異型の深夜
- 拳銃 (222)
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第1作「異型の白昼」が1977年の出版なので、6年ぶりの出版になります。「異型の~」シリーズは、最強の凶器拳銃を手に入れた人間が、引き金を引けば憎らしい相手を殺害出来るという、変な自信を付ける事によって心境が変化していく様子を面白く描いたユニークな物語です。しかし、実際に拳銃が使用される事はありません。前作と同様に、5編の短編になっています。短編だけど、同じテーマの連作であり、オムニバス方式です。このシリーズの面白いところは、登場する人々が一風変わった職業であったり、何か複雑な事情を持っていたりする事です。平凡なサラリーマンでは無く、一風変わった職業に就く人で、その業種の裏側を暴露しています。また、耐え難い複雑な人間関係に悩まされている主婦などが登場します。第1章は、亭主の部下社員の奥様を奴隷の様に便利に使う部長婦人の話。会社の亭主の役職の上下関係が、主婦達にも適応される理不尽さを面白く書いています。第2章は、ピンクキャバレーでマネージャーをする男の話とピンクキャバレーのホステス達の実情。大学を中退して、まともな職に就けず転々として、ピンクキャバレーに勤め、マネージャーをしていた男が、人間として扱われない職場に不満を持っていました。だが、自信を付けピンクキャバレーの世界で一番になろうと変心してゆく姿を書いた勇気を貰える話です。第3章は、小さな私立探偵事務所へ来る依頼人の様子と、場合によっては、浮気をでっち上げてしまう探偵事務所の女性所員の話。第4章は、トラックの運転手をしながら、三流芸能プロダクションで端役を勤め、万に一つの可能性に希望を抱きスターを夢見る若者の話。第5章は、男女の性行為の音声をカセットテープに録音して販売する業者の存在と、それを求めるマニアが多数いる話。荒唐無稽な職種もあるし、奇妙な人間関係もあります。だけど、どれも社会の底辺に住む人々で、人生に躓き失敗し自信を失った者たちです。常に上位者に対して鬱憤を抱いていました。ところが偶然、拳銃を手に入れ、それを使用する事で、その憎むべき上位者を抹殺出来ると考えた時、妙に、自信を持ってしまうのです。先にも書きましたが、実際に使われる事はありません。そう言った5話5様の楽しみがある一冊です。第1作の「異型の白昼」は拳銃の入手手段に凝っていたところがありました。だけど本作以降のシリーズでは、それが省力化されて、スムーズ且つ軽快に話が進んでいきます。そんなところも改良されている所です。益々、人気を集めそうなシリーズになりそうです。 (付)本書は1983年4月角川書店から初出版されたものです。1985年には同社で文庫化され、さらに1991年祥伝社、1997年ケイブンシャ文庫、2000年青樹社、2003年廣済堂文庫から再出版されています。2014年には祥伝社によってkindle化されました。長いあいだ読み続けられている作品です。 | ||||
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