海を失った男
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わからないから知りたいと思い、まるで関心を引きたいかのように知ったかぶりしてみる。奇妙な振るまいが魅力的で、平凡が特別になる。嗚呼まるで恋心のようではないか?鼓動は音楽、身を捧ぐ、成熟の証、投影された自我、人徳のすすめ、善悪は表裏一体、自制心あるいは還らぬ人へ払う敬意、走馬灯、8つの短編それぞれに記された洞察が心を擽り、翻訳に移し変えて尚そのスタイルに魅了される。 | ||||
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好みの分かれる作家の、好みの分かれる短編集です。 個人的ベストはなんといっても表題作「海を失った男」。文章から立ち上がる凄みに何度読んでも打ちのめされます。 本書の収録方針として、単に「よく書けている」とか「誰にでもわかりやすい」ものは選ばずに、「これがスタージョンだ」という作品を提示するように心がけたとのこと(『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』あとがきより)。初めての方は『不思議のひと触れ』(大森望編/河出文庫)のほうが全体的に取っ付きやすいのでオススメです。 | ||||
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河出文庫のスタージョン短編集も三冊目だ。本書は先鋭的な短編と物語性の強い中編が同時に収録している。まず短編から。 『音楽』と表題作は、観念的な掌編だ。ピンと来ない。 『ビアンカの手』フェチズムと強迫観念で練り上げられた作品で、かなり好き。性的なのに、エロくない。 『シジジイじゃない』本書の白眉だ。この世は少数の人間が見ている幻覚だった。幻想作家としての個性が目立つ傑作。 『墓読み』墓を読めば故人の人生がわかる。ホラー風味の佳作だ。 次の三篇は中編だ。 『成熟』胸腺が消失しない男は、内分泌異常のため天才となった。 成熟とは何か?どうしても必要なことか?というテーマを追求すれば大長編になるだろうが、そこまで深くはない。 SFぽくもなく、あっさりした普通小説だ。 『三の法則』三体が一組となるプラズマ生命が、人体に憑依した。失われた伴侶を求めて苦闘の旅が始まる。高品質な本格SFだ。 編者は「性的なテーマを描くなら、SF的設定は邪魔だ」と書いている。 作者自身も「愛が一夫一婦制に限らない」と語ったそうだが、素直に読む限りは、メインテーマはエネルギー型宇宙人の地球における冒険であって、 性的テーマはオマケに過ぎないような印象を受ける。 『そして私のおそれはつのる』超能力SFだ。この手の話なら結末は読める、と思いきや、意外なツイストが待っている。お気に入りの一篇となった。 この作家の多芸さが理解できる一冊でした。 | ||||
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本書の収録作品は下記の通り。 ・「音楽」 ("The Music”) 1953年 ・「ビアンカの手」 ("Bianca's Hands") 1947年 ・「成熟」 ("Maturity") 1948年 ・「シジジイじゃない」 ("It Wasn't Syzygy") 1948年 ・「三の法則」 ("Rule of Three") 1951年 ・「そして私のおそれはつのる」 ("...And My Fear Is Great...") 1953年 ・「墓読み」 ("The Graveyard Reader") 1958年 ・「海を失った男」 ("The Man Who Lost the Sea") 1959年 全編に渡り、何とも言えない「惜しさ」が満ちて来る作品集に映る。 出だしや作中に「おぉ!」と呻くような気をひく箇所も有るのだが、 話全体では「冗長」で「不可思議」、「おい」と突っ込みたくなった。 この不完全燃焼感?がイイのかな。アレンジが効くと化ける気も。 収録作品では「ビアンカの手」がお薦めだ。魔力って有るのよね。 | ||||
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作者の作品を読むのは「輝く断片」に次いで二度目。その「輝く断片」は玉石混淆のアンソロジーであり、読み手を選ぶ作者の気難しさを感じさせるものだったが、本アンソロジー中から「玉」を見出すのは難しい。 編者は<人間的SF>と称しているが、作者の関心が、普段見落としがちな日常生活における大切なもの、愛の形の自由性といったものに向けられている事は良く分かるが、如何せん、読んでいて面白くないのである。意表を突いたかに思える結末も、何でこの程度の事をこうした形式で描く必要があるかが理解不能な短編が多い。例えば、愛の形の自由性を謳った「三の法則」に宇宙人を登場させる必要があったのか ? 中編と言っても良い分量を掛けた「成熟」の結末の平凡さ加減は何なのか ? 着想の妙やストーリー展開の巧みさで読ませる短編は皆無で、作者にシンパシーを持てる読者だけに通用する、困った類のアンソロジーだと思った。 | ||||
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