植物に取り憑かれたかのような、不可解な姿を晒す遺体。寂れた山村で連続して起こる事件の真犯人は?妖の仕業か、まやかしか。

「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。

“帝国陸軍でもっとも危険な男”と称された氷室中尉。20年前に欧州で消息を絶った彼が、帝都・東京に現れた。

大蔵省の若き官僚・尾谷は、腐りきった官房長・村井の殺害を密かに計画していた。

夏を彩る大川の川開きを間近に控えた頃、深川六間堀の金兵衛長屋に住む素浪人、坂崎磐音は日頃から世話になっている両替商・今津屋から花火見物の納涼船の護衛を頼まれる。

テディは、愛情とは無縁のまま育った。

トカジがほじくり出す、ダメ男の爆裂的人生。できればなかったことにしたい昭和史。

一八八八年の八月三十一日から十一月九日の間に、ロンドンで五人の娼婦を次々に惨殺し、街中を恐怖に陥れた殺人鬼“切り裂きジャック”。

鎌倉の初秋の風物詩、薪能を友人頼兼千寿留と楽しんだ日美子は、その帰途で千寿留の姉、芙蓉の絞殺死体を発見する。

第二次大戦末期の砲火の下、フランスからドイツへ脱出する列車で出会った日本人少年と少女の淡い恋心を描いた表題作の他、主婦の足下に忍び寄る謎の女を追う「マリア観音」、清水の次郎長の三人目の妻・お蝶が男女のもつれから死に至るまでを書いた「お蝶殺し」など魅力の五篇

新聞に載った自殺者の名前は、殺人事件の裁判で検察側に有利な証言をした証人だった。弁護士の水野は過去の真実に迫っていく…。

警視庁の田中刑事が突然、辞表を残して姿を消した。飲酒運転で人をはね、死体を奥多摩に埋めた弟を守るためだった。

深夜、十六歳の少女の部屋に男が侵入、母親に猟銃で撃たれた。男は十七年前に少女と結ばれる夢を見たと言う。

西南戦争が終結した後も、日本の動揺は続いていた。そんな時、今度はなんと近衛兵が反乱騒動を起した。

山頂から愛の信号を送ると約束し、恋人を山麓に残してひとり山頂をめざした影山だが、送られてきたのは遭難信号だった。

すすり泣く胡弓の音に、踊り子の編笠が揺れる。

十九世紀末のロンドン―婚約を終え幸せの絶頂にある青年将校ハリーに、一通の電報が届く。

病に伏せる母のために身を売るようにしながらも、言い交わした男を待つ女。

「娘に伝えて下さい。父さんを信じてくれ、と」。

秋田県雄勝町で催される「小町まつり」の最中、小町娘に選ばれた松島珠里にすがり付くように、一人の老人が「オニコウベデアッタ」と呟き絶命した。

「タカハシノヤツ…」新宿の路上で謎のダイイング・メッセージを残して死んだ富山県・養護施設の職員。

秋田県雄勝町で催される「小町まつり」の最中、小町娘に選ばれた松島珠里にすがり付くように、一人の老人が「オニコウベデアッタ」と呟き絶命した。

世界的テロリストの策謀に翻弄される船長・柚木。懸命に父を追う海上保安官・夏海―。

灼熱のマラッカで老朽貨物船パシフィックローズを襲った恐るべき陥穽―。

江戸川乱歩に認められてデビューし、幻想的なミステリーから純文学まで幅広く活躍した名手の短篇を収録した作品集。

ジェシー・キーズとジェイコブ・クラークの死により、エイリアンの関心はその子供たち、チャーリー・キーズとリサ・クラークへと移る。

わたしのかつてのパートナー、エバハートが死んだ。自らの胸を撃ち抜いて。

二万ドルの報酬で価値のないものだけを盗む、変わり者の盗賊ニック・ヴェルヴェット。

20年前の新生児誘拐事件で封印された真実が、いま明らかに。第49回江戸川乱歩賞受賞作。

精神科医弥生原公彦の患者の元に送り届けられた「呪いのビデオ」。

多くの兵士の霊が眠る硫黄島が、いまふたたび流血の地と化そうとしていた。

ミネソタの小さな町レイク・エデンは、いつになくにぎわっていた。

ミネソタの小さな町レイク・エデンは、いつになくにぎわっていた。

ソフトウェア会社に勤める平岡が通っているチャットルームに“インターネットの亡霊”と名乗る者が現れた。

剥き出しの「人間」どもの営みと、苛烈を生き抜いた少年の軌跡―。比類なき感動の結末が待ち受ける、現代の黙示録。

突然、雨の路上に立っている自分に気づいた神田健一郎。傘も持っておらず、なぜか右手には血まみれの果物ナイフ。

誰もが涙した感動の名作『アルジャーノンに花束を』へ熱きオマージュを捧げた「もう一人のチャーリイ・ゴードン」をはじめ、旧家での哀愁をおびた不思議な一夜をせつせつと語る「芦屋家の崩壊」、結婚百周年の老夫婦を思いもよらない形で祝福する「百光年ハネムーン」と、いつ

