (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    紫苑の絆の総合評価:6.50/10点レビュー 4件。Cランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全2件 1~2 1/1ページ
    No.2:
    (7pt)

    色んな要素は詰まっているのだが…

    松濤禎という男の波乱万丈人生劇場とでもいおうか。とにかく色んな要素が詰まった作品である。
    上越国境での鉱山採掘現場からストーリーは端を発し、酷寒の信州の山中での逃亡行。信州の寒村で鍬形とともに逃げ出した妾のサトの家に辿り着き、そこから北海道の小樽へ移り、そして一路ロシアのウラジオストクへ渡る。しかしそこでも探し求める人物には逢えず、国境警備隊の一員となり、朝鮮独立運動に加担する反乱軍の討伐を頼まれ、やがてソ連内で勃発する複数の民族間闘争の荒波に否応無く飲み込まれていく。

    また敵役も移ろいゆく。飯場頭の河西重蔵を皮切りに、特攻くずれの野槌の田岡、軍隊時代の知り合い、清浦謙治、そして敵か味方かも解らぬ国境警備隊の氷川。更には俘虜の1人で松濤に憎悪の視線を向ける同行者辻川。ロシアの中国人組織を牛耳る男、郭大人。
    そして松濤の捜索の支援をする人物も移ろいゆく。サトの実家で知り合い、道連れとなった小田切千佳、小樽の町で知り合った香坂蘭子と名乗る中国系の武器密輸行商人、そして「少尉」と呼ばれる千佳の面影を湛えた男。中国人組織に敵対するロシア警察の副署長カマロフと切れ者の部下ゼレージン。そして氷川に協力するブリヤート兵の長テンゲル。

    明日の敵が今日の味方―正確には松濤を利用する側なのだが―、昨日の味方が狙うべき標的に目まぐるしく変わる。密かに慕う綾乃の、鍬形を捜してほしいというたった一人の願いで、松濤はソ連を取り巻く抗争の荒波に翻弄される。しかし、そんな松濤の行動原理は鍬形の捜索というかつて愛した女性綾乃の依頼よりも途中で出逢った小田桐千佳の存在によるところが大きい。
    『君の名は』の如く、逢いたくてもなかなか逢えない2人。そんな2人が困難の末、ようやく逢えたというカタルシスを得られるシーンが少ないのが物足りない。ストイックな松濤がかなり年下の千佳に遠慮して自分の愛情を表に出さず、内心忸怩たる思いをしているのもこの長丁場を持たせるには結構きつい物があった。

    上中下巻合わせて総ページ1,500弱の大作。上に述べたように主人公松濤の運命も起伏に富んでいるが、なぜか読後のコクが薄いように感じた。
    それは物語の舞台が上越から小樽、そしてソ連国内の各所と次々に移るにしても、全てそれらは極寒の地。つまりそれぞれの追跡行が極寒の山中のシーンばかりなのだ。つまりこれこそが谷氏の得意とする分野なのだが、こう何度も続くと単調さは拭いきれない。発端→極寒の山中→新たな出逢い→極寒の渡海→捜索→極寒の中でのドライブ→極寒の山中での逃走・・・と終始こういった具合だ。

    これほどの大作となるとやはりもっと色んなジャンルがミックスされた展開を期待してしまう。いや確かに山岳小説、エスピオナージュ、歴史小説といった側面を備えてはいる。が、上に述べたように本作は似たようなシーンの繰り返しで冗長な感じを受けてしまった。表現も今までの山岳小説に見られたものが使い回されていたのも気になった。

    さらに先に述べたが、松濤と千佳との2人のシーンが松濤の内面描写だけで、2人の意思が通じ合うシーンが表立って出てこなかったのもやはり大きい。
    私はロマンス小説は読まないが、やはりここまで松濤の一途な思いを描けばそういうシーンを求めるのが普通だろう。作者の照れ故か解らないが、プロローグにあれだけロマンティックなシーンを用意したならば、それに応えるエンディングも必要なのではないか。そうする事で題名の意味も補強されるだろうし。
    しかし同じようなシーンが続くとはいえ、これだけ展開の目まぐるしい小説は韓流ドラマのような趣きを感じた。案外テレビでドラマ化すれば受けるかもしれない。

    Tetchy
    WHOKS60S
    No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
    (7pt)

    紫苑の絆の感想

    国内から旧ソ連まで、とにかく寒い所でずっと戦っている冒険小説です。主人公も敵側も、ジャック・バウワー並みのタフさで、ぼこぼこにされても、次のシーンでは平気で駆け回っています。
    不満の多い作品でしたが、まず、単純に長すぎる。半分程度の分量で、もっと緊張感を保って欲しかった。また、主人公の行動やそのモチベーション、周りの人たちのキャラ設定等が理解不能。登場人物が多過ぎて、伏線回収も、したのかしてないのか、それともそもそも伏線では無かったのか?と混乱しました。
    力作には間違い無いし、作者の真面目で誠実な人柄を感じる様な作品です。「長大雪中冒険小説」をご希望の方にはおススメします。

    なおひろ
    R1UV05YV
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.2:
    (3pt)

    剣呑な…

    同郷の戦友で恋敵でもあった鍬形の捜索に乗り出した松濤。ロシア革命後の政情不安定な厳寒の大地に、父の消息を追う娘・小田桐千佳とともに渡った松濤の運命は…。残留日本軍人、中国系組織、白系ロシア組織、民族ゲリラなどが利権をめぐって非情な闘いを続ける緊迫感のなかでの捜索劇は、なかなか読みごたえあり。だが、著者の表現を借りれば、「剣呑な人物」、が登場しまくり、しかも不死身。笑っちゃうくらいにしぶとい。また、松濤の人物造型がつじつまが合わないし、隙がありすぎて形勢逆転されるのが余りにも多くて飽きる。そもそも話が長すぎる。
    紫苑の絆〈下〉Amazon書評・レビュー:紫苑の絆〈下〉より
    434400387X
    No.1:
    (3pt)

    文庫版まで待つべきかと

    谷甲州作品ではしばしば見られる心理描写の手法がありますが、それが作品のかなりの比重を占めています。
    雰囲気的には『戦闘員ヴォルテ』が原型でしょうか。主人公が大陸に渡り、ロシア国境警備隊、中国マフィア等と渡り合い、何度も生死をくぐり抜けていくわけですが、冒険小説と言うにはエンターテイメント性は高くありません。他の谷甲州作品の例に漏れず、お色気がほとんど無いのも勿論です。
    覇者の戦塵シリーズのような戦記ものの、一人の人間に特別に焦点を合わせた作品と言うべきかもしれません。力作であるのは間違い無いので、谷甲州ファンとしては押さえておきたいところです。
    ですが、文庫版が出るまで待った方が良いと私は思います。
    紫苑の絆〈下〉Amazon書評・レビュー:紫苑の絆〈下〉より
    434400387X



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