ディミター
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ブラッツィの数少ない邦訳の一冊(2010年発表、邦訳2012年)、 エクソシストほどの衝撃度も新鮮さも重厚さもないが、正体不明の何ものかを巡るほどほどの長編スリラー・ミステリ、 第一部アルバニア編では、無神国家を標榜した当時のアルバニアの闇と、執拗な拷問の描写が続き、拷問による自白強制が不可能であることが徐々に証明されゆく詳細さが方向を変えた闇の存在を示してゆく、 第二部イスラエル編では第一部で堂々巡りした部分に別方向から光が当てられてゆく、 邪道外道な読み方だろうが結論が語られる第三部だけ読むのもありかもしれない、 小説としては第一部の執拗さを高く評価しなければならないと感じる、 当然ながら、無神国家の残虐さを語ることイコール共産主義批判であるから、その筋の評論家や読書家から無視された結果がレビュー数の少なさに影響しているだろう、 第二部の圧がもっと強ければ細かい部分の分析に頭を使いたくなるだろうと思うのだが、なにか思いつけば追記したい、 作者本人は本作を自身の代表作と認識しているようだが、そこまでの魅力は感じなかったのが正直な感想だった、 なお、さまざまな馴染みのない固有名詞がたくさん登場し、その点ではミステリの王道に沿った文章作法になっていると思われる、 | ||||
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私には理解不可能でした。エクソシストは良かったけど。 | ||||
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1973年、宗教弾圧と鎖国政策下の無神国家アルバニアで、正体不明の人物が勾留された。男は苛烈な拷問に屈することなく、驚くべき能力で官憲を出し抜き行方を晦ました。翌年、聖地エルサレムの医師メイヨーと警官メラルの周辺で、不審な事件や“奇跡”が続けて起きる。謎が謎を呼び事態が錯綜する中で浮かび上がる異形の真相とは。 | ||||
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ブラッティはマンハッタン生まれ、両親はレバノンからの移民。彼が6歳の時に父が家を去り、母に育てられた。少年時代だけで28回転居をした。カソリック。 「ディミター」について次のような応答が残されている。 Q ブラッティさん、今回の作品、ディミターはエクソシストに匹敵すると思われますか? A 疑いなく、これは私の作品の中の最高作です。本作を超えることは自分にはできません、その事をよく承知しています。 2017年1月12日、89歳の誕生日を5日過ぎた日に亡くなった。心から哀悼の意を捧げつつ、ディミターのレビューを書きます。 ディミターは、凄絶な拷問に耐える無言の男からスタートして、一見関わりのない場所、人物が登場する複雑なプロット。 丁寧に読んでいかないと解らなくなるかもしれない。 やがてあらゆるシーンが蜘蛛巣のように関連づけられて行き、ディミターが追跡する目的人物の名が明かされる。衝撃的なラストシーンは、状況と人物の悲惨さと対照的に愛の輝きに満ちて、目がくらむほどの美しさである。 読み終わると、ブラッティが目指し、構築した世界が理解できて深い感動に満たされた。それはキリストの祈りに満ちた究極の安寧の境地だ。 エクソシスト同様、表面に出ているサスペンス、不思議現象などだけを追っても十分楽しめるが、人物名にしても、選んでいる土地にしても、キリスト教に関する知識の有無が、深い理解のための鍵となってくる。 | ||||
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1973年のアルバニアは「神」という概念を国家的に否定して(もちろん「キリスト教」を弾圧)いたのですが、そこに現れた正体不明の男に当局が事件への関与の疑惑を深め、拷問を加えます。その拷問の指揮を執り、男の名前や過去を探す拷問者ヴロラと謎の男の関係を描く1部、その翌年である1974年のエルサレムの病院で起こる奇跡に接する医師メイヨーとある事件を追いかける刑事メラルの2部、そして終章である3部という構成になっています。 ミステリなんでネタバレなしですが、かなり面白かったです。アルバニアにおける宗教史や因習、鎖国状態に置かれていた事実にもびっくりしましたが、単純なミステリでない、スパイモノを注入し、さらに哲学的な問いかけをまぶすことで、個人的にはかなり好みの作風になっています。さらにその東欧からイスラエルのエルサレムに移るのも納得の展開。 その上描写やプロットの見せ方がいちいち憎らしいくらいでして、物語の緩急の付け方が玄人好みです。一見何の変哲も無いように見せかけて実は・・・という部分や、クライマックスでの盛り上がり結末を早く知りたいという欲求を押さえつけながらページをめくることこそ読書の究極の楽しみのひとつですし、最後のカタルシスも素晴らしく、もうひとつの究極の読書の楽しみである読後の余韻もばっちりです。 とりあえず、あまり知識を入れないで読まれた方が楽しめる作品であることは間違いないと思います。 スティーブン・キングが好きな方にオススメ致します。 | ||||
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