「四人ゲーム」。まっくらな部屋の四隅に四人の人間が立ち、肩を順番に叩きながら部屋をぐるぐる回るゲームだ。

透明人間はこの世に存在する。人間を透明にする薬もある。

第二次大戦が終わった夜、原爆が生まれた砂漠の町で一人の男が殺され、混沌は始まった。

除草剤でも枯れないコーンや大豆。カレイの遺伝子を持つジャガイモ。

「沈黙の春」の次に、人類は恐るべき事態に直面する――。 殺虫機能を持つジャガイモや大豆。

人の心の中にはどれだけの宝が眠っているのだろうか――。

さっきまで乳母車にいた娘、珠代が誰かに連れ去られた!未婚の母で元刑事の羽根栄枝は、うろたえた。

虹北学園の修学旅行先が決まった。目的地はO県T市。

近未来、荒廃した日本では“自由地帯”と呼ばれる地域にホームレスが集まっていた。

頼朝亡き後の鎌倉幕府は、嫡子・頼家と、その母・政子を中心とした北条氏とが反目、一触即発の状態になる。

並はずれた美貌をもつ外科医・石月畔奈。オペでメスをふるうことに性的快感をおぼえる危ないドクターだ。

警察の手を逃れ、故郷のニューオーリンズからフィラデルフィアへと逃亡してきた青年ハートは、あまりの寒さに耐えかね、一着のオーヴァーコートを盗んだ。

殺人現場に置かれていたフクロウ像の意味は何か?捜査を進めるうち、テリーはすべての手掛かりがボッシュを犯人と名指ししていることに気付く。

心臓病で引退した元FBI心理分析官テリー・マッケイレブは、旧知の女性刑事から捜査協力の依頼を受ける。

邪悪な洋館へようこそ 美少女・来夢(らいむ)の秘密? 幻想怪奇の冒険譚 夏休み。

母を殺した犯人たちを見つけてもらいたいの―迷宮入りになった28年前の銀行強盗事件で犯行グループに射殺された被害者の娘が、真剣な面持ちでスペンサーに訴えかけた。

白痴の少女の美しい手に魅入られた青年ランは、その手を我が物とするために少女の家に移り住むが…エロスとタナトスの極致ともいうべき異形の愛をえがいた絶品「ビアンカの手」、頭と左腕を残して砂に埋まった男の内的世界を追求して圧倒的な「海を失った男」、交通事故で妻を

念入りに顔を焼かれていた男の死体―被害者は映画業界に巣くう業界ゴロ。

春分の日の午後、僕は軽井沢のセンセから平塚亭に呼び出された。

兄夫婦が交通事故で死んだ。十年前、家出同然で単身ニューヨークへ渡った高森真琴は、一人残された姪と暮らすために帰国する。

終戦工作をめぐって「生」を奪われた外交官。戦後16年、彼の娘の恋人で真相を追う記者の前に、殺人事件が…。

父はまだ生きている？　社会派ミステリーの傑作を新装版で

シュルーズベリの人々が楽しみにしている聖ペテロ祭。ところが祭りの前日に町の若者と商人・トマスが思わぬ諍いを起こす。

―左目が疼く。また、どこかで死霊が騒いどるんか。

「…具体的に、あなたは何の研究をしているのですか?木賀峰助教授」「死なない研究―ですよ」永遠に生き続ける少女、円朽葉をめぐる奇怪極まりない研究のモニターに誘われた“戯言遣い”こと「ぼく」は、骨董アパートの住人・紫木一姫と春日井春日とともに京都北部に位置する

