(短編集)
パウリーナの思い出に
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表題作があまりに素晴らしい! | ||||
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ラテアメ幻想文学の巨匠の短篇を日本独自に10篇集めた短篇集。 収録作どれもそれぞれ面白く、時間を潰して読む価値のある作品だったとは思うのですが、ではどういう短篇であったかを思いだそうとすると、イマイチよく憶えていなかったというのが、正直な感想です。 これは、決してつまらなかったという意味ではないし、印象に残らなかったという訳でもないのですが、私の記憶にはあまりインパクトが強く残らない、淡泊な作品が多かった為と思われるので、読まない方がいいとかつまらないとは絶対に言いません。実際読み応えがあったので。 フリクションで印象に残った文章をチェックしたので書きだしてみると、 「餌をもらった犬は律儀に仕えると言うけど、それは犬が自由に生きられないからなの。主人と一緒じゃないとだめなのね。なんだか男にしがみついている女みたいで、つまらないでしょ。でも猫は違うの。人間で言えば、ちょっと変わった人ね。猫は結婚しないのよ、知ってる?奴隷みたいな生き方はできないの。必要なときか一緒にいたいときだけ影みたいにあらわれる。飽きたらまた影のようにいなくなる。」 「転地療養の場所には、何か特別な魅力に加えて、心地よい退屈さのようなものが必要だ。普通ひとりの人間の中では二つの性向があらそっているーひとつは無為に惹かれる生来の性向、もうひとつは幼児期におしえこまれた、暇を罪とみなす性向である。転地療養を終えると、その場所から離れても、心の平静を保つことができるようになる。医師のゆるぎない権威が閑暇に対してお墨つきを与えているからだ。その結果、責任感というか、少なくとも何かに縛られ、義務をはたし、結果をだすという三つの苦難は等閑視されることになる。それは、人生の中でもまれな旅の小休止のような時間で、栄養をとり、心配事を忘れ、息抜きをし、日を浴びることが果たすべきつとめとなる。そういう時間も必要だと世間が認めているからこそ、このようなホテルが存在するのであり、それは同時に、現実が苦労の多い複雑で深刻なものだという人々の認識を示している。かくしてホテルのあらゆる事物がかすかな穏やかさと退屈さをかもしだし、まるでガラス玉に入れられたミニチュアの家のごとく、すべてのものが怠惰さという淡い光につつまれているのだ。」 「今どきの人間、特に若者たちは自分の発言を冗談にしてしまう。よろしいかな、約束ごとに対する鈍感さこそ、共和国をむしばむ元凶なのだ。」 「男と女がひとつ屋根の下にしばらくいたら、最後は必ず同じベッドに入るのよ」 「観光こそ、万人に共通する唯一の信仰に他ならない。」 「生きることは矛盾をはらんだはかない逃亡、つまり物質から逃げることに他ならず、私が感じた恐怖は死への恐怖だったのだ。」 「世界とは、すべてが有機的に結びつく形で考案された機械のごときものだ。その中で動物の存在を正当化しる理由はひとつしかない。魂の輪廻だ。」 となりました。箴言みたいで含蓄に富むいい文章だと思います。 ラテアメ文学の懐の広さが判る短篇集。機会があったらどうぞ。 | ||||
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鏡像関係や中世の哲学の実存性と共通点を持つ物語が、理解し易く物語られていると思います。 | ||||
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私は、ラテンアメリカ文学は、コルタサルの短編が一番だと思っていたのですが、この短編集は、コルタサルの短編に匹敵する面白さです。 異世界に迷い込んで、自分は相手のことは知っているけど、相手は自分のことは知らず、原因を探求する男の話、世界が核戦争で滅亡しようとしているのに、日常生活を続けざるを得ない人々の話など、シュールで幻想的なこの短編集は、ラテンアメリカ文学好き、外国文学好きには、確実に「買い」です。 | ||||
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