(短編集)
エステルハージ博士の事件簿
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この作品は、現在翻訳の出ているデイビッドスンの中で一番の傑作だと思います。特に解説で「ドタバタ喜劇」と看做されていると思われる「イギリス人魔術師〜」を読んだ時は、読書の深い喜びに浸る事ができました。他の短篇も意表をつく趣向が凝らされており、連作短篇集という形で作り込まれた圧倒的な世界観にワクワクしながら、一本調子の長編より様々なスタイルを楽しめるところが魅力です。本の両扉に印刷されたスキタイ=パンノニア=トランスバルカニア三重帝国の世界地図と、その首都ベラの市街図、これがまた没入感を否が応でも盛り上げてくれます。 さらに、エステルハージ物の番外の一編、「パスクァレ公の指輪」という中編が、「不思議な猫たち」(扶桑社ミステリー1999) というアンソロジーに入っていて、この短篇集中の白眉と言っても過言ではありません。デイビッドスンの翻訳本の解説とかでは、どれもこの一編については言及されておらず、アマゾンで作者名の検索をしてもでてこないので、たまたま自宅の本棚に埋もれていたのを見つけたときは、ビックリして何かすごい得した気分になりました。そして、まだいくつもある未訳のエステルハージ物や他のシリーズ物が早いとこまとめて翻訳出版されるといいなあ、と待ちわびている訳です。 | ||||
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「事件簿」なので推理小説かというと、全く違う。 「ありそうでなかった国」のおとぎ話である。 主人公のエステルハージ博士はありとあらゆる肩書きと能力を持つ超人的な大天才であるが、本書で実際にやっていることはたいしたことではない。 読者は、華麗にして猥雑な帝都ベラに身を沈め、溺れるのみである。 物語が意外な方向に流れて行ったり、突然に終わってしまうことが楽しい。 作者自身も、楽しんで書いたに違いない。 | ||||
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「架空の」小国を舞台とした小説。 初めにそこを見落としたら、実在の国を舞台としているように思ってしまいそう。歴史とか近隣ヨーロッパ諸国との関係とかが、なんとも当たり前のように説明されて、そこに説得力があるのだ。 | ||||
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合理性では説明できないけれども、小説の面白さをたっぷりと 含んだ、不思議な小説集。ボルヘ・ルイス・ボルケスと似た感覚を 覚えます。伝奇小説・・というわけでもない。 いつの時代というでもないけれども、でも19世紀末のようでもある。 どこの国ということもないけれども、バルカン半島中央部とある。 社会システムは、社会主義国家的でもあるけれども、王制のようでもある。 そんな、いつかどこかで感じた、見たことのあるような「既視感覚」 たっぷりな、短編集。ノスタルジックな雰囲気が、妙になつかしい。 そんな情景の中、希代の大博士エンゲルベルト・エステルハージがさまざまな怪事件、 というか、さまざまな摩訶不思議な事件、イベント、登場人物に遭遇、招聘され、 解決していく。 しかし、それは事件でも事故でもない。 日本でいうと、明治や大正など、文明の黎明期をほうふつとさせる、芳醇な時間を ゆったりと過ごせ、読書という行為のだいご味を味わうことができます。 なんといっても、ベテランの手になる、奥の深い翻訳の文章がすばらしいです。 | ||||
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いわゆる「奇妙な味」の連作小説。同じ出版社の奇想コレクションシリーズとして出されている「どんがらがん」以上に一般文学に近く、SF味は弱い。 架空の国を舞台にした”ヘンな”事件の数々が語られ、全体に漂う一種の不協和音の様な雰囲気が何とも魅力的。 事件簿とあるが、事件そのものの解決は二の次で、そこで起こる事件そのものを描く事に重点が置かれている。 事件そのものは完全に解決していないものや真相について曖昧にされているものも多く、博士は探偵役をつとめる事もあるが、それ以前に事件の観察者としての役割が大きい。 | ||||
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