大企業の社長が自殺した。それは評判の画家に描かせた肖像画が届いた直後だった―。

大使館員殺害の容疑者は突如、自分はスペイン内戦で暗躍したスパイ・クリヴィツキー将軍だと言い出した。

「季刊落語」編集部勤務を命ず。という衝撃の辞令から一年。

藤森涼子の勤める一宮探偵事務所では、所長の入院をきっかけに、所長代理の高見が経営方針の転換を図っていた。

雇い主の高成を何者かに殺された村岡。対立していた田沢が容疑をかけられた。

勧修寺家“婚姻家訓”「見合い厳禁。手助け無用。

警視庁捜査一課へ次々と送られてきた謎の白骨、誰が?何のために?十津川の推理が冴え渡る表題作「ある女への挽歌」。

夫の上司の妻から散々虐げられてきた女がふとした偶然から手に入れた一挺のコルトガバメント。

私を見下ろすお父さんの背後には

12歳の誕生日をすぎてまもなく、ぼくはいつもしあわせな気分でいるようになった…脳内の化学物質によって感情を左右されてしまうことの意味を探る表題作をはじめ、仮想ボールを使って量子サッカーに興ずる人々と未来社会を描く、ローカス賞受賞作「ボーダー・ガード」、事故

交通事故に見せかけた殺人、事故を利用したアリバイ・トリック、保険金奪取を目的とした偽装事故、アフターロス(事故後契約)…一件の交通事故はときに一億もの保険金を生み出すことがあり、それを意図的に狙う犯罪はあとを絶たない。

聖地が動いた。1匹の犬とともに。

モー娘。じゃなくおニャン子の時代、僕らの弱小高校野球部にスゴイ奴がやってきた!練習よりも『夕やけニャンニャン』。

大分県国東半島の先に浮かぶ姫島。謎と伝説に彩られたこの小島で、島の長の息子が惨殺された。

殺人罪で多摩刑務所に服役中の元警察官・一刀猛のもとに、妹が殺されたという報せが入る。

大好評を博した、前作『タイムスリップ森鴎外』に続く第2弾!意識を失った瞬間、1860年にタイムスリップしてしまった女子高生・麓麗は、現代に戻るべく、時代を歴史どおり正しく進めるため、桂小五郎、坂本竜馬ら幕末の志士たちと明治維新を目指すのだが。

一九九三年から約三年間、激しい腰痛のため、死まで考えた作家の衝撃の闘病記。

彫像という名を刻まれた男・新坂五郎。彼の人生を狂わせたのはたった53枚の賭け札だった。

殺人現場を目撃したことを誰にも信じてもらえない少年の孤軍奮闘ぶりをサスペンスフルに描く表題作など、ウールリッチ=アイリッシュの名訳者が遺した傑作7篇。

第二次世界大戦中の1944年、パイロットのラッセル・キーズ大尉とクルーたちは戦闘中に不思議な青い光に遭遇する。

男は恋人を奪った友人を殺した。目撃者は友人の飼い犬だけ。

愛は確実に届けられる。だからこそ、今を生き続けるのだ。

高熱で病院の診察を受けた男が急死した。診断はインフルエンザで、処方された薬を飲んだ矢先の症状の激変だった。

秋にアフリカに渡り、春、欧州に戻るコウノトリがなぜ今年はかなりの数帰らなかったのか?調査に発つ直前、青年ルイは調査依頼主の無惨な死体を発見する。

自白した被告人へ無罪判決を下した元裁判官に、今、火の粉が降りかかる。

IRA内部に送り込んだ長期潜入工作員ウォッチマンが裏切り、MI5の幹部を次々暗殺している。

車上のコンスタンチンは、運転席の初老の男ポウクを見やった。

十二年前の月の夜、源博雅に芍薬の枝を差しだし去って行った謎の姫…安倍晴明は人の心にすまう鬼をいかにおさめるのか。

20世紀初頭、炎上する密航船の甲板でアンジェロは生まれた。

愛する者はみな奪われた。

黒砂に打ち上げられた美しい小箱。その木地はストーンの村にはない深い赤だった。

人間の焼け焦げた骨と肉の塊が、文化人類学者で、英陽女子大助教授の日下部遼のマンションに投げ込まれた。

A女学院のニシ・アズマ先生の許にちょっとした謎が持ち込まれる、あるいは先生自らが謎を見つけ出す。

違う時間を生きる恋人たちの心情を痛切に描いて、発表と同時にスタンダードになったと絶讃されたデビュー作「美亜へ贈る真珠」をはじめ、亡くなった男を想いつづける女心の深淵にふれる「梨湖という虚像」、夫婦のすれちがいが驚くべきできごとに発展する「玲子の箱宇宙」、時

禁酒法時代のアメリカを去り、男たちはパリで“きょうだけ”を生きていた―。

世界選手権の意外な結末とは? 第一次大戦前のウィーンを舞台に、引きわけに魅せられた挑戦者の内面を静謐なタッチで描く、ツヴァイク、ナボコフと並ぶチェス小説の傑作。